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甲南医療センター過労死事件から、接骨院も考えるべき事

前回の「時間外等の費用におけること」は、実はその次に、とある裁判の判決にリンクする事だったのですが、先週この事件が出てきましたので、先に今回の記事の題目にしたいと思います。

さて、今回の記事は医療従事者でもある医師の過労死問題。

昨今、医師不足は延々と問題になっていますが、根本的解決に至っていません。
・事務的な事は医療クラーク(秘書)制度を作って、負担を下げる
・医師のみしか許されなかった処置等々の業務を、周辺の免許者(看護師や薬剤師など)にも権限を与える

など行われているようですが、なかなか進んでいないのも現状です。

今回は、医師のように患者さんの命のやりとりまでは行かない立場の柔道整復師ではありますが、事件の経過と対処から学ぶところも何点かありますので、それをご案内したいと思います。

①火に油を注いでしまった?!対処を間違えると、大炎上になる危機管理意識の欠落

②経営者=医療従事者であることの限界は、日本が独特な制度だから?

③「させてやっている精神」では通用しないのは平成で終わっていたのに・・・

④知らないうちに気がつけば・・・やってしまいかねない慣習は注意しましょう

の4点でご案内します。

①火に油を注いでしまった?!対処を間違えると、大炎上になる危機管理意識の欠落

今回の事件に関してはニュース等で、内容をご覧になった方も多くおられるでしょう。
過労によって自死を起こしてしまった医師の家族が労働基準監督署に提訴しそれが労災認定され、その責任が病院側にまで波及した事件になります。

家族も、兄が医師ということもあり、医師の勤務形態の現実を踏まえて、改善を強く訴えてきました。

しかしながら、皆さんにとって一番インパクトが強かったと思われるのが、医療センター側の記者会見で、病院長である医師の会見の中でのコメントが、問題視されています。

第三者委員会の報告書が認定した、昨年4月の時間外労働時間(197時間)について
「知識や技能を習得する自己研鑽(けんさん)の時間も含まれており、全てが労働時間ではない」
「過重な労働を課した認識はない」
と説明しています。

X(旧Twitter)の医療クラスターである医師の投稿コメントを見ていても、ここのコメントに対して賛同すらないものの、医療界における慣習と言うべきような勤務実態に対しては問題視をするべきだと相次いで出ました。

その中で、この院長が専門分野において、相当の実績を持った実力者であるといったことが出ていました。
この点に関しては2番目の事項にも書くことなのですが、成功体験というものは自己啓発的には重視されますが、必ずしも正しく幸せを呼び起こすものではありません。

今回の、院長が対処を間違えているのは
自分自身がそれまで経験としてできていたこと、やれていたこと、それが当たり前だったと思って人生を過ごしてきたこと・・・それが正解であって、今回の若い医師が当てはまらなかったことの方が間違っている・・・
といったような印象を持たれかねないような発言をしているのが問題視されているのです。

本心を勝手に想像すると
『こんなこと、俺が若い頃なんかちゃんとこなしていたし俺も実際できてきた。長時間が問題視されているが、医師なんてすべてが労働時間ではないのであるから、過重労働をしいたつもりは全くないし、こんなことで騒がれても困る』
だとすると、これは・・・いわゆる確証バイアスのような状態に陥ってる可能性があります。

この院長がすべきであったのは、自分自身の考え方と、周囲と、世間一般との考え方の差を確認するべきだったのです。

記者会見の前に、今回はどういったスタンスでするべきか?自分と一般社会との考え方の乖離があれば確認する。

その上で、病院が抱えている弁護士と記者会見に臨むための原稿・コメントを考えてから記者会見を対応するべきだったんです。
(というか・・・アドバイスするようなコンサルトかもいなかったのかね?)

要は大人なんだから本音と建前の区別は多少なりとも必要であったはずなのに、自分の考えだけを先に押し通したことで、過労死の元凶がこの院長の考え方と紐付けされてしまったのです。

こういった流れの時に、その場しのぎの小細工のようなことをしてしまうと、さらに首を絞めることになります。

実際に、裏ではこういったことが行われていたとして「外部流出絶対禁止」とされていた資料でさえ、当然のごとくリークされてしまっています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/0f1526c92674a12c94280a5d66913c0f839ed9be

人間には自己防衛本能があるので、ここまで扱われ方が非人道的になってくると、このような扱われ方に賛成することはせずに、回避のベクトルが始まります。

当然ながら、この院長の思考パターンが、仕事をしている医療従事者に尊厳があると感じることができないため、火消しどころか、スタッフの勤務体制崩壊に至ってしまうことになります。

どんなに「患者のために医療従事者がある」としても、現場で働く人間がそこにいなければ病院としての機能が維持できません。

つまりこの院長の発言は、二次災害的に病院としての機能を崩壊させてしまっています。

②経営者=医療従事者であることの限界は、日本が独特な制度だから?

これは確信を持って断言できるわけではありませんけれども、医療機関においてトップである院長は医師でなくてはいけないと制定されている日本は珍しい・・・という海外からの意見を見たことがあります。

つまり、現場を見る人間と経営する人間が同じ・・・というのは一見、優れているようにも見えますが・・・一つ間違うと、本人の用いる能力にマッチしない人事になることもあります。

単刀直入に言えば・・・


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