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20210722

早起きして、映画を観てきました。「プロミシング・ヤング・ウーマン」というタイトルの、アカデミー作品賞などにノミネートされた映画です。主人公は毎週バーで泥酔したふりをして、自分を家に連れ込みデートレイプに持ち込もうとする男性に裁きを下している、というキャラクターで、そんな生活をするきっかけとなった事件の関係者へ次々に復讐をしていくストーリーです。映画の中では、酔って記憶のないうちにレイプされた女性の訴えを「酔っていた自分が悪い」「世の中はそういうもの」だと退けている描写があり、訴えや苦しみを、更には被害者の存在そのものを「なかったもの」にしている登場人物さえいます。こういう内容だということは知っていて、ずっと観たかった作品ではあったんだけど、クリスの事件が明るみになる前と後では作品の重みが違っただろうと感じて、血の涙を流しながら観ました。時間の関係上とはいえ、この作品をこのタイミングで、クリスの初主演映画を公開してくれた、そしてアイドルを辞めてから初めて来日したクリスに会えた日本橋の映画館で観るなんて、一体何の苦行だろうと思うくらい皮肉がきいているなと思います。

クリスを好きだということばかり書いてきた自分のブログにこんなことを書く日が来るとは思わなかった。と言うより書きたくなかった。でも書かなくてはいけないところまで来てしまっているので、ちゃんと書こうと思います。予め言っておくと、今回の事件は中国語が読めない私には手に負えないほど情報が錯綜しています。読める人でも全てを理解してまとめるには相当な時間と労力が必要なほどの情報量で、しかも中にはデマや憶測でしかない情報もあるため間違っているところもあるかもしれません。また、これらは私が知っていることの全てではないです。

7月18日、クリスが未成年者に対する性的暴行を行ったという疑惑がweiboで暴露されて中国で大ニュースとなりました。クリスは工作室のスタッフを通じてキャスティングなどの面接をするという名目で女性に声をかけ、お酒を飲ませて酔った女性に性的な行為に及んだ、というような内容です。この辺はもうクリスの名前で検索して貰えればいくらでも記事が出ているのでそちらを参考にして下さい。

疑惑自体は少し前からあって、クリスの工作室が名誉棄損で暴露者を告訴する、という内容の投稿をしていたのは覚えていたんだけど、正直私はあまり気に留めていなかったんです。何故かというと、クリスが若い子に手を出している、みたいな疑惑ってその前からちょくちょくあって、そのたびに「いい年して何やってんの~」みたいな感じで適当にあしらっていたからで、工作室がきちんと声明を出したことで「ほらやっぱり無実なんじゃん!」なんて呑気なことを言っていたからです。もちろんその時は、酔わせて一方的に性行為に及んでいるなんて話はなかったし、どっちかというとクリスの名声を利用するために近づいてくる女の子もいるんじゃないのくらいの気持ちでした。そしてこの暴露があって問題になったとき、マシュマロでクリスの話題が荒れていることを教えてもらってようやく思いのほか大きい事件だったことを知りました。その時の私は翻訳機で暴露を読んでいることもあり「バレバレの証拠がありすぎて逆に嘘なんじゃないの」とかばかげたことを言っています。でも、そもそも私のこの考えや暴露者が彼の名声を利用しているのではないかと思うこと自体が被害者の訴えを退けているもので、冒頭の映画で被害者の存在を「なかったもの」にしている二次加害者となんら変わりはなく、非常に反省しています。中国語が読めないとはいえ、疑いがあった時点でもっとちゃんと調べておくべきでした。とても恥ずかしいです。

前述の通り疑惑自体は前からあったけど、暴露者が自分だけではなく未成年を含めた複数の女性に被害が及んでいるという新情報を追加した上でクリスを警察に通報することを発表し、それを受けた工作室が暴露者に示談の連絡をしたことがきっかけで更に事態が大きくなったという流れがあります。しかも工作室側が彼女に送った和解書は、示談金を受け取ると受け取った側が恐喝罪で訴えられてしまうような巧妙な仕掛けがされたもので、工作室には未成年の女の子を複雑な法律を利用し罠にかけようとしたというイメージがついてしまいました。数日前に工作室が名誉棄損で訴えると言っていたものも法的な効力はなく、警告にしかならないものだったそうです。いくら名誉棄損でも未成年に対してそこまでするものだろうか?そもそも暴露者が本当にクリスに対して嘘を言っているのであれば工作室が示談を申し込んだのはなぜか?さすがに本国のファンたちも批判の声に押されてクリスを庇いきれなくなっているようで、なんだか今まで疑惑に何度も蓋をしてきた自分達への罰のように感じました。私自身、クリスという存在を神様のように思っていて、今こんなことを言うのはすごく恥ずかしいけど、少なくともクリスの表の顔は神様みたいに優しい人でした。どんなに疲れていても雨が降っていても空港や収録場所まで追いかけてくるファンに必ず顔を見せて端から端まで手を振って手紙やプレゼントを回収したり、収録中に会場の外で待つファンに食事を提供したり、自分のレースを観に来てくれたファンに飲み物を配ったり、自分の写真を撮るファンがイベントスタッフに怪しまれているのを見て助けてあげたり、こうして書いてるだけでちょっと泣きそうなくらい、クリスの優しい行動の数々をすぐに思い出すことができます。でもその一方で、そんなクリスの存在を守る為に私も必死だったのかもしれません。見たくないものに目を塞いで、知りたくない事実から逃げていた結果が今日のような気がして、クリスに理想を押し付け続けていた自分も同罪だと思いました。

クリスは熱愛スキャンダルや疑惑が出ても、あまり自分から事件に触れることはない人で、2019年に起こった女子大生手つなぎデート事件(トラウマ)があったときも沈黙を貫いていました。(詳しくはこちらをご参照ください) 本人から発信があれば一番良いけど、熱愛に関しては結婚とかじゃない限り何も言わなくて良いしプライベートに関することをファンに報告する義務はないと私は思っていて、熱愛も辛いものの対応としてはアリだと思いました。でも今回は状況が違います。きちんと否定してくれなければクリスは犯罪者になってしまう。だから工作室を通してではなく、クリス自身の言葉でちゃんと事実と違うと言ってほしかった。届かないとは思いながら、自分のweiboでもそんなことを投稿しました。この頃では事件は日本でも大きな話題となっていて、クリスに対して「昔から嫌いだったけどやっぱりクズだった」「グループ時代からそういう奴だと思っていた」、ほかにも露骨な言葉を使った誹謗中傷がツイッター上で溢れかえっていました。私はクリスに関する様々なワードで検索しそれら全てを見ました。これらの人々のほとんどは、クリスがグループを脱退した2014年で記憶が止まっていて、以降彼が韓国の事務所に対してどんな訴えをしたかどうかまでは知らないようでした。すごく腹が立ったけど、仕方のないことだと思いました。だってみんなクリスに興味なんかなくて、悪いことをした人を強い言葉で非難したいだけで、興味があるのはセンセーショナルな出来事だけだから。クリスに限らず、疑惑のあるところには真偽やその人がどういう人であったかは全く関係なく、必ずこういう人達が湧いて出てくるんだと思いました。

翌日、クリスが自身のweiboを更新しました。投稿は「これまでコメントしなかったのは司法手続きの邪魔をしたくなかったからだけど、沈黙していたことを理由にデマが飛び交っている。自分は彼女とは去年の12月に大勢と食事をした際に1度会っただけで、未成年へお酒を飲ませることや彼女が主張しているような事実は一切ない。そのようなことがあれば自分は自ら刑務所に行く。上記のすべての言葉に法的責任を負います」というような内容でした。投稿を見た私は平日の昼間っからホッとして泣いてしまいました。今までの疑惑を自分の言葉で弁明することのなかったクリスがこうして自ら出てきてくれたこと、そして強い言葉で否定してくれたことで私は今までクリスを好きだった10年近い日々を信じようと思えました。前日はもしも暴露内容が全て事実で、ひどい誹謗中傷に曝されて中国で生きる道を断たれたクリスが思い詰めて自殺なんてしてしまったらどうしよう、なんて最悪のケースが頭から離れずに泣きながらほとんど眠れない夜を過ごしたりしていて、死ぬよりも辛い被害に遭って苦しんでいる被害者がいるかもしれない上に加害者かもしれないクリスの心配をするなんてバカみたいだけど、それでもクリスに生きていて欲しくて不安で不安でしょうがなかったから、クリス自身の言葉で少しでも安心することができて本当に良かったと思いました。でもツイッターでクリスを非難していた人たちは、クリスが否定したという事実まで興味はないようでした。

しかし、このクリスの言葉を受けて暴露者は更に新しい証拠を投稿しました。しかもクリスから暴露者と同じような目に遭ったと主張する未成年を含む女性たちが続々とクリスとのwechatでのやり取りや暴露者と同じような経緯でスタッフから声をかけられたことを投稿し、事件はどんどん拡大していきました。もうこの辺から私は情報の多さや速さに全くついていけてないのだけど、私が知る限りでは暴露者が性行為の際にクリスが言った言葉を暴露していたり、またクリスの下半身について語っていたり、別の女性とのwechatでその日の服装を教えてと言われたクリスと思われるアカウントが送信した写真がRAP OF CHINAでクリスが着ていた洋服・靴・座っているソファまで合致していたりして、性暴行の証拠にはならないとはいえクリスが女性たちと個人的に連絡を取っているという事実を退けるにはかなり無理があるような内容もありました。そして中国国内ではクリスがアンバサダーを務める企業全てがクリスとの契約を解除し、中国のテレビ制作協会からはクリスを今後表舞台に出さないよう呼びかける声明が発表され、weiboではカナダ国籍であるクリスに対して「カナダのゴミ野郎」「中国から今すぐに出ていけ」などという罵声が浴びせられ、女性たちが権利を主張するME TOO運動の高まりもあり、クリスは女性だけではなく今や中国という国全体の敵である外国人という立場になりました。こうなるとクリスが今後芸能界で活動する可能性はほぼゼロに近く、芸能界どころか中国にいることすら許されない状況です。誹謗中傷やクリスを表舞台で見られなくなってしまうのは悲しいけど、現状を考えれば仕方のないことで、中国の企業の判断は非常に正しいと思います。ただ今はクリスが法に触れていないかどうかだけが私にとって重要で、どうかそこだけは事実ではないと解明されて欲しいと思っています。

本当に正直なところ、私個人としてはクリスが女性たちと連絡を取っているとされる暴露のいくつかは事実だと思っています。実は6月の段階で、クリスと同じスポーツジムに通う女性がMVの出演者を探しているという名目でスタッフから声をかけられてクリスと連絡を取っているという暴露があり、その女性が18歳だったということがありました。そのときはデマとして疑惑が流れていってしまいましたが、この内容をなんとなく知っていた私にとって、今回の暴露者が「キャスティングの名目でスタッフから声をかけられた」と言っている部分は妙に信ぴょう性があり、同時にぞっとする内容でもありました。ただ私の知っている限り、クリスは今までにスキャンダルがあっても女性に対して優しく接しているイメージが強く、今回の性暴力というワードがどうしても彼に結びつかないでいます。前述の2019年の熱愛報道の際には自分のテレビ電話が盗撮されていることも知らずに女性側が顔を隠していることに違和感を覚えながらも疑わずに喋っていたり、夜道に怯えて電話してきたと思われる女性に対して「今すぐスタッフに迎えに行かせるから」と宥めている音声が流出したり、とても人に対して無理矢理乱暴を働くような人ではないと思いたい気持ちがまだ少し残っています。一方クリスの工作室は暴露者が工作室に対して脅迫まがいのメッセージを送ってきている、というような主張をしていて現在は双方の意見が完全に食い違っている状況です。ただ今回の暴露が事実であるならば私はクリスにきちんと罪を償ってほしいと思うし、クリス自身が深刻な病気である可能性が高いので一刻も早く病院に行ってほしいと思っています。今の私はクリスを庇うことはできない、今まで通りクリスを愛することはできないけど、クリスが今まで私たちファンにしてきた優しさの塊みたいな行動、たくさんの慈善活動、報道陣や共演者にまで気を遣う謙虚な姿などの紛れもない事実、クリス自身が「法的責任を負う」とまで言った言葉、とても頼りないけどほんの少しの願いを頼りに、暴露者の訴えを一度でもなかったことにしようとした自分の罪とクリスとの時間と向き合う為にも、罪悪感に苛まれながら最後まで見届けていきたいと思っています。どうかきちんと警察が介入して、法のもとに事実が明らかにされますように。