女尊男卑社会が持続できない理由

WSJに高学歴女の結婚難の記事が掲載されている。(イラストの見下し感はうまく描けている。)

書き手は女尊男卑のリベラルのようだが、

筆者の娘たちがまだ幼かったころ、お気に入りの下手な詩があった。フェミニストの兆しがうかがえる詩だ。
女の子は実際、男の子より賢く、その他の点でも大いに優れていた。
娘たちは今、リベラル教育という、見た目は立派なエスカレーターを優雅に、成果を上げつつ上っているところだ。

この現実は直視している。

女性が自分の相手としてふさわしいと考える男性は、男性がふさわしいと考える女性よりはるかに少ないという厳しい現実が裏付けられた。

デートアプリHingeのデータ分析によると、異性に対する魅力の「ジニ係数」は女は0.376だが男は0.542になったという。Tinderの分析からは、男の20%が女の78%を引き付けるパレートの法則が確認されている。OKcupidの分析では、女の男の容姿評価をIQに置き換えると中央値は「知的障害」に相当するという。男は女に甘いが、女は男に厳しい(→男の方がモテ格差が大きい)という常識がビッグデータによって裏付けられている。

He reported that heterosexual females faced a Gini coefficient of 0.324, while heterosexual males faced a much higher Gini coefficient of 0.542.
If these findings are to be believed, the great majority of women are only willing to communicate romantically with a small minority of men while most men are willing to communicate romantically with most women. …… Stated in another way, it seems that men collectively create a “dating economy” for women with relatively low inequality, while women collectively create a “dating economy” for men with very high inequality.

哺乳類では強い雄が複数の雌を集め、残りの雄はあぶれるwinner-take-allの生殖が一般的で、ヒトの女も「強い≒優れた男」の遺伝子を求める本能は共通している。これが外見(肉体面)の異性評価において女の方が圧倒的に厳しい根本理由である。

それなのに一夫多妻ではなく一夫一妻制が基本なのは、他の動物に比べて子育てが困難かつ長期にわたるためで、その解決策として男(夫)が用心棒兼食料調達係としてサポートする仕組み=核家族(→家父長制)が生まれた。動物の世界ならあぶれてしまう男でも、妻子を養える稼得能力があれば「強さ」として評価されるので、結婚して子供を産んでもらえる。

結婚とは出産する女とそれをサポートする男の組み合わせなので、その逆、つまり自分が養う男を探す女はいない。女は男に「自分と子供に多くを与える」ことを求めるので、自分がスペックアップするほど要求水準も高くなり(⇩)、それをクリアできる男は少なくなる。これは猿の一種であるヒトの本性に基づいているのでcultural universalである。

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高学歴で高収入を得て都会で働く女性にとって、ふさわしい夫を見つけることは至難の業だという。
男にも自分と釣り合う知性を求め、格下には容赦ない。
エリート女の泣きどころは、エリート男しか愛せないってこと(笑)。
“They are women who have a great education, a successful career, and a pretty face and just don’t want to settle for less,” Lai said.

従って、リベラル教育は出生率を低下させると予測できる。

高学歴とリベラル化の関係は、2016年の米大統領選挙にも表れている。これ(⇩)はアメリカの50州とワシントンDCを「有権者に占める学士以上の学歴保有者の割合」で降順に左→右に並べてヒラリー・クリントン勝利を青、ドナルド・トランプ勝利を赤に色分けしたもので、高学歴ほどヒラリー支持≒リベラルであることが鮮明に出ている。

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次に2017年の白人の合計出生率の低い順に左→右に並べる。一目瞭然だが、リベラルな「青い州」ほど出生率が低く、ワシントンDCは1.01、ロードアイランド州1.34、マサチューセッツ州1.36である。

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男女平等を要求する女は"We Can Do It!"と叫んでいたが、格下の男を夫にして養う下方婚(シンデレラの逆)はできなかった。できないなら黙っているべきである。

女が"have it all"できないのも下方婚できないからなのだが、それを理解できないのは女にとって上方婚が自然なことだからである。

WSJの記事はこのように締めくくられているが、小国では外国人の男との結婚は珍しくない。

別の言い方をすれば、女性こそ大学を卒業したら木星に出向いて、それなりのパートナーを見つける必要があるのかもしれない。

女尊男卑の北欧諸国では、女は米英など西洋の先進国の男、男はロシア・東欧やアジアの女との国際結婚でミスマッチを埋めている。シンガポールでも西洋人との国際結婚は圧倒的に女>男である。しかし、これは人口小国だから可能なのであり、アメリカのような人口大国は真似できない。

アメリカのリベラルも、男女平等のトリレンマ、すなわち①男女平等(その実は女尊男卑)、②女の上方婚志向(本能)、③人口再生産(同質な社会の存続)は同時に二つしか達成できないことを認めざるを得なくなってきたのだろう。リベラルが移民にこだわるのは、①と②を選んで③を捨てたからかもしれない。

リベラル教育の絶大な効果(⇧)。

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