silver story#4

彼女らに両方から抱えられ少しずつ歩いて行きながらよくよく回りを見ているとお年寄りと子どもたちばかりだ。カタコトながら少しずつ話を聞くと彼女は村長さんの娘さんで 少しあとに歩いている白髪で髭も白いご老人が村長さんらしい。
 
一人の女の子が、私の顔を下から覗きこんできた。ニッコリ笑うと友だちの方に走って行った。
どこの国でも子どもは変わらず元気でよく笑い よく動き回るなと思いながらも さっき私を覗きこんできた女の子を目で追っていた。
彼女は他の子と少しだけ違った感じがした。
どこがどう違うか説明できないのだけどそう感じた。

どれくらい歩いたのだろう 道の両方の木々がだんだん低い物になってきてあちらこちらに家が見えてきた。そして一人二人、一組二組と集団が崩れていった。私は軽く会釈をして見送った。

最後の最後の家が 彼女の家だった。 少し脇に入り家まで鮮やかな花混じりの木々が並んでいた。下には赤色の花が役目を果たして落ちていて、その様はまるで歓迎式の赤い絨毯のようで少し嬉しかった。
暑さと湿気で気が遠くなりそうだったが時おりふく風がここも悪くないなと思わせた。

私の両脇の人たちは さすがに息があがってきたみたいでただただ申し訳なくて言葉に出来なかった。

人の優しさをこんなに感じたことは今だかつてなかった。

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