38歳差の恋人

23歳。があと1週間で終わる。

ねぇ、終わりかける今なら、
色んな感情になれて嬉しい。とようやく思えるけれど、とても辛かった。

出会ったのは、1年と少し前。
私には違う恋人がいた。
石垣島⇄愛知 その次は、熊本⇄愛知
の遠距離と戦った恋人。同い年。
2年と少し付き合った。
好き?と聞かれて、大切。と答えてしまう、
そんな自分が寂しかった。
会うと、嬉しかった。ずっと一緒に居たいと思った。だけど、ずっと一緒にいられますように。は、私はこの人と一緒に居ないんだろうなぁと感じてしまっていたから、祈りだったのかもしれない。
どんな時も優しい恋人だった。
そんなに離れていても愛情を伝えてくれた。
重い荷物は持ってくれて、喧嘩してても雨が降ったら自分の服を被せてくれて、車道を歩き、可愛いねぇ、綺麗だね。手紙も何度もくれて、大学生の彼なのに、食べたいもの食べに連れてってくれて、記念日のアルバムや、プレゼント、いろんな物を一緒に見て、過ごしてもらった。
でも何処かずっと寂しかった。
自分が、この人じゃないな、って気づいてしまっているから寂しかった。のだと思う。
溶けかけた魔法が1番辛い を思う。
私は、
好きって答えられない理由を遠距離のせいにし、
離れる決断に甘えてしまった。

仕事の転勤で、
熊本県に来て半年頃。
出会ってしまった。
“(私の苗字)さん?”
前の日に、同じ苗字のお客様が来ることをたまたま確認していた。

私の名札を見て、声をかけてくれた
縁なのか、偶然なのかタイミングなのか
太い、ご縁の上で過ごす男性にこの時出会った。

その後も担当するご縁があり、
“わぁ色んなことを知っている人だなぁ”
話していて素直に楽しかった。

偶然なのか、必然か
残業続きの毎日だったが
その日は早く帰っていいよ と声をかけてもらい、最後の仕事がそのお客様の元まで商品を届ける業務。仕事中にも関わらず、2時間お部屋でおしゃべり。
“今度自分が働いているところに遊びにおいで”
新しい体験が出来ることに
素直にワクワクした。
新しいご縁があることが素直に嬉しかった。
もちろんこの時は、恋愛感情などなく、
“色んな事を知っている人だなぁ、価値観がすてきだな”の印象。

1日の中で、何度もご縁のある偶然に引っ張られながら、私の想像していなかった、大好きな人生がはじまる。


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