#思い出の夜

「#書いてつながろう」

外出自粛でなかなか外に出られず、
たくさんの暗い情報で頭がいっぱいいっぱい。

こんな状況だけど、みんなで「書く」ことでつながったり、
楽しい習慣になったらいいな。

そんな企画に賛同したメンバーで、毎週テーマに沿って投稿しています。
参加したい方がいましたらコメント欄にてご連絡ください。

今週のテーマは「#思い出の夜」です。

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それは大学2年生の冬のことだったと記憶しています。かつて好きだった人との話です。

その前に、その人を好きになったきっかけから説明させてください。

僕はもともと強い人見知り気質で、大学デビューにも失敗。気軽に話せる友だちができないまま、冬になってしまいました。

「ヤバイ…このまま大学4年間寂しく一人で過ごすのか?」

焦りもある中、とある授業で4人1組のグループワークがありました。発表準備のために授業外にも集まって打ち合わせが必要。

「うまくやれるだろうか」

最初は不安もあり、実際、簡単には心を開けませんでしたが、みんな温かい人で、打ち解けることができました。その中でも特に一人の女の子がじっくり話を聞いてくれる優しい雰囲気を持っており、気づけばどんどん話せてしまう自分が。考え方も近かったのか、意気投合して仲良くなっていきました。

彼女に誘われて二人でスキージャンプを観に行ったり、さらに彼女の誘いで同じサークルに入ったり。彼女の家で遊ぶこともありました。

「好きってなんだろう」

と小難しく考えたがりの自分も、寝る前にその子のことを考えると、胸がチクチクして、

「これは間違いなく恋だ!」

と実感していました。

が、なかなか告白ができなかったのです。関係が壊れるのが怖くて・・・


でも、ある日、「今日こそ!」と決意しました。その日、遊ぶ約束をしていたので、その帰り際に、と。


そう、ここからが今も忘れられない「思い出の夜」です。


居酒屋でお酒を飲みながら、いつも通り楽しく過ごし、終電時間まであと少し。

(ヤバイな。そろそろ言わないと・・・)

と思っていたら、彼女から

「大丈夫?そろそろ終電じゃない?」

「そうだね。帰らないと…ダメ、かな…うん、帰ろうかな」

ひよった僕は、思いを告げることなく、そのまま解散し、当時住んでいた小樽行きの列車に乗ってしまいました。

(ああ、ダメだな、自分…)

(このままで良いのか?)

(ダメだろ?)

(よし、降りて、また会いに行こう!)

幸い、逆方向の列車はまだあったので、桑園駅(札幌駅の次の駅)で下車。札幌駅まで戻り、彼女に「ごめん、終電に乗り遅れたから泊めてくれない?」と電話。呆れたように笑いながら「良いよ」という彼女。

札幌駅から歩いて10分強。着いた。会ったら言おう。「好きだ」と。

インターフォンを鳴らす。玄関のドアが開いた。言おう。

(言えない・・・!)

「うふふ。大変だったね。まあ、入ってよ」

「ごめんね、実にお恥ずかしい…」

「今日は、もう眠いから、寝ようか。そこの毛布、使っていいよ。私は自分のベッドで寝るから」

「え、うん。」

「じゃあ、おやすみ。」

「え、うん。おやすみなさい。」

(寝てしまった! 言えなかった!)



結局、思いは伝えられませんでした。

その彼女とは今はもう連絡を取っていませんが、聞いた話によると、結婚し、お母さんになったそう。

そして、僕も今年の3月に別の女性と結婚することができました。

妻と付き合い始めた時、ちゃんと「好きです」と伝えられた。それは、この「思い出の夜」があったから、かもしれません(笑)

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来週のテーマは「#ちょっとおめでたい話」

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