シムーンをひさしぶりにみた

シムーンを最後にみたのはもう何年前のことだろう?
7月1日からDアニメストアで配信されるという。
そういえば、以前ふと見たくなって探したこともあったっけかな。その時は当然見つからなかったけど。
土曜の朝からなんとなく視聴をはじめて、結局その日の夜にかけて、最終回まで見続けてしまった。

・キャラクターと設定の魅力

神事に使われていたシムーンと巫女が戦争に動員されていくという筋書きが、そのまま各キャラクターの個別エピソードに影響を与えていく。主人公のアーエルをはじめとした新規採用組はもちろんのこと、戦争が始まる前からのエリートたる巫女たちも、平時のままではいられなくなってくる。
個人的にすきなキャラはマミーナ。
マミーナは、なんだったら主人公よりもいい役どころをもらっていたんじゃないかな? なんか一番出番があったような気がしてくる。彼女の幼いころのエピソードは胸が痛くなる。そして壮絶な最後。あんたはホンモノのシヴュラだったよ……
ほかにも、幼いけど賢い少女リモネとか、見た目ガーリッシュなのにおれっこのユンとかも魅力たっぷり。美少女キャラクターもの、女女関係性ものとして面白いのよね。

・翠玉のリ・マージョン

終盤にかけてシムーンを視聴していると、翠玉のリ・マージョンが示唆する『希望の大地』の思想に惹かれていくんだよね。
いってしまえば、翠玉のリ・マージョンそれ自体は単なるタイムスリップである。単なるタイムスリップでしかない。しかし、いまこの世界が穢れた大地であるからこそ、その時空を超えた新天地への移動というものに宗教的な救済の色を帯びてくる。
実際、時間遡行による古き良き時代への回帰もしくは逃避というのはSF小説でなんどか見たことのある話であるが、シムーンの場合は、タイムスリップする本人たちのみならず、周囲の人間にとってもそれが『救い』になっているのが、なんというかね、美しいよね。
過去に戻ってこの歴史を改変してくれと願っているのではなく、ここではないどこかで永遠に存在していてくれ──という願いは共感するばかりである。
切ないねえ。

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