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どのクライエントに対しても心地良いセラピストを演じられているか?

作業療法士の中野です。
私達の仕事の多くは、自分を介して行います。

いや、私達の仕事の全てが自分を介して行うと言っても良いかもしれない。
例えば、補装具や自助具の導入においても、提案、作成、助言を行っているのはあなた自身であって、そこに何らかのバイアスが働くことはありうるからです。

エビデンスというのは極力介入者(私達の場合治療者)に対するバイアスが働かないように介入方法が工夫されます。

例えば理学・作業療法においては、ある治療法についてよりエビデンスレベルを高めたければ担当制は取れないはずである。
毎回違うセラピストが同じ介入を行うことでエビデンスレベルは高まる。
あるいは担当制を用いる場合においては、より多くのセラピストが同じ治療法を用いたケースを集積する必要があるわけです。

さて、しかし臨床においては非科学的であっても効果を上げたいと思うのが臨床家ですよね。
再現性なんてなくていい、取り敢えず目の前のクライアントがハッピーになる介入ができればこれ幸いって感じ。

臨床ではプラセボだったとしても結果出したい!

特に薬の研究においてはプラセボを極力排斥するよう治験が行われます。
具体的には提供する医師も実薬か偽薬かを知らない状態で患者に投与するということです。
実はこれ偽薬なのに…とか、あなたラッキーですね、これ実薬ですよ!っていう表現が暗に表出されないためにそのようにするわけです。
提供する医師も患者も実薬か偽薬か分からない(双方とも分からない)ということでダブルブラインド(二重盲検)試験と言いますね。

でも、臨床は研究を行う場ではありません。もちろん、研究に使用されることはありますが。
研究に利用していない臨床においては、エビデンスから外れてくれたら嬉しいことなんて山程あります。

予後不良のケースがテレビに出るような奇跡の生還みたいな効果が現れたらやっぱり嬉しいです。
先日のエントリーでも書きましたが、医師が私のことを褒めてくれるケースがありました。そのことにおいて私は決して自分を過信したりしません。
いやぁ、別に何にもしてないんだけど…。みたいな。
冗談でクライアントには、「俺ってスゲーやろ?先生にアピールして、もっと患者さん振って!って言っといて!」みたいなトークをすることはあっても自分では思っておりません。理由はエビデンスベースじゃないから(再現性はない)。

他にもガンの治療過程でできた後遺症(副反応)?で末梢神経麻痺?のような症状が出ていた子も現在介入後1年ちょいですが、異常感覚により片足の足底接地不可且つ股関節、膝関節、足関節、足底のROM制限、筋力低下バリバリの状況から運動会でソーラン節を踊り切ることができるようにもなりました。
そもそも原因不明なもんで、エビデンスなんてありません。状況から何を優先すべきか考えて考えて考えまくって出した結果です。
もちろん私以外のセラピストが関わっていれば半年で結果を出していたかもしれません。が、担当医は満足してくれているようです。

エビデンスをみると、結果は出にくいと考えられるケースもある。
エビデンスなんて存在しないケースもある。

でも、そんなのかんけーねー!

結果でりゃー、それ最高なわけです。

じゃあどうやってプラセボ出す?

プラセボの定義において、「意図して出せない」というようなニュアンスの文言があったはずです。
意図して出せるなら、それはもはや効果なもんでそりゃそうですよね。

でも、臨床においてより良い結果を求めるならプラセボにも頼りたいわけです。

じゃあ、プラセボ出すにはどうしたら良いか?
もちろん明確な答えはないのだけれど、クライエントと師弟関係を築くことは一つの要因ではないかと私は思っています。

これは詐欺の成功要因とも一緒で、オレオレ詐欺のように相手の認知機能低下に漬け込むような詐欺を除いて、完全に相手からの信頼を得ているわけ必要があるわけです。
信頼を得る上で一番強い要因が師弟関係のような信頼関係だと言われています。(ソースは探して下さいな。)
ソースはないですが、何となく分かりませんか?
私も盲目的に信じた師匠的存在が居ました。
が、その結果詐欺被害に遭いましたwww
治療効果を上げるなら同じ薬でも信頼できる医師から処方される方が効果を上げるでしょう。

患者が薬を言われた通りに飲むか、飲まないかは医師との信頼関係によるところ多い気がします。
自主トレするかしないかは、やはりセラピストとの信頼関係の強さに相関しそうです。

ま、要するに治療効果を予想以上に出すにはプラセボにも頼りたいわけで、プラセボを出したけりゃ信頼関係を強める必要がありそうってことです。

おわりに

プラセボは出せません。
でも、出るかもしれない状況は作れそうな感じがします。
それは前述の通り、詐欺における詐欺師と被害者の関係と相関するように思われるからです。

前述のように私は数百万の詐欺にあったことがあります。
今から考えると学んだことの方が大きくて詐欺だなんだと騒ぐほどのことでもないと思っているのですが。
今だったら、その詐欺に決して騙されないと思うような内容です。
盲目的に他者を信頼したことにより起こった悲劇な訳です。

私達の仕事においては、その盲目的信頼を得ることで、クライエントがハッピーになる可能性が高まるのではなかろうかと。

最高のセラピストは、最高の詐欺師になる可能性があるんじゃないかなぁ。
詐欺の定義とか調べたことないですけど、あんたの嘘で相手に不利益を被らしたらあかんとかって内容だと思う。
でも、最高の詐欺師は相手が不利益被ったって思ってないのでもはや詐欺ではないじゃない?
そんなセラピー効果を上げることが臨床家である私達の望みですよね。笑

私は、クライアントのハッピーのためになら詐欺師にでもなりたいと切に願う。

私は、一人一人の利用者から盲目的な信頼を得るためにキャラを変えています。
ひとそれぞれ、好きなタイプは違うわけだから、それぞれとハイパーラポール築くために、それぞれと師弟関係を作るために。(誤解が無いようにお伝えしますが、師弟関係とは横柄な関わり方やパワハラ的関わり方ではないですし、荒い言葉遣いをする事ではありません。)

治療効果が上がるなら、私は騙されやすくても良いかななんて思っています。仕事柄騙されにくい体質に育っているのですが、これまた仕事柄、医師のいうことは絶対みたいな体制で仕事しておりますので、先生がそれっぽく上から言ってくれたら私は騙されるかなぁと。

タバコ止めなきゃ5年後死ぬよ(5日後なら信じないけど、5年後って言われたら信じる)、とか酒止めないなら娘の成人式見れないよ(中学生って言われたら信じないけど、成人式って言われたら信じる)、とか言ってくれる先生求む。笑

I'm Occupatipnal Therapist for children with disorder. I like all children. I hope save the children. I try to write for save the children.