「明けのトバリ」を読んでほしい話

「明けのトバリ」は、comico(コミコ)で連載されているWEB漫画です。

「俺には夢があるのだ!人間と妖怪が偏見も隔たりもなく共存できたなら最高だろう!?だからな!俺は!人間と妖怪の桃源郷を作りたいのだ!」
――「明けのトバリ」第2話 今宵幻【後編】より

 人間と妖怪という異なる種族が存在する世界において、両種族が仲良く暮らせる桃源郷を作りたい。そんな夢を語る主人公の妖怪トバリと、相棒となった人間レイメイを中心とした物語です。

 2014年10月23日から連載が始まり、今年の10月で連載6周年を迎えました。時折休載を挟みながらも、毎週1回更新されています。

 連載6周年を祝して、なんと現在100話まで無料で読むことができます!(11月19日木曜日17時59分まで)100話ですよ100話。
 100話が公開されたのが2017年1月5日なので、約2年3か月分を一気に、そして期間中であれば何度でも読み返すことができます。

 ◎ 6周年記念特集ページはこちらから。
   公式のあらすじもこちらのページに記載されています。

 ◎ 作品ページはこちら

 この100話無料開放を機に、なんでこんなに好きになったのか改めて考えてみました。

1.まずトバリが最高

 トバリは二尾の妖怪なのですが、まずトバリのフォルムからして最高です。モフモフです。人間と妖怪の桃源郷を作りたい。だからこそ人間にも妖怪にも優しい。時にその優しさが仇となり苦しむこともあるけれど、自分の夢を追い続けるトバリがかっこいい。

2.個性豊かな登場人物たち

 この物語に登場するキャラクターを「個性豊かな」というありふれた言葉で表現するのは心苦しいのですが、ネタバレを避けるとこのような言葉に落ち着きます。キャラクターの心理描写がとても丁寧なんですよね。
 例えば第62話~67話の「二心を抱くもの」は、読みながらキャラクターの心情に感情移入してしまい、目頭が熱くなりました。関連話の第40話「ごっこ遊び」第41話「馬鹿だな」も好きです。
 登場人物の中には、常人には理解しがたい言動をする人(妖怪)も出てきますが、それぞれの信念や愛、行動原理が丁寧に描かれているので、非常に魅力的です。

3.重厚なストーリー

 「数話前のあのセリフはここにつながっていたのか!」「この登場人物がこの10話くらいこんな言動をしていたのはこういう理由からだったのか!」「トバリが今使った技ってあの時の…!」などなど、話をまたいだ感動がたくさんあります。過去の話があって最新話がある。1話1話の積み重ねにより、過去の話と今読んでいる話のつながりに気付いた瞬間胸が震えます。

 無料開放話の中では、第45話「墓前にて」と、第92話「ごゆるりと」のそれぞれ終盤のつながりが好きです。
 無料開放話ではありませんが、最近の話だと218話「天下楼(31)」と第250話「おねーちゃんは治らない」のつながりも好きです。ここでこの登場人物がこういう選択をしていたからこうなったのか…!?など、勝手に結び付けて一人盛り上がり泣きはらしています。

4.一気読みのメリット

 comicoはその性質上、週刊誌のようにモノ(本)として残らないし、配信された話を課金して購入しない限り手軽に読み返せません。
 そのため、無課金で明けのトバリを読む場合、ぼんやり先週の記憶が残っているかどうか…という状態で読み進めることになります。(私の記憶力も相当悪いですごめんなさい)
 一方、今回の特集のように一気にたくさんの話を期間中何度も読み返せるようになると、3で記載したような明けのトバリの重厚なストーリー、小さなコマに込められた伏線等々に気付きやすくなります。
 「何話か前に今読んでいる部分とつながるくだりがあった気がする!さかのぼってみよう!」といったように、一気読み期間ならではの楽しみができます。(運営的には課金してくれという話だと思いますが)(この楽しみを覚えてしまった私は101話以降も相当の数を課金して購入しましたが、それはまた別のお話。)

 5.さいごに

 一気読みでも、週1回の配信話を無料で楽しむのも、楽しみ方は人それぞれだと思いますが、明けのトバリはその重厚なストーリーにより話のまとまりが多い分、一気読み(まとめ読み)が向いている作品だと思います。
 だからこそ、ぜひこの機会に多くの人に読んでいただきたい作品です。
 100話も読めないよっていう方、1話と2話にトバリの良さが詰まっているのでそこだけでもご覧ください。

 そして運営の皆様はどうか書籍化を!!!!まとめ読みと布教用に書籍化をお願いします!!!!


 

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