<経営の話 DIY安い?>

<経営の話 022>
DIYブームだ。自分で作れば安い。
マルシェなんかのお菓子もお店顔負けの商品が出てくる時代。
面白い!こういうのワクワクする。
一方、従業員雇ってお給料払ってる私らからすると
設備費、メンテナンス費、手間賃、いろいろ考えたら
絶対にアウトソーシングの方が安い。
プロに任せた方が質も良いし、安上がりだ。

みそせんべいの自社製造を増やしていった話は前にした。
その当時、自社製造にしたら仕入れてたときより
簡単に儲かると思っていた。
とんでもない勘違いだった。
独立した職人さんたちは毎日1,000枚以上軽く焼く。
名目上は一人だが長年付き添った奥さん(田中屋出身も多い)が
お昼の交代、トイレ休憩をしながら休みなく焼いていく。
田中屋の従業員だと8時間勤務、交代要員が別途必要で
完全にひとりだけの製造だったら4〜500枚が精一杯の製造量。
全然生産量が違う。
親父が仕入値を抑えてたのもあるが、それにしてもコストが違いすぎる。
せんべい安すぎるって!

さらには数年前から味噌まで自社製造に。
しかも糀から自家製で。
ずいぶん後になってなぜ糀まで自家製なの?と聞かれ気づいたのですが
以前仕入れてた味噌屋さんがそうだったから何の疑問なくw
設備、研究費、ロス、人件費、もろもろアホほど高くついている。
買った方が圧倒的に安い。
でも、質に満足できなかったから自分で作る。
ある程度形になるまで2年近くほぼ独りでやってた。
1週間の出張があるとその前後はひとりブラック労働してた。
だけど、なぜやるか?
なくなって一番困るのは味噌。
他の素材は代替できるけど味噌はおいそれと行かない。
そのうち自家製粉までいけたら最高やな〜。
(また儲からない話をw)

消費者(お金)に近い方が儲かる。原材料に近いほど利益は少ない。
そして、真面目に製造すればするほど儲からない。
お客さんにとってはあまり差と感じないところまで突き詰めて作業する。
でも、そこが売り物なんで手は抜けない。

利益は大事やけど最終的には食べ物。
人間は食べ物なくなったら死んじゃう。
そこ大事にしないと。
だからこそ長い目で食べ物を得ることを考える。
どんな食べ物と暮らしていくかを大切にしていく。
なければ自分で作る。大変だけどw

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