2023 菊花賞 予想

菊花賞はほぼ全ての馬が3000mを未経験で、だから血統派が活躍する場面なのではないか。

そういう意見もあるかもしれないが、残念ながらそうはならない。阪神ならまだしも京都の菊花賞はそうはなってくれない。
血統をガン無視するのはどうかと思うが、気にする程度でいい。血統で切るというのはあまりオススメしない。

ただでさえ誤魔化しの効く世代戦な上に、京都外回りはヨーイドン気質の強い差し競馬。坂で動くとバテるために大半の馬は坂の下りからしか動けない。外回りだから差しも効く。

前置きはさておいて、23世代最後の1冠の予想に入ろう。


印を出す前に、今回の菊花賞出走馬をこれまでの成績から分けてみる。

①春2冠を好走した馬
ソールオリエンス、タスティエーラ、ハーツコンチェルト、ファントムシーフ、ノッキングポイント

②春2冠好走できなかったが前走勝ち負けの馬
トップナイフ、サトノグランツ

③春2冠出てないが前走勝ち負けの馬
ドゥレッツァ、サヴォーナ、リビアングラス

④春2冠も前走もダメだった馬
残りの馬

過去の傾向から言っても、また常識的に考えても、残念ながら④からの激走は期待が難しい。ただだからこそ人気もしないので、数年に1度くる大穴を狙うなら精査しなければならない。

②は春2冠がダメだった理由をちゃんと説明できなければ、今回も同じようにダメな可能性は高い。

③は底を見せていないので過剰人気になりがちで、勝ち方や勝った相手を他の馬以上にちゃんと見る必要がある。

①は能力高く人気も高いわけで、馬場や脚質から適性が菊花賞に向くかどうかが重要になる。


それでは印。

◎ソールオリエンス
○タスティエーラ
▲ドゥレッツァ
△ハーツコンチェルト
☆ノッキングポイント
✔︎1ナイトインロンドン
✔︎2トップナイフ

ドスローからヨーイドンになるのではと予想。
下り坂で動きたいだろうナイトインロンドンもハーツコンチェルトもソールオリエンスも外枠なので、外側は慌ただしくなりそう。
スローから差し決着、馬場も外差しなので外枠決着と予想した。

⚠️パドック次第でノッキングポイントとトップナイフとナイトインロンドンは入れ替える。


順番に寸評を書いていく。

◎ソールオリエンス
強い。
強いのだが、間隔詰まるのは反対。
正直前哨戦を使う必要があったのかは疑問だ。春はぶっつけで結果を出せている。
距離の不安や右回りへの不安が陣営にあったのかもしれない。あとは内を回す経験をさせたかったのかもしれない(できなかったが)。

ナイトインロンドンやハーツコンチェルトが外を回って上がっていくだろうし、そこと一緒に動けばいいだけ。そんなに難しい運びにはならないのではないか。
武史の京都経験は確かに不安要素だが、それを言うならモレイラも川田も長距離はダメだろう。

血統的に3000は不安ではない。馬体から不安視する声もあるが、どうせ早くはならないし京都なら何とでもなる。
折り合いもつくので距離はクリアできると思う。
コーナーも、セントライトは不利を受けているだけで膨らんでいない。それでいてシャザーン以下には完勝しているのだから能力にはかなりの差がある。
ちなみに私は前哨戦だとセントライト記念の方がメンバーレベルが高かったと考えている。

仕上がりに少しだけ不安がある。
悪くはないが、良すぎることもない。
こういう不安は大体当たってしまうので、そこは少し怖い。

○タスティエーラ
こちらも強い。
何度も書いているが元々は東京の新馬戦のラップが良かった馬で、共同通信杯は福永だから負けただけ。ルメールなら勝ち負けだったろう。
弥生賞1着、皐月賞はソラつかって2着、ダービー1着。
非の打ち所がない成績。結果も中身も伴っている。

血統的には中距離馬だと思う。
・サトノクラウンは中距離馬。
・マンハッタンカフェはサンデー×Sラインで、長距離で結果を出しているがスピード型。ステイヤーではない。
母父マンカフェといえば現役だとテーオーケインズ、ソウルラッシュ、フレーヴァードといるがどの馬も長くはないのがその証拠。
・そもそも牝系が短い。母も祖母も曽祖母もマイル以下ばかり。
これらから、血統では中距離馬だと思う。そして府中向きだと思う。

ただ馬体やこれまでのレースからは、そこまで短い印象は確かに受けない。だから適性は2000〜2400ではないか。
もっとも阪神ではアスクビクターモアが勝っているし、京都でもフィエールマンが勝っている。
別に血統がステイヤーじゃなくても勝てる。というかステイヤーじゃない方が勝てる。

日本の菊花賞や春天が3000mや3200mの長距離レースながら格を保てているのは、折り合いのつく総合力の高い中距離馬が勝ってきているからだ。
春天や菊花賞しか勝てなかった馬は種牡馬としても物足りない。
マイラーからステイヤーまでチャンスがあるから今でもクラシックとして機能している。

ただ、スピード特化のマイラーや中距離馬は最後が苦しくなるし、スタミナだけのステイヤーは上がり負ける。
だから距離適性ガン無視で良いというわけではもちろんない。

▲ドゥレッツァ
どうせルメールは来る。
上がりの脚がある馬に乗ってて外差し馬場。
こんなのルメールが飛んできますと言われてるようなもの。
すぐ近くにソールオリエンスもいるから道中マークすればいいだけ。
あるいは武豊をペースメーカーにしてついていけばいいだけ。
今年の春天と同じように運んで、ソールオリエンスと追い比べしてどうなるか。
三冠は分け合ってる方が好きなので、この馬が勝ってしまうのも面白い。

血統的には母モアザンセイクリッドが母父にデインヒルを持つNZオークス馬で、スピードのある中距離馬だと思う。
2000は少し短いまである。2200〜といったところか。
ここで好走すれば有馬記念も面白い。

△ハーツコンチェルト
府中2400はドンピシャの血統だというのはダービーの時に話した。
それは裏を返せば菊花賞はドンピシャではないということで、印には迷った。
ただ前走神戸新聞杯を叩いて上向いていると思うし、松山は京都ならかなり買える騎手。

スタートがあまり良くなく、道中で位置をあげる必要があり、外を回さなければならない。
ダービーのような運びを京都の下り坂で出来れば、3着は狙えるのではないかと思う。

☆ノッキングポイント
人気していない。なぜ?
毎日杯2着、ダービー5着、古馬重賞1着。
この戦績でなぜサヴォーナやリビアングラスより人気していないのか分からない。
距離が心配されているのだろうが、上でも書いたようにスピード特化のマイラーでなければ京都なら来れる。

サヴォーナは母父スニッツェルで、神戸新聞杯みたいな内前有利のドスローでようやく馬券に来れるくらい。よくて掲示板だろう。
いわばブレークアップのような馬で、長距離血統ではないがスピードが足りず折り合いがつくため長距離を走るタイプである。

スローで運ぶなら坂で加速もできるノッキングポイントが大幅に有利。加速に難があるためスムーズに運ぶのは大切だが、鞍上は長距離を苦手としないし問題ないと思う。

強いて言うなら馬場が怪しい。
柔らかくなっていて、高速馬場の方が得意なこの馬には向かない。
直線上手く外に出して終いを伸ばせれば……。
オッズ的には期待する価値があると思う。

✔︎1ナイトインロンドン
前走はドスローからヨーイドン。あれは無理。
それにしても負けすぎだと少し凹んでしまったが、気持ちも入っていたし早めに仕掛けたので仕方がなかった。

最初に書いた区分では④に該当する馬で、こういう馬は基本来ない。
ただ戦績から神戸新聞杯を消せばだいぶ見栄えが違うだろう。
仕上がりが良ければ、ファントムシーフと共に早めに仕掛ける競馬で残すことはできないか。
能力は高い馬。重賞は取れる。
G1に届くかどうか、そこはこのレースを見てから判断したい。
まだ諦めない。

✔︎2トップナイフ
荻Sで馬が変わったのを見てからずっと応援している。
ノリは平日はいつもこの馬に乗ると言うし、かなり期待しているのだろう。

父デクラレーションオブウォーは本当に良い馬だと思うし、あのテイエムオペラオーと同じ牝系。
バンブーアトラスも長距離を出す血統だし、タフ目の中距離馬だと思う。
距離は2000だと思うが、菊花賞なら展開次第でなんとかなる。

何より懸念されるのはスタート。
前走も他の馬が外外を回すから内を回って先行抜け出しできただけで、テンは遅れている。
もうここまでくるとノリは遅れた場合も想定しているだろうし、モリアーナするのか、押してインに潜るのかは分からない。
もし逃げられたら面白いが、確率は2割くらいではないか。
最内枠というラッキーを拾えたのは、いろいろ運の悪いこの馬にしては珍しいことと思う。これが更なる幸運を招くことを願う。


サトノグランツのことを一度も強いと思ったことがない。
とか言ってたら重賞を2つ勝たれてしまったが、今回も消す。
これは私と川田の戦いだ。

サヴォーナもリビアングラスも消す。
ファントムシーフも消す。
神戸新聞杯は全く予想の参考にしていない。
メンバーレベルもレースレベルもセントライト記念の方が高かったと思う。

ソールオリエンスは無敗三冠を取れたはずの馬だった。
ダービーの負けを今から取り返すことはできないが、このレースでこの馬の能力を改めて証明してほしい。

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