国の財政の推移をグラフ化

2019年度の決算が財務省から国会に提出されたので、主な項目をグラフ化してみる。

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1980年代末からの税制改革が、法人税と消費税を入れ替えるものだったことが見て取れる。

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この流れ(⇩)を加速させたのが橋本龍太郎の金融ビッグバンと消費税率引き上げで、民主党政権と安倍政権がそれに続いた(どちらも金融資本主義のネオリベラル)。

国家は課税政策のバランスをとる能力を失っているのだ(これも国家の政策能力不足の証左)。国家は自分が誘致していると思っている資金の動きに振り回されることになる。国家の税収レベルを維持するためには、国家はその他の分野で重税を課さなければならない。そこでヨーロッパでは、20年来、消費に対する税金である付加価値税(TVA)と労働に対する税金である所得税は増税されてきた。これらの税の対象となるものに共通する性格は、移動が簡単ではないということである。一方で、国家は気軽に移動できる資本に対しては減税している。資本に対しては減税、労働に対しては増税。企業に対しては減税、サラリーマンに対しては増税。すなわち、国家もまた、金融資本主義のさらなる強化に加担しているのだ。

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国債費の2/3は償還費繰入だが、満期になった国債は借り換えて元本の返済を先送りできるので、各年度の「真の費用」は利払費だけとみなせる(事務取扱費は少額なので無視)。

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償還費繰入を除いた歳出を社会保障関係費とその他に二分すると、前者は増え続けているが、後者は1998年度が最大で、2019年度はそれよりも14%も少ない。この強力な抑制が経済成長のブレーキになり、国力の衰退を招いたことは確実である。「日本を取り戻す」と国民を期待させた安倍政権(グラフのカラー部)が方向転換しなかったことも明らかである。

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2020年度はコロナショック対策で新規国債発行が空前の90兆円強となるなど、歳入・歳出の内容が激変することになる。

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