寂しいの反対は幸せ


些細な瞬間に、ひとは大事な事を思い出す。

1年前、母親が亡くなった。

ある日、気分が良くてケーキ屋さんに寄った。
“よし、みんなに買って帰ろう”
そう決めて、胸を躍らせながらショーケースを物色する私。
お父さんに1個、お兄ちゃんに1個、妹に1個、自分に1個。

「こちらの4つでお間違い無いですか?」


店員さんが私にそう聞いた時、どうしようもなく悲しかった。ああ、5個から4個に減っちゃったんだ。って思った。すごく寂しかった。

そんなつもりでケーキ屋さんに寄ったわけじゃ無いのにな。

うちに帰って、別に5個買ってもよかったなって気がついた。1個はお供えして、次の日にでも食べれば楽しみがもう1回増えたなって笑

そんな簡単な事が思いつかないくらい、ケーキ屋さんに聞かれた時の私は寂しかったのだな。

今度は5個買ってきますよ、お母さん

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