東京の出生率は低くない?

東京の出生率は実はそれほど低くないという説が唱えられている。

👇の図表2が同じもの。

出産可能年齢(15~49歳)の女性の総数とその年齢階層の女性が産んだ子どもの数をもとに出生率(女性人口千人当たりの出生数)を確認すると(図表2)、東京都区部の出生率は全国平均を下回っているものの、「ブラックホール」と呼べるような状況となってはいないことがわかる。東日本の出生率が総じて低い中にあって、東京の都心3区(千代田区・港区・中央区)はとびぬけて出生率が高くなっている。ブラックホールの近くには東京タワーもあるようだ。

👇は図表2を降順に並び替えたもの(橙―東京都、緑―特別区部、黄―都心三区)。東京都は47都道府県の42位、特別区部は全国平均よりわずかに低く、都心三区は1位の沖縄県と2位の鹿児島県の間に位置する。

厚生労働省, 総務省統計局, 東京都より作成
総出生率=出生数÷15~49歳の女の人口

しかし、都道府県によって異なる15~49歳の年齢構成の違いを調整する(全国の年齢構成に合わせる)標準化を行うと、東京都は最下位になり、都心三区は東京タワーではなくなる。

厚生労働省, 総務省統計局, 東京都より作成
 総務省統計局, 東京都より作成

標準化の基準年が2020年であることは見比べればわかる(標準化前と後で全国の値が同じ)。

ということで、年齢構成を調整すると、東京の出生率はやはり全国最低レベルだった。

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