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「あと2日通院したことにさせれくれ・・・」の真相と対処は?

交通事故の患者さんの事案は、お金絡みが多くそのことでいろんなトラブルになる事から「交通事故患者は金の亡者」的な感覚が医療従事者に、芽生えてしまう事は少なくないのでは無いでしょうか?

この事は一般的な感覚でも、非常にやましい印象を受けます。

で、私自身はどうなのかというと・・・「被害者として正しく請求出来る分はするべき」と思っています。
もちろん、そこに不正は絶対にいけません!!

というか、そもそも論も入ってくるのですけど・・・なんで請求出来るものをしてはいけないの?と思うのです。

どうしても「ぼろは着てても心は錦」という赤貧の状態でも、歯を食いしばり我慢することが美徳なのか?と思うような、ネガティブな状態への忍耐を変に評価する風潮が日本人にはあるんですよね。

私も家内にちょっとそういった傾向があり、何か問題が起きても「もういい」と自分自身が被れば済むなら・・・的な感覚で物事への解決にむずび付くと錯覚しながら対処しているのを見ることがあるので、その点は俯瞰しながら、容赦なく評価しています。

これ、いわゆる「LOSE-WIN」での解決に近い。

なので、そういうことは我慢すべきだ!お金の事を請求するもんじゃない!!というフィルター的思考パターンに陥りやすくなってしまいます。


そして厄介なのは、そういった思考パターンを他者に推す方は
・類似の損失で困ったことがない
・現時点で困っていない
・どこかで守られているため、困窮する立場の人間の気持ちや現実問題が理解出来ない。

例えて言うなら
「パンがなければブリオッシュをお食べ」
と言ってフランス革命を決起させたマリーアントワネット。
彼女の最大の不幸は
「守られすぎて理解が出来ない」
ということ。

そういうことって、現実社会ではアチコチでありますよね。
その上で、知っておく事で「自分が知らないことで発生する不幸」を回避する事にもなります。


実際に医療従事者で、自身が交通事故受傷をする事で
「患者さんってこんなに大変だったなんて・・・」と、なってみて分かった整形外科の看護師

「自分が受傷してみたら、同じ医者がしていることに驚いた。なんでこんな目に遭わなきゃいけないんだって」という、他科の外科医の方
とかを存じています。

だから、勉強会では交通事故にまつわる損害・生命保険の事も単元に入れているのです。

さて、今回の相談は
・患者は被害者側

・相手の加害者が事故を認めない

・保険会社も有責を求めているが、契約者である加害者が埒があかない

・それでも自分で費用を払ってでも治療は待ってくれないので、患者自身が
立て替えてでも行わなくてはならない

・当初は任意一括請求が可能と思われていたが、加害者に数日経ってハシゴを外されてしまったので、何日かは施術済みでありながら未回収状態


これはどうしたもんか?との質問からなのですが、ここで患者から困惑するようなコメントが
「治療を患者から料金を支払うので領収書が欲しい」
「その際に3日間程水増しして欲しい」

と来たが、もちろんお断りとしたと。

こういう人がいるので、本当に困った人まで、金の亡者扱いになる・・・というコメントになるのですが、ここでちょっと良い新規知識にもなるので、私なりに説明を加えます。

被害者になって請求出来る権利・・・お金に絡むことであれば、実は2つあります。
「損失補填」と「給付」の違いになるのです。


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