ノッポさんが教えてくれたこと

"できるかな?"のノッポさんがお亡くなりになっと聞いて、思いの外あの番組とノッポさんが幼少期の自分に与えていた影響が強いことに気がついた

"できるかな?"が始まったのは1970年だったらしい
当時3才だった私は物心ついた頃からお絵描きや図工が大好きで、今思えばその傍にはいつもノッポさんがいたのである

あの番組を見ていると身の回りに包装紙や紙箱、空き缶、紐でもなんでも遊び道具になるのでノッポさんの真似をしながら家の中でも外でもいつも何か作っては壊し、壊しては作って遊んでいた

手先が器用だったこともあり、小学校では特に図工が得意で初めて将来なりたいと思ったのがノッポさんを意識した図工の先生だったと記憶している

そんな感じで短大は生活芸術科に進学してデザインや洋画やクラフトを学んだものの時はバブル、国を挙げての狂乱の空気にドップリ飲み込まれて気がつけば丸の内OLとなり、その後はレコード会社でギャハギャハしながらモノづくりとは無縁の世界で気づけば28年も過ごしていた

やがてその生活にも疲れと虚しさを感じて8年前に早期退職、これからは本当に好きなことだけしようかと考えた時にフツフツと自分の奥深くから湧いてきたのが子供の頃から好きだったノッポさんのようなモノづくりであった

で、なんだかんだしながら今では革製品や木彫をやるクラフト作家として毎日楽しく過ごしている

ノッポさんから学んだことは多い
当時はただ楽しいと思って見てたけれど

工夫をすることの楽しさ、大切さ
変化に対応する柔軟さや
要点や本質を見抜く力が見についたし
喋らないノッポさんは
言葉より行動にその人の真実が現れるということをわかりやすく教えてくれていたと思う

ノッポさんて、実は人生最初に出会ったメンターだったんだなぁと気づいた56才の春である


フリーで活動中なので記事が面白かったらサポート頂けるととても喜びます。いただいたサポートは不要不急のクリエイター&心理カウンセラーとしての活動費に充てていきますのでどうぞ宜しくお願いします!