見出し画像

3月10日(2018年) 浦和レッズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!

せっかくなので、私が現地に訪れた「3月10日」のエピソードも記しておきます。

時は少し遡り、2018年の3月10日に長崎県諫早市のトランスコスモススタジアム長崎で開催されたV・ファーレン長崎との一戦。

前年の経営危機を救ったジャパネットホールディングスからの支援を受け、奇跡的な急上昇で見事に初の“ゼイワン”昇格を成し遂げたV・ファーレン長崎。

全国のお茶の間に顔と声を浸透させた髙田明社長による経営のもと、サッカーを通して長崎を元気にしようとする姿が各種メディアでも取り上げられたのは記憶に新しいところです。


そんな長崎との試合、実は約2ヶ月前から戦いの火蓋が切られていました。

Jリーグにより2018年シーズンの日程が発表されるやいなや、3月10日の羽田ー長崎便の航空機の予約が
浦和人の手により続々と埋まっていきます。

試合のチケットが発売される前に、まずは身内どうしによる航空券の争奪戦というのは浦和界隈では見慣れた光景ではありますが、
そんな動きを見た長崎の地元メディアが、ローカルニュース番組の中で『浦和サポーターが大挙してやって来る!』と紹介し、
ゼイワン昇格による盛り上がりと経済効果に早くも期待している様子がSNSを通じて伝わってきました。


この試合時の私は、前日の仕事を終えた職場から羽田空港に直行して福岡県の博多で前泊することに。

そして試合日の早朝に特急列車で諫早駅へと向かいますが、列車の入線を待つ博多駅のホームには既に大勢の浦和人が集まっているという異様な光景に(心の中で)爆笑したのを覚えています。

“We are REDS! 御一行様”という表示が欲しかった特急かもめ


そんな浦和人御一行様を乗せた特急列車は無事に諫早駅へ到着。

諫早駅の内外では、そこかしこに浦和サポーターを歓迎するバナーが掲示されていました。

諫早駅ホーム。降車してすぐに歓迎されました。
諫早駅構内。小さなヴィヴィくんもお出迎え。
諫早駅前の商店街ではゼイワン各クラブを歓迎するバナーが。


諫早駅のロータリーでは、大勢の浦和サポーターが到着する様子を地元のテレビ局がリポートしていて、
まるでサポーターを大物外国人スターが来日するかの如く取り扱う様子には微笑ましさを覚えました。

そして諫早駅からスタジアムまでの道中は、地元商店街や商工会からお茶や銘菓に海産物や地酒などが無料で振る舞われ、圧倒的なおもてなしを受けることに…。

一瞬だけ、自分が浦和レッズの応援をしに来たのを忘れてしまうほどのお祭り騒ぎっぷりだったのを記憶しています。

そしてスタジアムに到着すれば、今度は長崎の名物マスコット・ヴィヴィくんが場外を練り歩き、髙田明社長がサポーターとの記念撮影に応じるなど、ここでもサポーターを徹底的におもてなし。

浦和人に手を振るヴィヴィくん。バッグにはシャーレとディアラも。
「浦和からよく来たねぇ」と挨拶する髙田明社長。


勝ち点3を取りにきたハズなのに、気がつけば長崎を心の底から楽しむ浦和サポーターの多かったこと…(^_^;)

試合の方は長崎のエース・鈴木武蔵選手に先制点を与えるものの、後半にズラタン選手のゴールで追いつき1−1のドローで終了。

開幕から短期間での連戦続きで選手たちの動きも重く、低調な試合内容にサポーターから不満が噴出しましたが、
試合前に楽しい思いもしたことで気分的にも多少の相殺をされてスタジアムを後にする浦和人もそれなりにいた印象でした。

過去には横浜フリューゲルスの特別活動地域として長崎でリーグ戦が開催されたこともありましたが、
今回は地元のクラブが地元のスタジアムでJ1のリーグ戦を開催するという、Jリーグの開幕から四半世紀を経て「百年構想」の理念が浸透している様子も体感できた2018年の3月10日でした。


(試合後の浦和レッズ後援会主催イベントにて、
髙田明社長が登壇。貴重なお話を拝聴できました。)


#あの日のわたしたち