トレンド転換に対応するのは難しい

ファンダメンタルズが逆方向に動き出したのなら、それまでとはやり方を変える必要がある、というのは当たり前のはずなのだが、現実には難しく、大抵はそれまでの状況におけるやり方を更に強化する方向に走ってしまい、結果的には大失敗することになる。

人口減少時代に転じてもなかなか過去のビジネスモデルから脱却できず、「拡大路線」に固執してしまう。そのため、現場が帳尻合わせ的に不正に手を染めてしまったり、過重労働が強いられてしまったりという問題が発生するのだ。

人口減少が急速に進む「縮む社会」で経済を維持するには、「数」が減っていく代わりに、一つ当たりが生み出す「価値」を上げていくしかない。つまり、生産性向上と賃上げだ。

日本の生産年齢人口は1995年にはピークアウトしていたので、本来ならICTをフル活用した省力化によって経済構造を作り替えるべきだったのだが、そうではなく、賃金抑制・人海戦術(女と老人の動員)の路線に進んでしまった。

総務省統計局「人口推計」

ピーター・タスカが1997年に『不機嫌な時代』で描いた「デジタル元禄」のシナリオが実現してほしかった。


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