電卓のちょっと進んだ使い方――その5:ドルやユーロ建ての計算に(アドモード)
こんにちは、小林です。
前回(その4:端数処理)に引き続き、きょうはその亜種であるアドモードについてご紹介します。今回でこの連載は一区切りになります。
使える機種
前回とほぼ同様ですが、小数の桁数を指定するスイッチに [ADD2] [A] [+] の位置があることが条件になります。
使い方
前回までとはシーンが変わります。
アメリカやヨーロッパなどは通貨に補助単位(ドルやユーロに対するセント)があり、例えば1ドル98セントは $1.98 などと往々にして表現されます。こういった経済圏で効果のある機能です。
おことわり:連載の立案当初から最後にアドモードを紹介することを決めていましたが、日本では補助通貨が廃止されて久しく利用イメージが浮かびづらいかもしれません。ただこれ以上に適当な例が浮かばなかったので、このまま進ませてくださいませ。
次の見取り算(上から順番に加算・減算する計算)を考えます。4つの商品を買って、最後に値引きがある想定です。
これを真正面から計算しようとすると、35点98足す、12点15足す、とやるところです。
ここで端数処理スイッチを [F] 以外の位置(四捨五入でも切り捨てでも)に、小数桁スイッチを [ADD2] [A] [+] の位置にセットします。
この状態で、 [3][5][9][8] と小数点を打たずに入力していきます。
[AC] 0
[3][5][9][8] [+] 35.98
[1][2][1][5] [+] 48.13
[9][9][0] [+] 58.03
[6][8][7] [-] 64.90
[3][9][8] [=] 60.92
このように、下から2桁目と3桁目の間に小数点を自動的に挿入してくれます。これで小数点キーを打つ手間を減らすことができます。
注意
アドモードは動作に条件があります。
‣ 加減算のみで有効(乗除算では機能しない)
‣ 入力時に小数点キーを押した場合はそちらが優先
1番目の条件のために、アドモードの使途は見取り算にほぼ限定されてしまいます。アメリカやヨーロッパの商店などでは、かなり便利に使えるのでしょうが……。
まとめ
今回は、小数点の位置が下2桁目で固定されている際に便利なアドモードについて紹介しました。
以上で今回の連載(機能のご紹介)もいったんおしまいです。後日、電卓検定についても多少書くかもしれません。それでは。
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