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差別問題、日本人に何ができる?アメリカで学ぶ日本人が強く思うこと

黒人男性George Floydが白人警察官に命を奪われた事件。

インターからアメリカの大学に進学した私のSNSフィードは「Black Lives Matter」の投稿で埋め尽くされています。しかし、日本のメディアや日本人から発せられる投稿は相対的に驚くほど少ない。

このnoteの目的は

・知ることからはじめよう
・そして、家族や友達と話そう

と、1人でも多くの方に思ってもらうことです。

まず、この動画を観て下さい。子供に「どう振る舞えば、警察官に殺されないか」を教えなくてはいけない、これがアメリカに住む黒人コミュニティの現実です。

まず知ること

私のInstagramのフィードは先週から、Black Lives Matter の投稿で溢れかえっています。

そのフィードに時々、友達とランチ風景などが出ます。それらは、日本に住むの友達の投稿です。

また、日本のTwitterのトレンドに#BlackLivesMatterや#GeorgeFloydはたぶんほとんど出ませんでした。ある時「フロイドの声」と出たので「お!」と見ると、「ツイステ」と言うゲームアプリ(?)でした。

私は日経新聞を読み、NewsPicksの記事を定期的に確認し、NHKのニュースを毎晩観ます。この事件(5月25日)から10日経ち、日本ではすでにニュースバリューが下がり始めているのを感じます。

一方で、私は「この問題を日本人が対岸の火事に感じるのは仕方ない」と思います。

肌の色が違うことで歴史的に差別を受けてきた人たちの苦しみを、近くで見ていないからです。映画や本の中でしか、聞いた話でしか、知らないからです。
だから、私たちはまず「知る」ことが大事なんです。

「What Can a Non-Black Person Do? 黒人じゃない人は何ができる?」

たとえば寄付や署名活動があります。私も、友人もしている子は多いです。

でも私たち日本人が最初にするべきなのは、「知る」ことだと思います。

差別的発言に、立ち向かえなかった自分

Politically Correct (PC) という言葉があります。差別・偏見のない発言をする立場を取ることです。人種・宗教・性別・文化・セクシュアリティ等が多様なアメリカでは、PCである必要があります。

私はほんの先週まで、ソーシャルメディア上でPC発言をすることを避けて生きてきました。

私がいたインターナショナルスクール(中・高校)はいろんな国籍の生徒がいたにも関わらず「PC的な発言はかっこ悪い」という風潮がありました。

たとえば誰かをちょっとディスりたい時に「Gay」とその相手を呼んでディスる、というやり方がまかり通っていました。注意しようものなら「何マジになってんの?笑」という反応が返ってきます。

「偽善者ぶってる」「いい子ちゃんしてる」「はいはいPCね」
そう思われるのが怖かった私は、PC的発言をすることをずっと避けてきました。

私が声を出していくと決めた日

はたしてGeorge Floydの事件の5月25日以来、私のソーシャルメディア、特にInstagramは Black Lives Matter の投稿で溢れかえりました。

黒人に限らず、大勢の友人たちが声を上げていました。私は「私がPC発言を解禁にするのは、今なんだ」と思いました。

自分の人生をベストに見せることが目的になっているソーシャルメディアで、初めて自分の弱さ、間違いに気づいたこと、をさらけ出しました。

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(私のInstagram上のストーリー)

「政治的な発言をソーシャルメディアでするのが怖かった」(1枚目)、インター生へ強いメッセージを書いた友人投稿をシェア(2、3枚目)。4枚目は今回の運動で強調されたある強烈なメッセージについて。

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(不公正を前に中立でいるのは、抑圧者の立場を選択したのと同じ)

私はこのメッセージに激しく心を突かれました。ほんの先週まで「中立」でいるのは正しいことだと思っていたのです。

でも、それは違うと気付きました。

抑圧される人々のために行動していないなら、それこそ抑圧者の思うままで、抑圧者に加担していることになるのです。

略奪は決して間違いではない

私はInstagramのフィードに流れてくる投稿で、毎日、多くの気付きを得ています。そして毎日、学ぶようにしています。その中でも大きな気づきは、「彼らにとって略奪はまっとうな(valid)抗議の方法である」ということでした。

「もっと平和に抗議しよう」と、黒人自身が訴えている映像や投稿も見ます。しかし、彼ら黒人コミュニティは何十年間もそれをやり続けてきたのです。それでも何も変わっていないのです。

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(抑圧された人々がどう抗議するべきかは、あなたが決めることじゃない)

そもそもアメリカは何百年もの間、先住民やマイノリティから略奪して成り立ってきた国です。

以下のnoteが、とても分かりやすく「暴動」の意義を説明しています。

もちろん平和が一番。でも、平和な世の中になってほしいと叫んでいる声を受け入れ、その意見に対してサポートし、どうやったら最も平和的に問題解決できるか考えていくように持ってくまでが社会に身を置く人間としての責任ではないでしょうか?彼らなりの声の上げ方に、彼らの痛みを経験していないものが「暴力はダメだよ」って言えるでしょうか?


「あまり知らないんだよね」と言える特権

次に学んだのが「この問題について気にしないでいられるのは、とてつもないPrivilege(特権)」ということです。

「気にしないでいられる」のは自分が全く影響されずに今後も生きていけるからです。黒人コミュニティには、気にしないという選択肢が存在しないのです。

All Lives Matter(全ての命は大切だ)」と言うことの危険さ

Black Lives Matter運動から1週間経つと、「なんで黒人だけ?命は等しく大切でしょ」と言う声が出てきました。

それは「火事の家に限らず全ての家が大事!」と言って、燃えてもいない家に消火活動をするのと同じです。

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全ての命が大切、だからと言って、「今、もっとも助けが必要な命」にフォーカスしなくていいことには絶対ならない。

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「学ぼう」と決めたことで私の視野は一気に広がりました。そしてこれらの学びを、私の家族や友人にもシェアし、話し合いました。

このnoteを通して私が言いたかったのは、様々な意見に耳を傾けて、このことを知ろう、学ぼうとする姿勢が広がって欲しい、ということです。知り、自分なりに考え、そして家族や友人とこの問題について話す

そして、出来れば、ソーシャルメディアでそれをシェアする。「もっと知りたい」と言ってシェアする。フォロアーの1人でも「自分も、もう少し考えてみよう」と思ってもらうことが出来たなら、それが大きな進歩なのです。

それが、黒人の苦しみを一生、肌で理解することが出来きない私たちでも出来る最初のことです。


日本人フォロアーに向けた私の発言に、反応してくれた人が何人かいました。この2人は後日、それぞれのInstagramでこの問題について、彼らなりに、でも私よりもっと素晴らしい発言をしていました。

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最後に

これらのInstagramアカウントは、この運動に関する様々な疑問を日本語で分かりやすく説明しています。よかったらチェックしてみてください。


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