silver story#2

痛みを感じながら見上げた空は、いろんな顔の隙間から見えてた。その空は、突き抜けように青かった。
 新緑のような綺麗な木々の間から熱帯地方独特の蒸せるような太陽の光りと空気が、一気に覆い被さってきた。
 近くにある幾つもの顔や声とあまりにも違いすぎておかしくなって吹き出してしまった。

いくつもの顔の中から手がひとつ私に向かって伸びてきた。

ダイジョブデスカ?
えー!日本語?

私はその手をつかんで体をゆっくり起こしていった。すると、いくつもの手が私を支えてきてくれた。
握った手は、とても綺麗とは言えずゴツゴツしていていっぱい苦労してきたんじゃないか?とすぐに分かる手だった。

でも、とても温かく安心感を与えてくれた。
手の持ち主は、目が大きくはっきりした顔立ちの可愛らしい人だった。

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