頭脳不明晰
緊張でめまいがしていた
・・・その数十分前、私は「なんとかなるでしょう」
と頼んできた親友K峯に軽くそう伝えた
出来そうもない事を安請け合いし、結局困っていたんだ
目の前には立派な白いあごヒゲをたくわえた
KFCのカーネルサンダース似の老人が真っ赤な顔をして
困った様子でこちらを見ている・・・怒ってんのか?!
「この試みは無謀だったか・・・」私は思った
無謀な行いは幼いころからよく試食してきた
補助輪外れたばかりの自転車に、はしゃいで 毎朝登校前に
乗っていた ほんと毎日毎日はしゃいで近所をぐるぐる
ぐるぐる走り周った やめられない おもしろいんだ
はしゃぎもとまらないよ
興奮がピークを迎えたとき、ふと、気になった
「あれ~?前のタイヤの横に付いてる棒の鍵は
走ってるとき差し込むとどうなるんだろう?」
下り坂で加速した時がチャンス
足でなんとか棒を押し込むことに成功「・・・よし!」
探求心旺盛だが想像力がちょっと足りない
私と愛車は縦にぐるぐる回った
とっさに思った「あれどうして!!??」
必然だったのでしょう 頭脳不明晰だから仕方ない
他にも不明晰なアクションを思い出す
隣の空き家の屋根に我が家からよじ登って
友達と遊んでいた時、中庭のテラスを皆で見下ろし
「高いね~」と話しながら 私は不明晰でございますので
ガラス天井のひさしに載りジャンプし「みんな~このガラス丈夫だ
よ!!・・・」て言い終わる前にガラス割って地面にたたきつけられていた
身体強打すると目を開いてるのに何も見えなくなる、ってことは
知ることはできたが、しばらく呼吸は出来ませんでした
・・・そんな不明晰さが手伝ってカーネルサンダース似の
ペンシルバニア大学学長の多忙な時間も無駄にすることになってしまった
親友K峯の曽祖父が研究した資料をK峯は親に頼まれ単身米国
受け取りにきた 何故か部外者の私も同伴
我々は英語は勿論、日本語すら怪しい 米国の右も左も解らない
若造でしたがK峯が学長対面前、急に
「資料受け取る時 挨拶とか来た経緯とかお前話進めてな」
・・・・で私は「なんとかなるでしょう」て言っちゃって
でなんとかならなかったってよって、はなし
10分間 学長室で三者無言のにらみ合い
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