<新しい商店街>

先日富山の大好きな和菓子屋さんの新店舗を訪ねた。
数年前に郊外にお店を出したというか、新店舗に本店を移したとのことで
これまでの活躍とお店の写真を目にしていた私は勝手に御殿みたいな壮大なお店を想像していた。
意外とこじんまりとして、売り場面積も最低限で、半分はイートインやイベントスペースとしている。
必要十分なミニマム設計になっている。
ああ、賢いなというのがお店を見た感想。
お店が広いとそれを埋めるために納得できない商品まで並べなきゃいけなくなるからとの店主コメントに頷く。
大きくはないが店主のこだわりと思いがつまったお菓子が並べられたお店でとても気持ちが良い。

場所は国道のロードサイドという表現からはかなり寂れた大通りを曲がり、細い道を少し走ると突然いくつかのおしゃれな商業店舗がかたまって出てくる。
どデカい目立つ看板を設置してあるわけではない。
雰囲気のあるお店が数件なんとなくまとまってあるという感じ。
今までに見たこともなかった集落だ。

最初はメッゲライ(ドイツ肉屋さん)が商業的にはあまり魅力のない土地を購入し、数年前そこにお店を開かれたそう。
続いて、なんとなく面白そうだなって仲間のパン屋さんがお隣にオープン。
で、元々彼らと飲み仲間だった和菓子屋が道を挟んだ前の土地を買ってオープン。
コーヒー屋さん、テイクアウト専門のカレー屋さんも続々オープンして現在に至るとのこと。
週末にはこのエリアに寄ってお店を巡って数時間を楽しむ多くの人たちで賑わうそうだ。
コロナ禍でも郊外であるためそれほど影響は受けずに営業してると言うから羨ましい限りだ。

って言うと、流行ってきた土地だから人気が出て出店者が増えたって予想するでしょ。
いやいや、そうじゃありません。
逆に商売に対する姿勢とかものづくりの哲学が認められないお店はシャットアウト。
お金になるからって出店を希望する人は入れないのだそうだ。

「業種は違うが方向性が似ている店舗が集まることで集客力を高める」
全く新しいタイプの商店街と言ってもいいのか?

カーナビやスマホがある時代。
場所、アクセスの良し悪しは最早全く関係ない。
魅力があればどんな辺鄙な場所にも興味のある人は来てくれる。

今、各地方の中心市街地のシャッター商店街や巨大な商業施設が集客に苦労している。
そんな中でも一定層にずば抜けた魅力を与えられるとんがったお店が集まると集客力は高まるよね、やっぱり。
ただお店が並んでるだけ(今や並んでもない)の商店街、メッセージ性が弱い商品群を並べてるだけのお店ではもうお客さんに来てもらえない。
専門店街を標榜する既存商店街はこの辺から見直さないといかんよな〜
ネット上ならすぐできそうだけど、やっぱりリアルな存在って大事よね。

小規模集積のメリットはたくさんある。
・数店舗が食べていければいいから広く集客しなくて良い
・ライフスタイルのあうお客さんに来てもらえば良いからSNSで情報が伝わりやすい
・同じレベルのクオリティを持つお店の集積だから買い回り性が高く、来店動機が上がる
・ある一定のクオリティを担保できるので、店側もお客さんも安心して紹介できる
・お互いの店主が他業種から刺激を受けあって、自社の商品に還元できる

考えられるデメリットというか課題がないわけではないが、今日はこの辺でやめておこう。

とてもいいものを見せてもらえた!行って良かった!!
アミちゃんありがとう!!!


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