第18話　よゐこ

私が初めて「よゐこ」というコンビを知ったのは、「ラスタとんねるず」という番組の「ジャイアント将棋」というコーナーの中でのことだった。当時私は小学生だった。「ジャイアント将棋」というものは、将棋を模した盤の中で駒を動かし、その駒が重なった時に、番組独自のルールがある競技で勝負していくというものだった。多くの格闘家やアスリートが出場し、スポーツバラエティ番組として、私達小学生たちを大いに興奮させてくれたのだが、このジャイアント将棋では「とんねるず」以外にもお笑い芸人が何人か登場していた。その中でも目立っていたのが「よゐこ」だった。私は、この時「よゐこ」を初めて知ったため、「よゐこ」のことを「ヨイコ」と読むことが出来ず、「ヨネコ」だと思っていた。そして「よゐこ有野」という名前もしっかり聞き取れておらず、「よゐこ兄」だと思っていた。「よゐこ濱口」は弟なのかな？などと勝手に思っていた。
私のクラスメイトでも私と同じように勘違いしている人はいたのだが、「よゐこ」というお笑いコンビの有野と濱口ということをしっかり理解している友人もおり、その友人に教えられて初めて「よゐこ」を「ヨイコ」と読むこと、有野と濱口によるコンビであることを知った。
この時の「よゐこ」は、おそらくデビューしたての段階だったと思うのだが、身体を張り、しっかり若者の心を掴んでいったと記憶している。格闘家同士のバラエティ番組という枠を超えた戦いにはもちろん興奮したのだが、若手芸人がとんねるずに可愛がられながら身体を張る姿もそれはそれで印象的だった。