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思い出のお菓子にはストーリーがある


今やおいしいものはいっぱいあるけど、誰でも思い出に残るお菓子ってありますよね。
それって、美味しいだけじゃなく、そのお菓子にまつわる何か出来事が、懐かしい思い出としてそこに存在することってないですか?


私にとって思い出に残るお菓子もいっぱいある。

◆饅頭は好きではなかったのに

その一つが観音寺饅頭。
今や香川では知らない人はいない有名なお饅頭だけど

私がまだ子供のころ・・・
50年くらい前?(笑)は、香川県の中の観音寺市という地方のお饅頭だった。

私の母の実家が観音寺で、おばあちゃんとこに行くと、必ずお供えとしてお仏壇に上がっているお饅頭。

法事の時は、「観音寺のおばさん」という人が大きな箱入りで持ってくるお饅頭だった。

実は、当時の私はあんこ物が好きではなく、お饅頭になんの魅力も感じていなかったのだ。

でも、この観音寺饅頭だけは必ずいただいてた。

なぜかわくわくしていたのだ。

白あんだったけど、普通の白あんではなく、スイートな甘さ。
そして、あんことお饅頭の皮が別々というより、
いったいどこまでが皮でどこからあんこなの?っていう境目を感じないのが好きだった。
そうグラデーションのようにいつの間にかあんこに切り替わってる

みたいな・・・。


しっとりスイートな感覚で、
もしかしたら当時そんなになかった今のスイーツを本能で連想させていたのかも~(笑)

なんて、大げさ?

◆どんなストーリーかというと・・・

ここで、この観音寺饅頭と一緒に出てくるシチュエーションとして大事なのが、さっきも書いたけど、

・おばあちゃんの家の仏壇

・「観音寺のおばさん」が持ってくる

・そして、この饅頭だけは私が好きなのを周りのみんなが知ってて、必ず私に食べろと言ってくれる。

というストーリーがあること。

◆ストーリー1

まず、おばあちゃんの家に行くのは大好きだった。
おばあちゃんに会うと、なんかホッとした。

おばあちゃんは9人の子供を育て上げた中で、うちの母が末っ子だったため
私はいとこ同士の中でも一番年下なので、みんながかわいがってくれた。

おばあちゃんがよく私の面倒をみてくれてた。

だから、なんの遠慮もなく仏壇のお饅頭をもらうのがうれしかった。

◆ストーリー2

「観音寺のおばさん」については、実は、実態を知らない。(笑)

たぶん、おばあちゃんの義妹かなんかで、法事の時くらいしか来ないのと、周りで観音寺のおばさんが来たっていうのを聞いてただけかも。顔とかも覚えてないけど、子供心に小さくて上品な感じの人ってイメージを勝手に作っている。

これは、今考えると

観音寺饅頭を持ってきてくれる人っていうのだけで、私が妄想して作り上げた像なのかもしれない。(笑)

◆ストーリー3

あと、観音寺饅頭があると、みんなが私に声をかけてくれて、食べろ食べろって言ってくれることが子供心になんか主役になった気分だったのかも・・・

いまだに従妹から送ってもらう荷物の中には「観音寺饅頭」が入ってたりする。

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そんな私にとってのプチストーリーだけど、このプチストーリーが、私にとって観音寺饅頭はかけがえのないものというこだわりを作り出しているような気がする。

今は、香川では有名なお饅頭になってて、SNSとかでもあっちこっちで投稿されてたりするんだけど、私にとって観音寺饅頭を食べるときは、いつもあの5歳ころの気持ちを思い出す思い出のお菓子になっている。

皆さんもそんな思い出のお菓子ありますか?

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