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第2章〜東京拘置所編 第11犯〜控訴期間

「7年か〜、、、泣」
って舎房で嘆いていたら長年の友人が面会に来た。

判決が出ても、高等裁判所に控訴するかどうかを考える期間が二週間だけ与えられる。
これを「控訴期間」という。

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※画像はhttps://atombengo.com/qa/hanketsufumanから借用

この期間中は服役していない状態なので、面会などの制限は今までと同じ。
ちなみに俺は控訴しない旨をオヤジに伝えたので、控訴の権利放棄ってことで二週間を待たずに懲役刑が開始される。
ってことで早速友人2人が面会に来た。

僕の彼女からの連絡で実刑の年数を聞き、いても立ってもいられずに冷やかしに来たそうだ。
傷口をコーラで洗って塩とワサビとマスタードを塗りに来た
みたいなよくわからないことを言ってアクリル板の向こうで爆笑していたけど、俺もそんなに凹んでたわけじゃなかったから最後に友人と談笑できたのが本当に良かった。

俺が服役中に監獄法の改正があって、親族以外でも連絡できるという今の法律になったんだけど、改正前は手紙や面会などのやり取りは基本「親族」に限られていた。
だから出所まで友人との連絡は行えないものと思っていた。

10分にも満たない短い面会時間のために遠くから来てくれた友人には感謝しかない。
出所後も待っていてくれるだろうか心配していたが、コイツらは最後に
「7年の付き合いだけど思い返したら一瞬だったんだから、7年後なんてあっという間っしょw」
と最後の最後に泣かせにきた。
でもちょっとばかし知識の付いた俺は「仮釈放」のことを知らんコイツらに7年待たずに出れるって伝えようと思ってグッと言葉を飲み込んだ。

コイツらは出所したら垢落としでソー○ランドを奢ってくれると約束していった。
癪に触って気が変わられたらたまったもんじゃない。

実際に出所後に奢ってくれたから、やっぱり言わんで良かったと今でも思っている。

あと大量のお菓子とエロ本を差し入れしてくれたから、やっぱり言わんで良かったと思う。

そんなこんなでお菓子とエロ本を消費しながら最後に手紙をたくさんの人に書いては出し書いては出し、人生で一番文字と格闘していたら控訴期間が終了を告げた。

続く

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