ふたりの天使
ジュエリーデザイナーになる夢を追って、桜井和美（和久井映見）は単身ニューヨークへ。
頑固な父・光（武田鉄矢）を説き伏せ、弟・卓（北原雅樹）や伯母の美知（余貴美子）に見送られ意気揚々と旅立った。
が、現実は厳しく、なかなか思うように成果は上がらない。
そんな時、「父、危篤」の知らせが届き、帰国することになった和美は、“婚約者を連れて帰る”と書き送った約束を、なんとか父のために果たそうと決心する。
ついこの間まで、恋人はいた。だけど彼に妻子がいるとは知らなかったのだ。
和美は、成田に向かう飛行機で乗りあわせた隣の男・吉見薫（反町隆史）に、一日だけの婚約者役を頼む。
かくして、桜井家に着いた二人は、危篤のはずの父・光と、婚約者の薫を見て慌てふためく卓、美知と対面する。
しかしその時、和美は激しい吐き気をもよおす。
「あなた、まさか、・・・つわり？」
伯母の美知の言葉に、うつむく和美、愕然となる光。
桜井和美は男手一つで育ててくれた父に内緒で仕事を辞めた。そして、ジュエリーデザイナーを目指すべくアメリカに留学したいと父・光に話すが、猛反対されてしまう。反対を押し切ってアメリカへ飛んだ和美はその後、ジュエリーデザイナーの東城亘に恋をし、妊娠した。しかし、男性は所帯持ちであることが判明し、妊娠を告げぬまま別れてしまった。
そんなある日、光が危篤との知らせを受け、和美は帰国する。具合が悪かった和美は成田行きの機内で隣の男性・吉見薫に嘔吐してしまう。以前、留学先で恋をした男性を紹介すべく、「次に帰国するときは婚約者を連れて行く」という旨の手紙を出していた和美は父を安心させる為、薫に一晩だけ偽の婚約者になって欲しいと頼む。
その頃光は、和美の帰りを楽しみにしていた。実は、ポリープの切除の際バリウムを大量に飲まされ気絶したのを危篤と誤って連絡されてしまっただけであった。帰宅した和美は、ピンピンしている上に婚約者を連れて来たことに怒り出す光を見て憤慨する。そんなとき、和美は再び気分が悪くなり倒れこむ。薫は、「飛行機に乗っているときから具合が悪くて。」と話す。それを聞いた蔦森美知につわりではないかと指摘され、薫と光は初めて和美の妊娠を知る。和美は倒れこみながらも子供を産むと宣言する。その夜、和美は全てを薫に話す。薫は、偽の父親役を続けることを決める。
1997年の1月6日〜3月17日まで放送された月9枠のテレビドラマ。
毎週月曜日21:00〜21:54
放送局はフジテレビ。
主演は和久井映見と反町隆史。
97年ということでね、私がまだ生まれて間もない頃ですね（年齢バレ）
この作品を知ったのは、最近なのですが
有名な主題歌である安室奈美恵さんの
「CAN YOU CELEBRATE?」
この歌だけは知っているという方も多いと思います。
私自身もそうでした。
しかし、この曲が「バージンロード」の主題歌として使われていることをあるきっかけで知りました。
別作品きっかけで反町さんの出演作を追いかけていた際にこの作品を見つけて、主題歌があの有名な曲だと知りました。
もともと、素晴らしい曲だと思っていたので
主題歌と反町さん目当てで見始めたのですが、あまりにも素晴らしいドラマだったので
つい感想を書きたくなりました！
まず、私が心惹かれた内容について。
この作品は恋愛ドラマですが
私個人的には「家族愛」を描いているものだと思いました。
和久井映見さん演じる主人公・桜井和美の住む桜井家はとても温かく愛にあふれています。
それは彼女の父親である光の家族への強い愛情があるからだと思います。
実は光と和美は実の親娘ではなく、血の繋がりのない親娘です。
けれどそれを超えるほどのあふれすぎる愛情と温もり。
光がどんなに娘である和美を大切に思っているかが描かれていて思わず泣いてしまいました。
そして、もうひとりの主人公。
反町隆史さん演じる吉見薫。
彼は和美とは対照的に家族愛に飢えている青年です。
幼い頃に母親に捨てられて、父親もいない。
孤児院でたったひとり孤独に生きてきました。
そんな彼がふとしたきっかけで深く関わることになる桜井家。
桜井家の温かさと和美のひたむきさに次第に惹かれていきます。
“偽の婚約者で父親”だったはずの薫が本気で人を愛し、変化していきます。
その想いが和美の家族にも伝わっていき、はじめは薫という婚約者を認めていなかった光も次第に薫を認めて、薫が和美を本気で想っているということを知っていきます。
個人的に、周囲が和美と薫がお互いを想っている気持ちに気づき始めて
ふたりをくっつけようとしているような感じがあって、あぁこの2人の周りには温かい人たちばかりなんだなぁと嬉しく感じました。
和美のお腹の中の子の本当の父親である
東城亘
偽の婚約者で父親
吉見薫
和美に想いを寄せる
有川俊
主要人物の男性が3人出てくるのですが
それぞれ、ライバルのようなものだけど
それぞれのキャラクターが違うタイプなのも
また良かったし、その中で和美が運命の人だと
言ったのは薫だけなんですよね。
薫を偽の婚約者兼父親に選んだのも
和美が薫と出逢った時、薫が子供を抱き上げたときの笑顔が優しかったから、という理由なんですよね。
この時に和美は薫の心の奥底に隠されていた
温かさや優しさにあふれた人間だ
という彼の本来の性格を
見抜いていたのかもしれません。
全話見た後だとそう思ってしまいます。
最終的に和美と薫は相思相愛となり、本物の婚約者となるのですが
10話で薫が色々なものから逃げている自分を変えるために命をかけて戦地にいる子供達のもとへ行くということを和美に伝えます。
戻ってきたら…
その雰囲気はまるで結婚してほしい、と言うようでした。
はっきりと口にはしなかった薫ですが、和美もそんな薫のことをずっと待ち続けようとします。
これ、めちゃくちゃ不謹慎なことを言いますが
完全なる死亡フラグでしかない…
戦場へ赴いて、帰ってきたら結婚しよう
は完全に死亡フラグなのよ
立ちすぎなのよ
さらに、和美の父である光が薫にお守りを持たせるじゃない？
フラグを加速させてるのよ！
一生の別れみたいな雰囲気もあったし
そしたら案の定、次回予告で
嫌な予感が的中したし
フラグ立ちすぎてて
10話ずっと泣いてましたわ…
そして11話（最終話）
一時は亡くなったとされた薫くんが
実は生きてましたという展開！！
そりゃねバッドエンドで終わらせないよね！
わかる。
なんとなく展開が分かってたけど
薫くんが目の前に現れたときのこれ以上ない希望感！
そのときの和美さんと光さんの表情でもうダメだった（泣）
桜井家にとって薫くんはもう家族なんだなぁって。
もうすでに私情入っているけどここからもっと私情が入るので、すみません。
ここからはもう幸せいっぱい！
和美さんと薫くんの感動の再会。
からの結婚式！！！！！
オープニング映像で和美さんと光さんがバージンロードを歩いた先にいた新郎は吉見薫でした！
新郎姿の吉見薫、美しすぎか〜！！！！！
芸術作品やんけ
もともと薫演じる反町さんのスタイル・顔面の良さが素晴らしかったけど
結婚式のシーンでの新郎姿は頭おかしくなりそうなほど美青年でかっこよかった。
なんなんあれ！！！
もちろん和美さんも可愛らしくて
お互いに微笑み合うふたりが愛おしくて
見ていて、こちらまで笑顔になってしまうほど。
結婚式の途中で、和美さんに陣痛がきて
披露宴をキャンセルして病院へと向かった吉見夫妻と光さん。
そう、和美さんは吉見和美になったんですよね…！
苗字が変わることがいちばん結婚を実感しますね。
和美さんが出産しているなか、
病室の外で待つ薫くんと光さん。
2人の動きがシンクロするところは思わず笑ってしまった（笑）
披露宴でやるつもりだった
新婦の父親のあいさつをその場でやり始めるんですが
その内容に思わず泣けてきます。
和美さんがあかちゃんの頃
どのくらいの大きさで産まれてきたか
そして、薫くんがあかちゃんだった頃
どのくらいの大きさで産まれてきたのか
それを光さんは知っていました。
もちろん薫くんは驚きます。
光さんと和美さんは実は、薫くんの実母に結婚の報告に行っていました。
そして薫くんが産まれたときのことを母親は嬉しそうに話してくれたと言います。
幼い頃の写真も見せてもらった、と。
自身を捨てたと思っていた母親は、薫くんの結婚を喜んでいました。
その事実に涙が止まらなかったです。
そして、24年間
お父さんを知らなかった薫くんは
義理の父親となった光さんを本当の父親のように「お父さん」と呼びます。
光さんもまた義理の息子となった薫くんを
本当の息子のように「かおる」と呼びます。
個人的にこのシーンはグッときました。
そして、あらたに
薫と和美の子供が生まれました。
その子は娘。
それは26年前の桜井夫妻と同じ光景でした。
ラストシーンで薫が「俺たちの天使を産んでくれてありがとう」って言うシーンと
今までずっと言っていなかった言葉を和美に向かって言います。
「愛してるよ」
このときのふたりの本当に幸せそうな顔が神々しくて本当に素晴らしすぎて文章だけでは伝わらないので、見たことがない方はぜひその目で確かめていただきたいです。
そして、ラスト
桜井家の家族写真に薫くんとその娘ちゃんが加わりました。
そこも見ていて感動する場面なので、ぜひその目で見ていただきたい！！
こんなにも心が温かくなる恋愛ドラマははじめてです。
あらためて家族っていいな、と思う。
これは毎回言っているけど
欲を言えばリアルタイムで視聴したかったです…
ほんとに…！
もっとはやくに知りたかった！
でもこんな素晴らしい作品に出会えてよかった。
これからも何度か視聴していきたい、
もう一度見たい、と思います。
皆さんもぜひ見てみてください。
おすすめです！そして見たら私と語り合いましょう（目的はそれかい）
長々と読んでいただき、ありがとうございました。
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