グレート・ギャツビー(2013年)

 「秒速」の記事を書いたので、その流れで久しぶりに見返してみようと思い立った。
 2013年公開、レオナルド・ディカプリオがギャツビーを演じた作品だ。
 以前見てから10年が経ち、自分の感じ方も変わったかもしれないと期待したが変わっていなかった。正直、映画としては私には良さが理解できない。終始騒々しい演出、無意味なコメディタッチ・・・、このような演出にした意図がわからない。

 映画だけでなく、小説に対してもなのだが、ギャツビーという人物像にもいまひとつリアリティや魅力を感じられない。なぜだろうか?

 それはさておき、
 この作品は最後のシーンの表現が美しくて好きだ。
 邦訳の書籍はいくつかあるが、映画の翻訳は村上春樹訳がベースのようだ。

「それは年々遠のいていく輝かしい未来。あの時は逃したけれど、明日はもっと速く走り、もっと腕を伸ばそう。そうすればいつか手に入る。
 だから進もう。流れに逆らう舟のように。絶え間なく過去へと押し戻されながら。」(映画)

「それはあのとき我々の手からすり抜けていった。でもまだ大丈夫。明日はもっと速く走ろう。両腕をもっと先まで差し出そう。・・・そうすればある晴れた日に・・・
 だからこそ我々は、前へ前へと進み続けるのだ。流れに立ち向かうボートのように、絶え間なく過去へと押し戻されながらも。(「グレート・ギャツビー スコットフィッツジェラルド 著 村上春樹 訳)

 私は新海誠監督によるアニメ版「グレート・ギャツビー」を見てみたい。新海監督なら私にでも理解できる、素晴らしく美しい作品を創造してくれそうなのだが・・・

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