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南方仁の心の散歩道No.8       不安について

 不安は、いやなものですね。
 不安があると心がどきどきして、暗くなり、胸が苦しくなり、おちつきません。
 とてもいやな状態です。
 
 でも、ちょっと立ち止まって考えてみましょう。
 
 人間が全く不安を感じなくなったらどうなるのでしょう?
 きっと短時間で命を落とすことになるのではないかと思います。
 なぜかというと、「危険が迫っているから、早く対処した方がいいよ。」と教えてくれる機能だからです。
 不安があるから、事前に行動を修正し危険を回避することができるのです。
 無視すれば命の危険にさらされます。

 そもそも、不安や恐れはそんなに悪いものではありません。
 「これからよくないことが起ころうとしているから気を付けて!!」と危険を教えてくれたり「このまま勉強しないでいたら試験に合格できないから勉強しよう!!」と励ましてくれたりするもので、人間にとって必要なものでもあるのです。
 邪魔物扱いしてはいけません。
 いつかは消えてなくなってしまうのですから放っておくに限ります。

 ところが、高校生時代の自分はこのことを知りませんでした。
 大学受験に向けて勉強している最中に「もし合格できなかったらどうしよう・・」という不安が頭をもたげ、何度消し去ろうとしてもどんどん膨らんで、本当に怖かったのを覚えています。
 模擬試験中に問題用紙を見ただけで怖くなって体が震えだし、途中退場したこともありました。
 奇跡的に第2志望の大学に合格することができたのが不思議なくらいです。

  ということで、不安はあって当たり前のもの、なかったら困るものなのです。
 
 だから、不安を感じたら「危険を教えてくれてありがとう。」ぐらいの気持ちで、消そうとせず、目の前の事に具体的に取り組むことが大切だと思っています。
 
 これを無理に消し去ろうとすると大変なことになります。
 もともと人間に役立ち必要なものなので、消し去ることはできません。
 無理に消し去ろうとしてもがけばもがくほど不安は膨らんで、手が付けられなくなります。
 このあたりは、後日「森田療法」という記事で書いていく予定です。

怒りや不安と上手に付き合い、あるがままの自分で「今、この時」を体全体で感じる・・・。
 これが私にとって最高に幸せな時間です。

次回は、「もう一人の自分」ということについて書いていこうと思っています。

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