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コンセプチュアルスキル、コンセプチュアルリーダー、コンセプチュアルな組織

◆コンセプチュアルスキルとは

PMstyleでコンセプチュアルと呼んでいるのは、

複雑にからみあう事象を概念化することにより、ものごとの関係性や本質を認識している状態

です。

関係性や本質を見極めるのですが、それは理解することではなく、認識することである点に特徴があります。この背景には、概念は客観的なものではなく、主観的なものだという考え方があります。つまり、理解するものではなく、認識するものです。

そして、コンセプチュアルを実現する能力をコンセプチュアルスキルと呼びます。


◆コンセプチュアルスキルの基本はコンセプチュアル思考

PMstyleでは、コンセプチュアルスキルにはセンスを伴う高低があると考えています。

例えば、問題解決をするときに、センスのよい解決策とイマイチの解決策を考える人がいるのは周知の事実でしょう。問題解決において、センスのよい解決策というとイメージするのは

・状況に適した解決策である
・本質的問題を解決する方向性にある
・新しい要素がある

・・・

といったことでしょう。

問題解決や意思決定に代表されるコンセプチュアルスキルは多くのビジネスパースンにあります。しかし、センスのよい結果をもたらすコンセプチュアルスキルを身につけている人は決して多くありません。PMstyleでは、よくコンセプチュアルスキルが高い/低いと表現しますが、コンセプチュアルスキルの高さは、センスの良さです。

構想、計画、問題解決、意思決定、対人行動、イノベーションの6つの視点からコンセプチュアルスキルの高いマネジャーと低いマネジャーの行動例を示した資料を公開していますので、見て頂き、あなたならどちらがセンスがよいと思うかを考えてみてください。

添付ファイル:コンセプチュアルスキルの高いマネジャーと低いマネジャー

コンセプチュアルスキルを高くする、つまり、センスのよい結果をもたらすコンセプチュアルスキルを実現する方法として、PMstyleでは「コンセプチュアル思考」を提唱しています。

これは、

・大局と分析
・抽象と具象
・主観と客観
・直観と論理
・長期と短期

の5つの軸を行き来して、考えていくというフレームワークです。フレームワーク自体はこちらの著書をご参照ください。


◆コンセプチュアルリーダーとは

PMstyleでは、コンセプチュアル思考を実践し、センスのよいコンセプチュアルスキルで価値のある結果を出す活動をしている人をコンセプチュアルリーダーと呼んでいます。上のコンセプチュアルの定義を当てはめると

複雑にからみあう事象を概念化することにより、ものごとの関係性や本質を認識して、リーダーシップを発揮している人

がコンセプチュアルリーダーであることになります。

ここでいうリーダーシップは組織や業務のリーダー活動よりは少し広い概念です。主体的に考え、行動するという意味で、組織の階層とは関係ありません。例えば、新入社員でも、自分のすべきことを自ら考え、提案し、仕事をしている人はリーダーです。いわゆる全員リーダーという考え方です。詳しくはこちらをお読みください。

「VUCA時代のリーダーシップ」
https://note.com/ppf/n/n957d94907fd7?magazine_key=md90e1f43a514

繰り返しになりますが、コンセプチュアルリーダーは

ものごとの複雑性や本質を認識して、主体的に考え、行動する人

です。まさに、VUCAを乗り越えていくには、不可欠な人材の特徴です。

PMstyleでは、コンセプチュアルリーダーとしての資質を身に付ける公開セミナー「コンセプチュアルリーダーシップ」を準備しています。

━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆コンセプチュアルリーダーシップ~VUCA時代のリーダーのセンスを高める ◆
  日時:2021年 05月 27日(木) 13:30-17:00
  形態:ZOOMオンライン
  講師:好川哲人(有限会社エムアンドティ取締役)MBA
  詳細・お申込 https://pmstyle.biz/smn/conceptual_leadership.htm
  主催 プロジェクトマネジメントオフィス、共催:PMAJ
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1.リーダー行動とコンセプチュアルスキル(1.0時間)
 ・仕事の目的を決める
 ・目的の実現方法を試行錯誤する
 ・メンバーが主体的に動くように働きかける
 ・チームに学習を促す
2.コンセプチュアル思考の活用で成果のセンスを高める(2.5時間)
 ・コンセプチュアル思考とは
 ・目的決定のセンスを高める
 ・目標設定のセンスを高める
 ・メンバーの主体的行動を促すコンセプチュアル思考の活用
 ・チームに学習を促す・学力におけるコンセプチュアル思考の活用
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◆コンセプチュアルリーダーが創るコンセプチュアルな組織


さらに、組織がVUCAの時代を乗り越えるには、組織としてコンセプチュアルであることが必要です。コンセプチュアルリーダーになぞらえていえば、コンセプチュアルな組織

組織として、向かうべき方向や取り巻く環境の複雑性や本質を共通認識して、メンバーが主体的に考え、行動して、イノベーションや業務を行うことのできる組織

と言えます。

典型的には、自律分散型組織やアジャイル組織です。自律分散型という形態が何を実現できればそう呼べるのかははっきりしませんが、その一つだと考えられている形態にフラット型組織があります。ところが、フラット組織として外形的に権限の階層のない組織にしていても、その成果には凹凸があるようです。

個人レベルではコンセプチュアルスキルの高さが結果のセンスに直結するという話をしましたが、組織やチームにもはやり、センスに該当するような要素があるのです。

その一つはコンセプチュアルであることです。言い換えれば上に述べたように、すべてのメンバーが自分たちの立ち位置や向かう方向性の本質を認識し、主体的に業務に取り組んでいくことです。このような組織をコンセプチュアルな組織と呼びます。

コンセプチュアルな組織であるためには、組織のメンバー一人ひとりが組織の目指す方向と規範に対して適切な行動をとることが求められます。さらに、それらが統合されて、組織の目指す方向性での成果にしていく組織行動が求められます。

そのためにはメンバーの一人ひとりが組織の目指す方向や規範を理解し、その中でさまざまなものごとの関係性や本質を認識し、行動しなくてはなりません。

と同時に、コンセプチュアルな組織に変わっていくには、方向性や規範が文化として定着していくことが重要です。

コンセプチュアルな組織を実現するためには、経営者やマネジャーだけではなく、全員がコンセプチュアルリーダーになり、組織文化を構築していく必要があるのです。

PMstyleでは、コンセプチュアルな組織を目指すために、メンバーやコンセプチュアルリーダーの一人一人がすべきことを学び、自組織のコンセプチュアル化について考える公開セミナー「コンセプチュアルな組織をつくる~VUCAをチャンスにする組織のプロセスとカルチャー」を準備しています。

━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆コンセプチュアルな組織をつくる
   ~VUCAをチャンスにする組織のプロセスとカルチャー◆(7PDU's)
  日時:2021年 06月 23日(水) 13:30-17:00
          ~06月 24日(木) 13:30-17:00
  形態:ZOOMオンライン
  講師:好川哲人(有限会社エムアンドティ取締役)MBA
  詳細・お申込 https://pmstyle.biz/smn/conceptual_management.htm
  主催 プロジェクトマネジメントオフィス、共催:PMAJ
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1.コンセプチュアルな組織とは
  【講義】コンセプチュアルな組織のイメージと例
  【講義】コンセプチュアルな組織のポイントはプロセスとカルチャー
  【講義】コンセプチュアルな組織のプロセスのあり方
  【講義】組織のコンセプチュアルなカルチャー
2.コンセプチュアルな視点から自組織を振り返る
  【講義】振返りの視点
  【個別ワーク】意思決定の迅速さの視点からの振返り
  【個別ワーク】価値創造の視点からの振返り
  【個別ワーク】顧客視点からの振返り
  【ワークショップ】問題を整理する
3.コンセプチュアルな組織をつくる6つのポイント
  【講義】主観を重視した方針の決定
  【講義】抽象的な方策考察と具体的な行動の決定
  【講義】大局的視点による現場と経営方針の擦り合わせ
  【講義】既存の前提条件の見直し
  【講義】顧客や社外ステークホルダーの概念的理解
  【講義】自発的に「考える」ことを支援するコミュニケーションをする
4.コンセプチュアルな組織のプロセスのデザイン
  【講義】方針をつくるプロセス
  【講義】計画の位置づけと、計画を作り、実行するプロセス
  【講義】成功の一環として失敗から学習するプロセス
  【ワークショップ】コンセプチュアルな組織プロセスをデザインする
  【発表】コンセプチュアルな組織のプロセス
5.組織のコンセプチュアルなカルチャーをつくる
  【講義】生産性を高めるカルチャー
  【講義】新しいサービスや製品を生み出すカルチャー
  【講義】自主的に行動できる社員が育つカルチャー
  【講義】自社と顧客の統合的関係が実現するカルチャー
  【ワークショップ】目指す文化を明確にする
  【発表】コンセプチュアルな組織の文化
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