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ゲーム業界でテクニカルオーディオデザイナーやオーディオプログラマーとして働くことについての散文

先日杉森さんの下記ツイートが広くシェアされていました。

ゲームオーディオの業界で最近そういった人材不足を感じている所でしたので、こうして認識が広がるのはありがたいですね!

そして、この「サウンドプログラマ」とされている部分について、私が最近(地味に)周知活動を頑張っている職種と繋がる内容ですので、この機に乗っかって見かけた意見等に対していろいろ補足してみたいと思いますー!空中レスが届くように是非共有していただければと思います、笑。

とりま見てください!

CEDEC2022 でそこに当たる職種の紹介セッションを行い、記事を書いていただいているので、まずは見てもらえればと思います!

テクニカルオーディオデザイナー?

聞き慣れない人も多そうな「テクニカルオーディオデザイナー」という言葉ですが、オーディオ職として技術を行使するにふさわしい職種名として使っていくと良いんじゃないかなぁ〜と提案中です。「テクニカルアーティスト」のオーディオ版という感じで、別に造語ではなくて既に使用されている例も多いです!

略するなら TAD で、知り合いの間では既に使っていたり使ってなかったりしますが、いきなり略しても伝わらないのでしばらく略しません、笑。

また、「サウンドプログラマー」と「オーディオプログラマー」の違いは特に無いんですが、意味的に実態に近いのは「オーディオプログラマー」のほうで (サウンドは1つ1つの音を指し、オーディオは音声出力全体を指す感じです)、海外でも普通そちらで呼ばれるので少なくとも個人的には「オーディオプログラマー」で統一してます。

たかが職種名ですが……。働くイメージやモチベーションなどにも影響するので認識していただければ嬉しいです!

必要スキルが分からない?

セッション内でも触れているのですが、表現面(出音)と技術面(データやプログラム)の両方に対して責任を持てるようになることが最も大事なスキルになります。噛み砕いて言うと、基本のプログラマーや正確な実装担当としての動きができて、音の良し悪しの判断が割とちゃんと出来ることです。

逆に必要そうに見える FFT などのピンポイントな信号処理技術は必須ではなく、各種エフェクトの効き方など実際に加工する上での知識のほうが優先です。

あとは表現の幅を広げるために、様々な表現や技術の組み合わせを試していける好奇心が重要です。

こういった情報はマジで正直全然何処にも書いてないので、どこかでもう少し体系的に書く機会が欲しいくらいなのですが……。全部1人で一気にやるのもきついのでちょっとずつ発信してこうかな〜と思っています。

ハードルが高い?

複数スキルが必要になる職種なので、即戦力として動くためにはどうしても若干高ハードルになります。

また、推奨スキルを挙げていくとキリがないため、余計にハードルが高く見えてしまいます。その求人どんな超人なんだよ!?となることも珍しくないです、笑

ですが、必須スキルの部分だけ見るとそこまでやばいハードルではないと思うので、積極的にチャレンジして欲しいと思いますし、働きながら学べるような環境も増えて欲しいなぁと感じています。

求人や案件依頼がない?

現状では求人も案件依頼も要即戦力になっていることが多く、経験がそこまで合致しない人から見ると欲しいと言う割には無いじゃん?という印象になるんじゃないかと思います……。ほんとそうですね……

この辺のマッチングの上手くいかなさは、情報共有などが進めば多少は緩和されると思いますので、ぜひ声をあげていただければと思いますー!

あと現職のテクニカルオーディオデザイナーに割と抱えきれん量の案件が突っ込まれてくるのは本当なので、その辺りも分野としてコミュティが多少できて共有できるようになればいいなぁと思っていますー。(これも1人でやるには以下略です

学校で教えてない?

教えてないことは全然ないと思うのですが、噛み合ってはいないかな?と感じています。

例えばオーディオ処理→信号処理→フーリエ変換などとなりがちなのですが、実際の業務でフーリエ変換を使うことは稀です。

これは現職のテクニカルオーディオデザイナーがなんとかしろよという話なので……、思うところある方は是非お声掛けいただけると嬉しいです。

言うて裏方じゃん?

余談なんですが、自分の個人的な感覚だと、ゲームを作る上での一番の花形ってずっとプログラマーだと思ってるんですよね。なのでプログラマーがすっかり裏方扱いになった気がする昨今の状況はとても寂しい感じがしています。まぁそれなら1人でゲーム作れば?って事だと思ってます、笑

それはさておき、テクニカルオーディオデザイナーやオーディオプログラマーが、ユーザーが分かりやすく認識できる職種ではないことや、ディレクターやコンポーザーなどと比較して裏方的な立ち位置に見えるのはそれはそうでしょう。

ただ、職種に貴賤なしというか、あくまでゲームを作る上での役割分担をしているだけなので、職種ごとの変な力関係はなるべく無いほうがいいですよね?裏方というよりは「指示されたことを実現するだけ」みたいなイメージが付いてしまっている職がある気がするので、その辺りは業界全体として払拭する努力が必要なのかも?と思ったりしています。

また、テクニカルオーディオデザイナーの分野は伸びしろが大きく、オーディオのプロからの注目度が今かなり高いです。沢山のユーザーに好かれるよりプロから一目置かれたい玄人志向(?)な方にはオススメ出来るのではないでしょうか?

おわりに

とりとめない散文でしたが、お付き合いありがとうございます。テクニカルオーディオデザイナーやオーディオプログラマー志望の人が少しでも増えたら嬉しいです~

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