<和菓子の話 ババババ・バレンタイン>

<和菓子の話 010>
承前)3年目の今年、これまでの集大成とのぞんだ。
昨年までとほとんど同じ商品だったが、強気で多めに作った。
久しぶりに製造する商品が多いと勘が戻るまで時間がかかることがあるんだけど今回は珍しく最初から上手くいった。
上手くいくというより、前回より品質が上がった。
1年間のなんでもない日常の製造経験が活きた。
毎日きちんと製品と向き合い、何をどうすればもっと上手くできるのか、
ほんの少しずつの改善と工夫を積み重ねてきた結果だ。
そのことだけでも煎餅屋を続けて良かったと思える。

松屋銀座の売場では全国から選抜された6人の和菓子屋がバレンタイン会場で異彩を放つ。
断トツ目立ってた。個性的だった。エッジが効いてた。
昨年買って美味しかったからというリピーターも多かった。
一周回って和菓子ゾーンに帰ってきてくれるお客さんも多かった。
最初田中屋を見てお隣の三越にも回って、やっぱりここが面白いって戻って田中屋で買い物してくれたお客さんもいた。
嬉しくって思わず握手を求めてしまったw
1営業日増えたとはいえ和菓子ゾーンの売上高前年比140%超えは並じゃない。
3年前と比べると170%。
チームとしてこれまでの取り組みがようやく実を結んだ。

松屋銀座も良かったが何が一番良かったって、地元大垣でもまつほショコラやかささぎのを目指してご来店くださるお客さんが多かったこと。
4年前にはゼロだったお客さんだ。
松屋銀座でも大垣でも在庫はゼロ。
自分でも信じられないが、強気で作ったバレンタイン商品は完売した。
通常のまつほだって東京だから、銀座だから売れるんだろ?って言ってくる人も多い。
その度に違う、地元でも同じ値段で同じように買ってもらってるんだって力説しても半信半疑。
岐阜の、大垣のお煎餅が東京でも、銀座でも売れているんだ!
それも日本一の値付けで!!
私は田中屋の煎餅がそれくらい価値があるって信じている。

改めて応援してくださったたくさんのお客さんには心より感謝申し上げます。
これからも楽しい、美味しい、お煎餅作りに精進していきます。
一緒に楽しんでくださると最高に嬉しいです!

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