見出し画像

ヒプステBOP2023に行って中王区の女になった話(感想)



ヒプステが終わってしまった。
終わるという言い方が正しいのかわからない。正しくは「ヒプステのキャストが全員卒業してしまった」だ。

私のヒプステはtrack1、映画館のライブビューイングから。
当初ヒプノシスマイクは声優のラップコンテンツであり、舞台化は反対の意見が多かったジャンルだ。
「声優さんが積み上げてきたキャラクターを他の人間が演じるのはいかがなものか」
「ラップバトルなのにダンスバトルってどういうこと」
「チケット代が高くて誰が観るか」
様々な意見が出る中、track1は開演された。

結果は大成功、初演はガラガラだった席も大千穐楽は満席という結果を残した。

それからは順調に公演を重ね、各ディビジョン毎のライブやヒプステオリジナルキャラだけの公演も上演されるなど順調に人気を博してきた。
そのところでの【キャスト全員卒業】なのだ。

ヒプステは面白い。
最新技術を使うだけでなくステオリジナルのキャラクターも魅力的だ。
BOP1も足を運んだがオリディビのリングライトの多さに驚いたのを覚えてる。

そんな中でBOP2023が楽しみなのと、全員卒業があまりに寂しく、その日が来ないで欲しいのとでよくわからない感情のまま横浜初日を迎えたのだった。

結果、悲しむ暇がないくらい楽しめた。

そこには私が求めていたヒプノシスマイクがあったのだ
今回のBOP2023では2ndバトルの模様が再現された。そこが今回一番の見どころだと思う。

第1round オオサカvsイケブクロ
第2round シンジュクvsナゴヤ
第3round シブヤvsヨコハマ

これは公式の2ndバトルの通りの対戦相手であり投票はネットで投票、本家のバトルではシブヤが優勝したが、ヒプステではイケブクロが優勝したバトルだ。

この再現が本当によかった。
ぴあアリーナでは花道からセンターステージが設けられておりバトル曲が始まったら番手同士が歩いてセンステへ向かいラップバトルをする。
ラップバトルはテレビでのフリースタイルダンジョンで見たくらいだが本物のラップバトルさながらの熱いバトルだった。

番手同士がリリックをかまし相手に攻撃する。
相手を負かそうとすると味方の次の番手が登場して仲間を助ける演出。
推しディビでなくともこの演出は最高に盛り上がり、胸が熱くなった。

最近のヒプノシスマイクは今まで不仲だったディビジョン毎の争いがなくなり和解、最近はディビの垣根を越えて別のディビジョン同士が楽曲を出したりしていた。

別の方向へ舵を切るのはコンテンツが長くやっていく上では変化が必須、当然の事だろうと考える。

ただ、BOP2023では熱いラップバトルが再現され、そこで気付かされた。
これがヒプノシスマイクで観たかった光景だと。
ディビジョン同士の戦いが観れるのはもちろん、仲間との絆も見える演出。
千秋楽ではラップバトルをしているキャラクターの周りにドローンが飛び、私達観客は歓喜する。

顔がいい男達を戦わせて見せ物にする。
正に私達観客は中王区の女になってしまったのだ。

この演出を考えた植木豪は天才だと思う。


ラップバトルだけではない。
各ディビ毎の演出もそれぞれ考えられており
どついたれ本舗は漫才の時間がありゲラゲラ笑い
イケブクロディビジョンは3兄弟でラップの時間が設けられ、ナゴヤは廣野くんの煽りが上手く、バンギャの自分としてはとても楽しめた。
シンジュクの鮎川くんの寂雷先生は美しすぎるしシブヤの3人はキュートなのにエモいし目がいくつあっても足らない。

推しのヨコハマもバチバチに煽ってくれてハンドサインを掲げすぎてこのレポートを書いている今でも肩が痛い。


私の推しはヨコハマディビジョン・入間銃兎、水江建太さん。
大千穐楽のコメントやTwitterでのツイートに私は泣きました。
どんな事があっても板の上では【自分】を出さない水江さん。
「入間銃兎として、この役ができて嬉しかった。幸せでした。」
その言葉に泣いた。

彼にとってキャラクターの【卒業】は初めての経験。
track1から色んな思いがあったのだと思う。
声優の駒田航さんの声はかなり特徴的なので自分の声とは似ても似つかない。
track1では声を高く出してみたけどうまくいかない。
観客は声優の声質でラップするのを求めているしかなり悩んだのではないかと思う。

今回、BOP2023の彼のラップを聴いて思った事がある。
駒田航さんの声質は真似ずに自分の低い地声でラップをしていたのが印象的だった。

いつもよりドスの効いた低い声でラップをしていて彼の中のわだかまりが消えたような感じがした。
以前、2.5のキャラクターを演じる上で一番重要なのはビジュアルと言っていた。

ビジュアルは生まれ持ったものがあるのでクリアしていたが声はどうしようもない。
ビジュアルは整った、後はキャラクターの解釈、キャラクターの細かい動き、鏡を何度も見ての練習。
本番前にも鏡を見て動きのチェックを1人でずっとやっているとバーンズさんが言っていた。

お芝居に対して、キャラクターに対して真摯で真面目な彼が私は大好きです。
彼なりの【入間銃兎】が演じられて本当によかった。卒業をこの目で見る事が出来て本当によかった。

BOP終演後、高野洸くんが演じる一郎がキャラクターの立ち絵に帰って消えていく演出。
現地では「行かないで」「やだ…」という嗚咽が聞こえました。
track1では不安の中キャラクターの絵の中から飛び出した一郎、最後には惜しまれながら絵の中に帰っていった。

もう一度書くがこの演出を考えた植木豪は天才だと思う。

最後、オリディビの有馬くんに連れられて登場し、DDBと一緒に踊った植木豪。
会場は今までにない盛り上がりだった。
泣きながらダンスする植木豪にヒプステへの愛が伝わった。

本当にありがとうございました。

ヒプステに出会えた事、最高の4年間をありがとうございました。
キャストだけではくスタッフにもありがとうと言いたい。

大千穐楽の当日券の希望者は1500人を越えた。
ヒプステは伝説になったと思う。

本当にありがとうございました!!!!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?