私の変な不妊治療 7「花子 心の俳句」
ご覧くださりありがとうございます。ここでは私花子が不妊治療をするなかでなんだか面白いなあと思ったことをつづっています。
「ちつ錠も すっかりうまく なりにけり」
初めて受精卵をお腹に戻したときのこと。待っていたのは大量のお薬ラッシュでした。卵がお腹でしっかり育つために、子宮にホルモンを与えます。これまで尻注射でしたがなんと今回はちつ錠です。
あの部分から指で直接薬を入れ込み、直で子宮に効かせるのです。
しかも1日3回!(ここまで書いておいてなんですが露骨ですみません。noteの規約に引っかからないか心配です。)
そのクスリはアーモンドのような形でピーナッツくらいの大きさ、体温で溶けやすいよう柔らかい素材でできていて中には液状の薬が入っているようでした。コルゲン鼻炎カプセルそっくり!昔CMで見ました。やわらかなカプセルをピンセットではさむと、とろーっとクリーム状の薬が流れ出て、子供心に憧れの薬となっていました。
まさかそれをちつにいれるとはなあ。感慨深くパンツを下ろしました。
1日3回は鉄の掟です。とにかく3回、朝昼晩。忘れてしまっても時間を空ければ大丈夫、とのことで寝る前にあわてて、ということもありました。最初は便座に座り少し苦戦しましたが、すぐに慣れ、やがて下着を下ろさずにできるように。クロッチをずらしてスッと、立ったままで3秒。謎の勝利感が私を包みます。一句よんだのもそのせいです。
「ちつ錠も すっかりうまく なりにけり」
アホだなあ。
自然に妊娠し出産できた人が経験しないことを、経験している。そういう思いは両刃の剣で、落ち込む材料にもなればへへっと笑うきっかけにもなりました。このちつ錠体験は、不妊治療のあらゆるシュールな過程の中でも、ひときわ輝くひとつぶでした。