エルゴ弊害について①
先日の投稿から、弊院では禁止該当の「エルゴ」「バンボ」「瞬足」ですが、まず「エルゴ」について説明致します。
まず先に、なぜ禁止かというと、赤ちゃんのカラダに悪いからとなります。何故悪いか?それにはまず考えなくてはならないのが、赤ちゃんのカラダの考え方は、「大人を小さくしたもの」ではない、全く持って違う存在です。
例えば、「歩けない」とします。
大人が歩けない場合は、「リハビリ」として医療者はアプローチします。
リハビリは「re habit」つまり、元の習慣に戻す意味から作られた言葉です。
しかしながら赤ちゃんは違います。
赤ちゃんは出生時は、最低限の運動能力しかありません。しかも「反射」「反応」も顕著にあります。
その中から、「反射・反応」を使ったり応用したりして、少しずつ運動能力を上げて行きます。
弊院の紹介をさせて頂きますが、健康保険を使わず、自費だけで整体を行う整骨院です。
生前より「自律整体調整法」を展開していた、家内の祖父の考えが基本になっております。
実際に「赤ちゃんにもコリや歪みがあるんだよ」と家内に申していたそうですし、20年前に発刊した著書にもその文書があります。
家内も老若男女を治療するうちに、赤ちゃんのカラダのケアの必然性が上がり、当時医療専門学校の通っていた私と共に、「脳科学おばあちゃん」として有名な久保田カヨ子先生とご主人の久保田競博士にご教示頂き、現在に至ります。
元に戻しますと
『成人は100出来ていたことが、何かしらが原因で出来なくなったために、元の100に近づける「リハビリ」』
『赤ちゃんの場合は、0しかできないので、その数値を上げて行きますので「リハビリ」ではなく「発達」』
となります。
ここで注意しなくてはならないのが、「発達」には「鍛える」といった概念が入ると、時として逆に「発達阻害」につながる場合があります。
何故なら、赤ちゃんのカラダは骨だけ見ても軟骨が多く、緻密質が少ないので、適正に筋肉を発達させないと骨が過牽引により発達・成長阻害を起こしたりします。
つまり「鍛える」事よりも「出来る様に促す」事が必須になります。
そして「3つ子の魂、100まで」とはよく言ったもので、久保田競博士の脳育の観点からも、3歳までが一番勝負の時期。
何故なら、人類が数万年かけて進化してきた過程を、数年でこなして行く様がごとく、成長するからです。
「久保田メソッド」は、大脳生理学と発達を関連付けさせて育児に応用する考えですが、単にそれは昨今の保護者にとって関心の多い、子供の学力を延ばす・・・ではなく、いかに頭脳を使って人間らしく生きぬくチカラをつけさせるか、を考えとしています。
要は「脳をいかに使うか?」です。
久保田博士は、1歳をこえて歩行が定まったときは
「とにかく歩かせる。ドンドン歩かせなさい。それが脳育につながる」
と仰っています。
脳がカラダを制御し、意志を持って動く。
動く際は、様々な情報を神経伝達を通じて、脳で処理。
この繰り返しが、今後の人間としての成長の始めにおいて、重要だからです。
しかしながら、弊院が懸念する育児用品のうち「エルゴ」は、その重要な歩行過程を、阻害しかねない結果を出しています。
どうしても、数が多いだけに「エルゴ」の名前が出てしまいますが、「エルゴに代表される、類似形状の抱っこヒモ」が正確な対象になります。
よく質問を受けるのですが「エルゴでは無く、○○の抱っこヒモなら良いのですか?」とありますが、類似形状なら同じ事。
形状と形態が、赤ちゃんに少なからず影響を与えているからです。
さて、ここまでしてきていますエルゴですが、何が影響を与えるのでしょうか?
ここまで爆発的人気がありながら、それらは知られていません。
当然と言えば当然なのは、赤ちゃんの発達に関しての考えが、世間全体的に未成熟だからです。
例えば「抱っこヒモ」を親が選ぶ理由を考えます。
選択理由の多くは「抱きやすい」ではないでしょうか?
しかしながら注釈として
「その代わり、使い方によっては、赤ちゃんのカラダには弊害となる場合がある」
という記載があった場合はどうでしょうか?
売れません。なのでその現実はなかなか知られません。
しかし、相談されるケースでは、エルゴのような抱っこヒモに影響される要素が外せない。
その項目ですが
①股関節の開排固定による開き
②反り身による姿勢異常
③視線と反対方向移動による、三半規管発達阻害
④視野限定および偏向視線による、眼球周囲筋の偏向固定(斜視等)
その他もありますが、特に①と②が顕著です。
ここでもう一度。
絶対にその様になる・・・ではなく、非常に可能性が高いのが、子供カラダの難しさ。
次回より、各項目をご説明します。
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