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1つのものにいくつもの名前があるって、めんどくさい

最近、ビタミンC誘導体という言葉が薬局に多い。


誘導体というということで、ビタミンそのものではない。

ビタミンC誘導体とすれば、
アスコルビン酸2-グルコシド(Ascorbic Acid 2-Glucoside)
アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム(Sodium Ascorbyl Phosphate)
マグネシウムアスコルビルリン酸2Na(Magnesium Ascorbyl Phosphate)
なんてある。

つまり、ビタミンC誘導体と言ったとしても、
本当に様々ある上に、超高圧浸透型ビタミンCだの、
もっともっと細分化されている。


で、畜産の仕事をしている中で、
1つのものに複数の名前があって一苦労したということがあった。

「酢酸エステル」ってないですか?と問い合わせをもらった。
なんでも、農場の人が検査をした結果、良好だったが、
『強いて言うなら酢酸エステルの給与』という話が合ったという。

そもそも、酢酸エステルって何なのか、ということからわからない。
検索をしてみた結果、酢酸エステルというのがどういうものかはわかった。

酢酸エステルは酢酸とアルコールから生成するエステルの総称で、
一般式CH3COORで表される化合物です。

工業的には酸存在下、酢酸とアルコールとの反応により得られます。

神港有機化学工業株式会社

『で?』というところである。
検索画面を下にスクロールする事で、「トコフェロール酢酸エステル」
が検索に引っかかった。

「トコフェロール酢酸エステル」(ビタミンE誘導体)
血行を促進し、患部の修復を促す。

小林製薬

つまり、『強いて言うなら酢酸エステルの給与』というのは、
『強いて言うならビタミンEの給与』ということになるのだろう。


じゃあ、最初から『ビタミンEの給与をしたらいいですよ』って言ってくれれば、簡単だったのに、と

そういうわけにもいかないようなのだ、
Webの記事にもよるが、
化粧品表示名:酢酸トコフェロール
医薬部外品表示名:酢酸dl-α-トコフェロール
という事らしい。


つまり、自身になじみのある成分名で農場に説明した結果、
農場の方がわからなかったということであろう。

「酢酸エステル」「酢酸dl-α-トコフェロール」
「トコフェロール酢酸エステル」
の3つの違いをChatGPTに聞いてみた。

「酢酸エステル」は、酢酸とトコフェロールをエステル結合したもので、食品や化粧品などに添加されることがあります。酢酸エステルは、トコフェロール自体に比べて安定性が高く、酸化に強いため、製品の品質保持期間を延ばすのに役立ちます。

「酢酸dl-α-トコフェロール」は、トコフェロールの酢酸エステルで、ラセミ体(等量の左旋性と右旋性の混合物)です。酢酸dl-α-トコフェロールは、抗酸化作用があるため、多くの食品やサプリメントに添加されます。

「トコフェロール酢酸エステル」は、酢酸エステルとトコフェロールが結合したもので、酸化に対する安定性が高く、抗酸化作用も持ちます。トコフェロール酢酸エステルは、サプリメントや化粧品などに使用されることがあります。

という事らしい。

正直に言おう。
ビタミンEであれば、どれでもよかったのだ。

1つのものに複数の名前があるというのは、
こんなにも面倒なんだと実感した。

ビタミンE誘導体にどのようなものがあるのか、
ChatGPTに聞いてみると、
・トコフェロール(Tocopherol)
・トコトリエノール(Tocotrienol)
・酢酸トコフェロール(Tocopherol Acetate)
・酢酸トコフェロールスクシネート(Tocopherol Succinate)
・トコフェロールリノレート(Tocopherol Linoleate)
・フォスファチジルコリントコフェロール
 (Phosphatidylcholine Tocopherol)
・トコフェロールポリエチレングリコール1000サクシネート
 (Tocopherol Polyethylene Glycol 1000 Succinate)
・トコフェロールナノエマルション(Tocopherol Nanoemulsion)
という数がある。

クローン病や嚢胞性繊維症患者、あるいは胆汁を肝臓から消化管に分泌できない人は、頻回な脂肪便の排泄や慢性の下痢があるため、トコフェロール・ポリエチレングリコロール‐1000スクシネートなどの水溶性のビタミンEの摂取が必要となることがある。

厚生労働省 eJIM

ということなので、症状によっては必要なビタミンEが必要であるらしい。
特別な症状でもない限り、一般的に流通しているビタミンEを給与するだけで、いいのだろうと思う。
特に畜産では、一般的に「酢酸dl-α-トコフェロール」をビタミンEとして、
販売しているので、ビタミンEは「酢酸dl-α-トコフェロール」と思ってもらっていいだろう。

あー 勉強になったー

母豚にビタミンEがどれだけ必要か、については、また今度

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