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日本昔ばなし風「ヒエ太郎」【出鱈目物語#4】

ー今日の読み聞かせ創作物語。とうとう原作を失い、ひどさが増しているー
(まず前提条件として、オームリはロシアのシベリアにあるバイカル湖に住む魚です。バイカル湖に住む最も重要な水産種の一つだそうで、サケ科です。オームリはバイカル湖ではマグネットになる程人気で、もちろん食べられます。シベリア鉄道の食堂のメニューにもあります。)


昔むかしあるところにヒエ太郎がいました。ヒエ太郎は足が冷えています。足だけでなく手も冷えています。

ヒエ太郎はバイカル湖の漁師です。いつも乱獲をしないように、必要最低限のオームリ(バイカル湖に住む魚)を潜って獲りに行っていました。だからこそ、身体の冷えが加速していました。

ある日、身体が冷えすぎて心も冷えかけたヒエ太郎が床につくと、オームリ🐟の神がやってきました。オームリの神は、魚の形をしていますが、宙にに浮いています。

ヒエ太郎が驚く間も無く、オームリの神は話し始めました。「オームリ漁師たちは金銭に目がくらみ乱獲を繰り返しているが、君ほどバイカル湖の自然とオームリのことを考えてくれる漁師はいないのだよ。僕はその君の温かい心まで冷やしてしまう『冷え性』を治してあげたい。」
ヒエ太郎は、変な夢を見ているな〜と思いながら深い眠りにつきました。

翌朝目が覚め、変な夢だったなと回想をしていると、足元にオームリ型の靴下を履いていることに気がつきました。そしてそれはとても暖かい心地でした。
夢ではなかったんだ!オームリの神は確かにここにいた!ヒエ太郎の心は踊りました。

さて、ヒエ太郎はいつものように漁に向かいました。バイカル湖に着くと、さすがにオームリ型の靴下を脱がなければと思いました。しかしどうやっても脱げません。そこで仕方なく靴下のままバイカル湖に入ることにしました。

すると、オームリ型の靴下が足ヒレのようにヒエ太郎の身体を高速で進めるではありませんか。必要なオームリのところまでひとっとびです。驚くのはこれだけではありません。こんなに水温が冷たいバイカル湖なのに足があったかいじゃありませんか。このオームリ靴下は、高速スピードを出すことで自ら発電して温まる仕様なようです。こんなに便利にも関わらず熱源まで自ら確保するなんてエコな靴下でしょう。

そうして、湖の中に滞在する時間も減り、足もあったかいまま漁ができるようになったヒエ太郎の心はとってもアツ太郎になりましたとさ。めでたしめでたし。


最後はアツタロウになる王道ストーリー
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#байкальский #омуль
#冷えは大敵

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