俺ガイル論破 ep2日常編(後)

「俺ガイル」と「ダンガンロンパ」の二次創作です。
原作のロンパみたいに各章は「日常編→非日常編→学級裁判編→裁判後エピローグ」という感じで進みます。基本的に長くなる編は前後編に分けています。
今回は第二章の日常編の後編です。

また日にちが空いちゃったので俺ガイル論破の続きです。
いや、にじさんじの奇妙な冒険の方もちゃんと書いてるんですよ。書くのが楽しくて逆に長くなってしまっているだけです…。
水曜日までには絶対ににじさんじの奇妙な冒険を投稿します!!

と、言うわけで俺ガイル論破をなんとなくで読んで楽しんでください。

↓閲覧時の注意点↓
1)キャラ崩壊、作品崩壊
2)文章がおかしかったり気持ち悪かったりする
3)誤字脱字は当たり前
4)作者は素人
5)誹謗中傷は傷ついちゃうのでNG
6)原作や個人をdisるのもNG
7)その他人が悲しむことはだいたいNG
8)時系列は原作12巻より前(アニメ2期)だと思ってください。

---ここから本編---
『第二章:陰に差す光と輝き・日常編(後)』


キーンコーンカーンコーン
 朝になった。部屋に居てもすることがないので適当に身支度をして部屋を出る。朝はあまり強くないので朝飯も軽くで済ましてしまう。皆はご飯派?パン派?俺は二刀流。
 墓参りも同時に済ましておく。お菓子と煙草をお供えして食堂に向かった。
 時間になれば自然と食堂に人が集まる。昨日のスポーツ大会は大成功だったようだ。
戸部「はやとく~ん、今日は何すんの?」
葉山「そうだな、プールにでも行こうか」
相模「やったー楽しみ!」
葉山「よし、じゃあ今日もお昼食べたらプールで遊ぼう。皆水着を買っておいて欲しいな」
 水着買う…。そこで俺の中で1つ問題に直面した。できれば、ポイントを節約したい。今の溜まり方から判断するに、買うなら明後日以降が好ましい。
八幡「すまん、ポイントを節約したいから俺は見学でいいか?」
 こういう時は正直に言うに限る。
三浦「はぁ?何それ?水着も買えないぐらいポイントないわけ?」
八幡「昨日いろいろ買ったからな…。しばらく節約したいんだよ」
雪乃「そうね、正直私も気乗りしないわ」
結衣「えーゆきのんも行こうよー」
雪乃「行かないとは言ってないわ。でも見学でいいかしら?」
三浦「雪ノ下さんも?何で?」
雪乃「ポイントはいつ使えるかわからないもの。できるだけ節約したいと思うのは普通のことじゃなくて?」
三浦「ふーん。あっそ」
陽乃「雪乃ちゃんつまんなーい。一緒に泳ごうよ~」
雪乃「やめて近づかないで」
葉山「ヒキタニ君と雪ノ下さんの言うことももっともだよ。見学の人は見学でもいいんじゃないかな?」
一色「それに見学者は見学者なりに楽しめばいいですもんね~」
 俺と雪ノ下の意見は無事に尊重された。

 そして午後。見学するとは言ったのでプールには行く。全員プールには来ていたが意外にも見学者は多かった。俺、雪ノ下、一色、材木座、川崎、海老名さんの6人。
八幡「意外だな、おまえは見学者じゃないと思ってた」
一色「私もポイント結構カツカツなんですよ~」
八幡「ほーん」
八幡「お前は昨日ポイントいくらもらったんだ?」
一色「夜のやつですか?2500Pです」
雪乃「比企谷君と一緒じゃない」
一色「そうなんですか?」
八幡「ああ、俺も2500Pだ」
川崎「昨日の仮説はあってるのかもね」
川崎「海老名はいくらもらってるの?」
海老名「私は2500Pだったよ~」
雪乃「確か海老名さんは事件前は食堂の掃除当番だったかしら?」
海老名「そうだよ~、ちなみに今は見回り当番」
八幡「事件前はいくらもらってたんだ?」
海老名「え~っと、1500Pだったよ」
雪乃「なるほど…」
雪乃「これでポイントの内訳が見えて来たわね」
川崎「内訳?」
雪乃「おそらく掃除当番で500P。学級裁判を越したことで1000Pがプラスされるのではないかしら?」
八幡「雪ノ下と川崎は掃除当番を2役経験してるから500×2で1000Pになって計3000Pってわけか」
一色「私や先輩は掃除当番を1役しかしてないから2500Pなわけですね」
海老名「うん納得。スッキリだね」
川崎「遊んでるやつらのポイントも私達と同じぐらいって考えていいわけ?」
雪乃「何もしてなければ…ね?」
一色「どういう意味ですか?」
八幡「他にもポイントが増える活動があるかもしれないってことだ」
一色「ああ、なるほど」
 ポイントの増える要素があるのはわかった。当番は2日交代制にしてたから今日で入れ替えのはず。俺も夢の3000P目指せるかもしれない。
雪乃「ポイントに着目して考えれば、ポイントの消費量が多い人は怪しい目で見ざるを得ないわね」
海老名「それだけポイントを多く持ってるから?」
雪乃「そう。どこから捻出したのかと疑問に思うわ」
海老名「じゃあ私達以外のプールで遊んでる人たちの事を疑ってるの?」
雪乃「そういうわけではないけれど…」
一色「私は疑っちゃうかもですね~」
一色「せっかく水着を着るんですから可愛いやつ着たいじゃないですか~。でも可愛い水着ってやっぱりお高めなんですよ。だから今日参加していないというのもあるんですが…」
川崎「つまり…どういうわけ?」
一色「今遊んでる人たちが着てる水着の値段から何か見えてくるんじゃないかと思うんですよ~」
八幡「わかるのか?」
一色「一応水着は一通り見てますから」
雪乃「ではあの中で高い水着を着てる人っているのかしら?」
一色「そうですねぇ…」
一色「三浦先輩と相模先輩…それから陽乃先輩が着てる水着は少し高めのやつですかね」
一色「もちろん現状貰えるであろうポイントで買える範囲のものですが」
一色「他の人のはシンプルなデザインなので、そこまででもないと思います」
海老名「葉山君の着てる水着もデザイン入ってるけど、あれは高くないのかな?」
一色「あー…男性物はわからないですねぇ…」
一色「先輩わからないんですか?」
八幡「まず水着のコーナーを見てない」
一色「えぇ…」
八幡「今朝言った通り参加する気がなかっからな」
一色「じゃあ今度一緒に行きましょう?先輩に合う水着も探してあげますよ~」
八幡「別に必要ないわ」
一色「もう、またそう言って…」
川崎「ん、そろそろ良い時間じゃない?」
 時計を見ると時刻は夕方を指していた。
海老名「まだ夕飯まで時間あるよ?」
川崎「普通遊ぶのって夕方で終わりじゃないの?」
雪乃「人と遊んだ記憶がないわ」
八幡「俺も」
材木座「我も」
一色「この人たちはいつも通りですね~」
 こうしてプールでの親交を深める会は終了した。…材木座、ほとんどじゃべらなかったな。

 葉山達に見学組は先に戻ると言ってプールを出た。することがないので結局食堂に行く羽目になるんだが、その前にお墓を見ておく。今朝のお菓子や煙草がそのままだからな。
 と思っていたのだが、お供え物は片付けられていた。
八幡「誰かやってくれたのか?」
雪乃「当番以外で墓の掃除をしてくれる人なんているかしら?」
川崎「掃除したみたいな感じはないけど」
一色「お菓子のお供えをしてたんですよね?それ目的じゃないですか?」
海老名「もしそうなら子供みたいなことするね」
 疑問を覚えながら食堂に戻る。本当に誰がやったんだ?

 食堂で待っているとプール組がやってきた。
葉山「皆…集まってるみたいだね。少し早いけど夕食にしようか」
城廻「今日明日の当番も決めないといけないしね」
 夕飯を食べて当番決めの話し合いをする。その結果、今回の俺の当番は銭湯掃除になった。地味に昨日初利用したのだが、これが心地よかった。なのでしっかり思いを込めて掃除をしないとな。そう思いながら時間を潰す。
陽乃「ひっきがーやくん!」
八幡「うぉ…」
陽乃「同じ銭湯掃除だね!頑張ろうね!」
八幡「ああ…まぁ、そうですね」
 俺はこのコロシアイ生活における陽乃さんの立ち位置が掴めなかった。場を引っ掻き回すかと思ったらその行為も中途半端だ。今日も普通に遊んでいたし、どういうつもりなのか俺にはわからない。
陽乃「比企谷君くん?おーい」
八幡「すんません、行きますか」
陽乃「いいねいいね~、私もそろそろ比企谷君とゆっくり話をしたいと思ってたし」
八幡「掃除当番は俺らだけじゃないでしょ」
陽乃「それもそっか」
 銭湯に着く。銭湯には既に先客…俺ら以外の掃除当番がいた。
三浦「二人共遅いしー」
陽乃「アハハ、ごっめーん優美子ちゃん」
戸部「べーちょうど21時だし問題ないっしょー」
 三浦は年上の陽乃さんに対しても接し方が変わらない。流石女王様ってところか。
陽乃「優美子ちゃん、面白い子よね~。比企谷君もそう思うでしょ?」
八幡「まぁすごいとは思いますが」
 あいつもなかなか行動力の化身だよな。
陽乃「お風呂掃除何て久しぶり~」
三浦「つーかなんであーしがこんなこと…」
戸部「べー仕事だから仕方ないっしょ」
陽乃「そうそう、普段使ってるんだから綺麗にしないとね~」
三浦「…ヒキオさぁ」
八幡「あ?掃除はちゃんとしてるぞ」
三浦「そうじゃなくて、何で今日プールで遊ばなかったん?」
八幡「ポイントがねぇんだよ…」
戸部「安いやつもあるし買えない事はないっしょ」
八幡「…正直プールは乗り気じゃなかった。まぁ次の機会があればちゃんと買うさ」
陽乃「確かにあのプールはチンケだもんね~」
陽乃「でも朗報もあるんだよ。あそこのプールの追加施設も実は準備済みらしいよ」
八幡「追加施設?」
戸部「流れるプールとかあるって言ってたべ」
八幡「…それ、いつ誰から聞いたのだ?」
三浦「あーしらがプールから出る時モノクマが言ってたわけ」
陽乃「でも残念ながら有料なんだよね~。一回開放すればずっと使えるらしいけど」
戸部「隼人くんも言ったんけどさ、また近いうちプールで遊ぼうぜ」
八幡「それは構わんが…誰かその追加施設を開放するんだ?ポイントが必要なんだろ?」
三浦「隼人が皆で出し合おうって言ってたよ」
陽乃「次のプールが楽しみだね比企谷君!」
八幡「…そうっすね」
 次は参加しないとまた文句言われそうだな。
三浦「戸部さー、次もあの水着着てくるわけ?」
戸部「そうだけど、何か問題あんの?」
三浦「問題大有り。次のプールの機会は海老名にも来てもらう予定だけど」
三浦「あの水着じゃ海老名も振り向かないよ」
戸部「…マジ?」
三浦「今度あーしが良い水着選んであげるし。その代わり、よろしく」
戸部「べー頼るしかないっしょ」
 戸部…まだ諦めてなかったのか…。強く生きろよ。
 それにしても、三浦も思うところがあるのか戸部に協力的なのが意外だった。ちゃっかり交換条件も出していたが、それも恋愛関係のことだろうな。戸部に頼むとしたらそれぐらいしかないだろう。
陽乃「いいねぇ~青春だね~」
陽乃「比企谷君もそういう話ないの?雪乃ちゃんととか」
八幡「いやないでしょ。ないない」
陽乃「じゃあガハマちゃんと?はたまた一色ちゃんだったりして…」
三浦「はぁ?ヒキオって結衣のこと狙ってんの?」
戸部「べーマジかー、ヒキタニ君は雪ノ下さんだと思ってたわー」
陽乃「やっぱり?周りから見てもそう思われてるらしいぞ比企『タニ』君」
 嫌味のように俺の名前を言う。いや、俺ヒキタニじゃないけどね…。
 それにしても俺と雪ノ下か…。
 やっぱないわ。

 陽乃さんを適当にあしらって掃除を終える。銭湯の掃除は割と疲れる。残念ながら今日は女子が銭湯の被なので俺はピカピカの銭湯を堪能できない。諦めて部屋のシャワーで済ませる。シャワーを浴びたら23時を過ぎていた。今日のポイントを確認してみるか。
 …3000P。雪ノ下の仮説は正しそうだ。これなら苦の少ない生活を送れるかもしれない。水着も買えるだろう。
 こうして夜も更けていく…。

 朝になる。いつも通り身支度をし、お墓に向かう。朝の墓参りはもう俺の日課だ。お菓子と煙草を供える。昨日も一昨日も俺じゃない誰かに片付けさせてしまったから、今日こそは自分でやらないとな。朝飯食ったら片そう。

結衣「ヒッキーおはよう!」
八幡「おう」
結衣「えへへ、今日は何して遊ぶんだろうね」
八幡「二日連続でスポーツだからな、そろそろ休みの日も欲しい」
結衣「レンタルショップで映画借りて、皆で観賞!もいいんじゃない?」
八幡「それはありだな」
 平和な会話が続く。皆が集まってきても俺達の平和な会話は続く。意外と心地良い。
 …しかし、そういう時に限って『ヤツ』が来る。
モノクマ「うぷぷぷぷ」
 そしてこいつが現れる時はろくなことがない。
雪乃「モノクマ、何しに来たのかしら?」
モノクマ「いやぁ~みんなが楽しそうだからさ、僕も混ぜてもらいたくて」
陽乃「う~ん、嘘は良くないなぁ」
戸塚「え、嘘?」
陽乃「だってこいつが現れる時って少ししかないでしょ?」
陽乃「だから、『アレ』を持ってきたんだと思うんだけど」
城廻「アレ…ですか?」
モノクマ「勘のいいガキは好きだよ」
モノクマ「そう、ボクはアレを持って来たんだよ!」
相模「だからアレって何!?」
八幡「動機か」
材木座「動機…だと…」
モノクマ「はい正解です!」
戸塚「…聞きたくないよ」
モノクマ「ダメだよ~、僕からのプレゼントしっかり受け取ってよね」
海老名「私たちに拒否権はなさそうだね…」
雪乃「そうね…用事があるならさっさと済ませてほしいわね」
モノクマ「皆がそんな反応だと、テンション下がるな~」
葉山「気分がのらないならすぐにでも帰ってほしいけどね」
モノクマ「それはダメだよ~、せっかく用意したのに使わないなんてもったいないもん!」
陽乃「それで、あなたが用意したものって何?」
モノクマ「はいはいわかったよ~…、僕が用意したものは~こちら!」
モノクマ「ドン!秘密の暴露です!」
川崎「秘密の…暴露?」
モノクマ「皆は大なり小なり秘密を持っているよね?」
モノクマ「でもさ、その秘密をボクが知ってるとしたらどうする?」
葉山「え…」
八幡「おまえ…まさか…」
モノクマ「そう!コロシアイが起きないならボクはその秘密を皆に暴露しちゃうよ!」
一色「そ、その秘密ってなんですか!?」
モノクマ「それは秘密だよ!その本人にもボクが握ってる秘密は教えてあげなーい!」
モノクマ「まぁ、強いて言うとしたらオマエラが思う最大の秘密も暴露できちゃうってことかな」
結衣「う、嘘…」
陽乃「でも中にはそれだけの秘密を持ってない人もいるんじゃないの?」
モノクマ「それならその小さな秘密を暴露するだけだよね!」
八幡「小さな秘密程度なら暴露されても問題ないはずだ…」
モノクマ「本当にそうかなぁ?」
モノクマ「小さな秘密にも種類があるよね?恥ずかしい秘密とか」
戸塚「恥ずかしい秘密…?」
モノクマ「下世話な話だけどさ、日に何回トイレ行ったかとか、体を洗う時はどこから洗うとかさ、週に自慰行為を何回するかとか」
モノクマ「そういうのも知られたら困っちゃうよね!」
結衣「そ…そんな恥ずかしいことまで知ってるの!?」
モノクマ「期限は一週間!それまでにコロシアイが起きないと…うぷぷぷぷ」
一色「うぅ…これは地味にクる動機ですね…」
戸部「べ、べー…」
モノクマ「まぁでもただ期限を待つだけだとツマラナイよね!」
モノクマ「だから同時にゲームを行います!」
三浦「ゲーム?」
モノクマ「そう!宝探しゲームだよ!」
相模「宝探し?」
モノクマ「食堂、教室棟、特別棟、PC棟、寄宿舎、体育館、武道館、プール、図書館、レンタルショップ、売店、ブティック…この計12個の建物にそれぞれ1枚、このモノクマ金貨を隠させていただきました!」
川崎「モノクマ金貨?何それ?」
モノクマ「モノクマ金貨1枚と引き換えにその人の秘密を守ることを約束します!」
陽乃「つまり各建物のどこかにある金貨があれば秘密は暴露されないんだね」
モノクマ「そういうこと!ちなみにその金貨は1万ポイントとも引き換えできるよ!」
モノクマ「秘密の保護か1万ポイントか…どっちにするかは見つけたその人次第だよ!」
八幡「その金貨って見つけた人以外でも引き換えできるのか?」
モノクマ「もちろんできるよ!でもわざわざ見つけた金貨を人に渡すメリットはなさそうだけどね」
結衣「…つまり、秘密を守るにはどうすればいいの?」
モノクマ「金貨と引き換えるか…コロシアイが起きるか、だね!」
葉山「…………」
モノクマ「以上がボクから渡す今回の動機!じゃあ後は皆で頑張ってね!」
モノクマ「ぶひゃひゃひゃひゃ!」
 そういってモノクマはいなくなった。宝探しゲームか…。厄介な点がいくつかあるな。
 モノクマの言うことが本当なら金貨は全部で12枚しかない。俺たちの人数は14人。2人余る。嫌らしい枚数と言わざるを得ない。そして何より、1人が2枚手に入れる場合もある。そいつが欲望に忠実だったら、秘密を暴露される人間が増えることになる。
雪乃「面倒なことになったわね…」
海老名「う~ん、宝探しゲームかぁ」
陽乃「ねぇ隼人、今日もスポーツ大会とか開くの?」
葉山「え?」
陽乃「やるのは構わないけど強制はしない方がいいよ。あの動機で何人かは困惑してるだろうし」
葉山「そう…かもしれないね」
葉山「今日のスポーツ大会は任意参加にするよ。体育館でやるから、できるだけ来て欲しいな」
三浦「宝探しゲームはどうするわけ?」
戸部「う~ん、どうするべ…」
城廻「任意…でいいんじゃないかな?」
陽乃「へぇ…どういう意味かな?」
城廻「秘密を暴露されても大丈夫な自信がある人は無理して探さない方がいいよ」
城廻「逆に不安な人は積極的に探してもいいと思う」
城廻「もちろん、1人1枚までね!2枚以上見つけたらちゃんと報告すること!」
城廻「それでどうかな?」
葉山「それでいいと思います」
城廻「はい!じゃあ解散!いつまでもウジウジしない!」
 城廻先輩のほわわんめぐりんパワーで場の雰囲気が変わった。ここに来て、城廻先輩の本領発揮といったところか。
 食堂から人が流れていく。俺もそのビックウェーブに乗り、食堂を出る。

 部屋に戻る前にお供え物を回収しようと墓へと向かった。するとそこには先客がいた。それも意外な先客だ。
三浦「ヒキオじゃん」
八幡「三浦…意外だな」
三浦「は?どーゆー意味?」
八幡「…そのままの意味だ」
 お供えした煙草とお菓子を回収しようと屈んだらお目当ての物はそこになかった。
三浦「あー、そこにお供えしてあったお菓子ってヒキオがやったん?」
八幡「そうだが…」
三浦「普通お参りのお菓子ってその場で食べるんじゃないの?そう思って食べちゃった」
八幡「ああ…まぁ…そう」
 いや、別にいいんだけど。
八幡「煙草を回収したのもお前か?」
三浦「煙草なんて火元じゃん。ちゃんと消しなさいよ」
 そういってペットボトルを見せてきた。その中には煙草もしっかり入っていた
八幡「あー…悪いな。ということは昨日のもおまえが回収してくれたのか?」
三浦「昨日?昨日は知らねーし。今日もたまたまだし」
 どうやら昨日回収してくれたのは別人みたいだ。そしたら猶更誰なんだって話だが…。
八幡「そういや、おまえは体育館行かないのか?葉山が待ってるんじゃ…」
三浦「それは午後からだし。もちろん行くけどね」
 ああ、午後からか…。
八幡「そっか、俺はたぶん行かないと葉山に言っておいてくれ。じゃあな」
 そういって三浦と別れた。

 部屋に戻ってから何をしようか考える。宝探しゲーム…してもいいがどこに隠してあるか見当もつかない。探してないからなんとも言えないが…。
八幡「…レンタルショップでも行くか。図書館でもいいな」
 ぼっちの拠り所で時間を潰すことにした。

 最初に訪れたのは図書館。この上にレンタルショップがあるわけだし、この建物最高だな!
八幡「さて…」
 気になる本はないかなーと、ぶらぶら動き回る。読んでは戻して、読んでは戻して…を繰り返す。
 昼を過ぎたころ、そろそろ飯を食べようと思い、今読んでる本を棚に戻そうとする。
八幡「あ、やべ!」
 手が滑ってしまい本を落としてしまった。
八幡「あー…まぁ、大丈夫…だよな?」
 本を拾おうと屈む。その時、見覚えのないものが視界に映りこんだ。
八幡「…?」
 それは机の裏にあった。しゃがまないと絶対に見ないような位置に貼ってある。それを剥がしてみると…。
八幡「これって…」
 モノクマのデザインの入ったコイン。俺は今朝これと同じものをみた。モノクマ金貨だ。
八幡「マジかよ…」
 どうやら俺は一足先に安全圏に入ってしまったらしい。
八幡「様子見か」
 俺には人に知られて困るような秘密はない。黒歴史は多いが。だがやはり下ネタの話になると100%女子にひかれてしまうだろう。それも嫌だ。だからといってすぐに保守と引き換えようという気にもならない。交渉材料として使わせてもらおう。
 …いい加減腹減ったな。食堂に行こう。

 食堂で飯を済ませた俺は次にレンタルショップに来ていた。やることは図書館と変わらない、ただの物色だ。
 特に語ることもなく時は過ぎていた…と思っていたのだが…。夕方、流石に飽きて店を出ようとしたところで…。
八幡「あ?」
 カウンターの裏に何か落ちているのを見つける。それはなんと…モノクマ金貨。
八幡「2枚目…だよな?」
 妙に運がいいな。超高校級の幸運とでも名乗ろうかしら。超高校級のぼっちの方がお似合いだわ。
 なんとも複雑な気分になりながら俺は店を出る。次に向かったのは売店だった。
 売店も2階にブティックができたおかげで一色や由比ヶ浜あたりがすごい喜んでいたことが記憶に新しい。そんな2階に上がっていく姿が見える。葉山グループのやつだ。葉山、戸部、三浦、海老名さん、由比ヶ浜の5人。あいつら遊んでたんじゃないのか?
戸部「べー明日のプール楽しみっしょ!」
三浦「ちょっと戸部…はしゃぎすぎ」
 あいつらは俺に気づかないまま上へと消えた。またプール行くのかよ…。
八幡「…そういえば」
 ここでふと思いつき食堂を見渡す。レア商品が更新されたか気になったのだ。1週間に1度と聞いていたから普通ならまだ更新されてないはずだが…。
八幡「なん…だと…」
 レア商品は見事に更新されていた。しかも売り切れ。1週間に1度じゃないのかよ…。
モノクマ「お答えしましょう!」
八幡「うわ!」
モノクマ「レア商品が思いのほか早く入荷できたのでしちゃいました!そのまま売れない場合は1週間で商品入れ替えだけど、売れたら入荷次第新しいの置かせてもらうよ!」
八幡「ああ…そう…」
 ついでに質問してみる。
八幡「今回のレア商品ってなんだ?」
モノクマ「う~ん、言ってもいいのかなぁ~」
モノクマ「まぁいっか!今回のレア商品は超強力消臭剤です!」
八幡「えぇ…」
 思わず変な声が出た。前が盗聴器なだけに拍子抜けだ。
モノクマ「質問は以上かな?ボクも忙しいからもういくね!」
 そういってモノクマは消えた。本当に忙しいやつだな。
 気になることも確認したので、お菓子やMAXコーヒーを買って外に出る。後は夕食まで部屋にいよう。

 そして夕食。今日も全員揃っていい感じ。そこでまたしても葉山が喋りだす。
葉山「皆、いいかな?」
雪乃「今度は何かしら?」
葉山「さっき皆で話したんだけど、明日もプールに行こうと思うんだ」
川崎「また?」
葉山「明日のプールはその追加施設も利用したいと思うんだ。皆が楽しめるようにね」
八幡「それ、ポイントはどうするんだよ?買う必要があるんだろ?」
葉山「そのポイントを出す人も話し合いで決めたから安心して欲しい。だからポイントが枯渇してる人は気にしないで欲しいな」
葉山「できれば全員来て欲しい。水着をまだ持ってない人はそっちにポイントを使って欲しいな」
雪乃「ポイントを節約したい…と言ったはずだけれど?」
一色「安いやつなら1000Pで買えますよ~」
結衣「いいじゃんゆきのん!一緒に行こうよ~!」
雪乃「はぁ…わかったわ」
 雪ノ下さん、押しに弱すぎない?
結衣「ヒッキーもだからね!」
八幡「えぇ…」
一色「先輩の水着、私が選んであげますよ♪」
結衣「それいいね!」
戸部「プールは午後からだし、水着は午前中に選べるっしょ!」
一色「じゃあ明日の昼までにゆっくり選びましょうね!」
結衣「約束だよヒッキー!」
八幡「おおう…」
 押し切られてしまった。どうやら明日は逃げられそうにないらしい。

 夕食を済ませ、今度は掃除当番の時間。銭湯の掃除を行う。
陽乃「比企谷君モテモテだね!」
八幡「いや、そんなこと…」
陽乃「私も明日比企谷君と遊ぶの楽しみにしてるね!」
八幡「えぇ…」
 俺は楽しみにできないだろそれ…。
三浦「戸部ー、あんた新しい水着いつ買うん?」
戸部「やっぱ明日っしょ!海老名さんにいいとこ見せたいし!」
三浦「ふーん。そ」
戸部「優美子マジ感謝っしょ!」
三浦「別にいいって…」
 戸部、マジで新しい水着買うのか…。
 夜、ポイントが振り込まれたことを確認してから就寝した。ちなみに貰ったポイントは昨日と変わりなかった。

キーンコーンカーンコーン
 いつもと変わらない朝。今日は由比ヶ浜と一色にプールに連行されることになっている。
八幡「嫌だなぁ…」
 朝に出してはいけないような声を出しながらお墓へと向かう。
 今日も静かにお供えする。昨日三浦に注意されたから煙草とお菓子は即回収した。

 食堂に着くと真っ先にあの2人に声を掛けられる。
結衣「ヒッキー!」
一色「今日は…覚えてますよね?」
八幡「えぇ…マジで行くの?」
一色「当たり前ですよ!水着買ってないの先輩だけですからね!」
八幡「え?マジ?雪ノ下も?」
結衣「ゆきのんは昨日掃除の後に買いに行ったよ」
八幡「…川崎も?」
結衣「当たり前!」
八幡「……まさか材木座もか?」
一色「眼鏡のおかしな人も戸塚先輩と一緒に昨日買ってましたよ」
 あの野郎…!
八幡「…じゃあマジで俺だけなのか」
一色「諦めて一緒に行きましょう♪」
八幡「だから何で一緒に行くんだよ…。1人で行けるわ」
結衣「だって1人しておくと…ねぇ?」
一色「それに良い水着選べるのは私達だけですよ?」
八幡「選んでもらう前提なのね…」
結衣「ほら!早く早く!」
八幡「あーはいはい。わかったから!でも昼頃でもいいか?」
一色「別にそれは構いませんけど…なぜ?」
八幡「水着買ったらそのまま行きたいしな。それに少し考えたいこともある」
結衣「考えたいこと?」
八幡「……ちょうどいいな。飯食ったら図書館に来てくれ。2人ともだ」
一色「わかりましたー」
結衣「オッケー」

 朝飯を食べて図書館へ。2人もしっかりついてきた。
一色「それで、考えたいことってなんですか?」
 内容はもちろん、これだ。
八幡「こいつを見てくれ」
結衣「それって……もしかしてモノクマ金貨!?」
一色「ええ!?先輩見つけたんですか?」
八幡「もう1枚あるぞ」
結衣「ええええええ!?」
一色「もう2枚も見つけちゃったんですか?!」
八幡「ああ。それでこいつの使い道で悩んでてな」
結衣「悩む?」
八幡「流石にポイントと引き換える気はないからな。誰かに譲ろうとも思ってるんだが…」
八幡「なんなら2枚とも譲ってもいいとは思ってる。俺には隠したい秘密はないからな」
一色「…譲るって誰にですか?」
八幡「それは誰でもいいが…」
結衣「でも自分で使わなくていいってどういうこと?それがないと…ヒッキーの…ごにょごにょ」
 後半のセリフがよく聞き取れなかったが、こいつの反応を見る限り、下世話なこともバラされるといいたいのだろう。
八幡「そこは…まぁ、うまくフォローしてくれ」
結衣「そこは人任せなんだ!?」
一色「でもどうしてその話を私たちに?もしかして私たちに譲ってくれるんですか?」
八幡「それでもいい…。だがまだ俺の決意が固まったわけじゃない」
八幡「…つまるところ、期限までにお前たちが見つけられなかったら…でどうだ?」
 朝の時点で俺の考えは定まっていなかったが、話すにつれ固まっていった。2人にこの話をしたのも、きっと心のどこかで信頼してるからだ。一色はこの間のこともあったしな。
結衣「…ヒッキーがいいならそれでいいよ?」
結衣「私たちにとってもその申し出は嬉しいし…」
結衣「もちろん、私達が見つけられなかったらね!見つけたら自分で使うんだよ!」
一色「はい、私もそうするべきだと思います」
一色「先輩が思うように使ってください」
八幡「助かる」
一色「お話は以上ですか?」
八幡「ああ」
結衣「お!それじゃあ…」
一色「いよいよ…」
「「お買い物タイム!!」」
 憂鬱な時間が来てしまいました。

 昼頃。時間的には12時前。俺たちはブティックに来ていた。
結衣「ヒッキーにはどの水着が合うかな~」
一色「これとかいいんじゃないですか?」
八幡「俺は着せ替え人形かよ…。言っとくけど、あまりポイントはないぞ」
結衣「ちょうどいい値段のやつ探すから大丈夫だって!」
一色「先輩も探してみてください!この雑誌にのってますから!」
八幡「雑誌?」
結衣「このブティックの情報が載った雑誌だよ!そこに商品の全てが書かれてるから!」
八幡「そんな便利なのがあるのね…」
 ペラペラとめくる。ファッションに疎い俺はパリピが読む謎の本にしか見えない。

 いい感じに時間が経つと、二人が水着を持って俺の元にやってきた。
一色「先輩!これ着てみてください!」
結衣「こっちも試そうよ!」
八幡「はいはい着ればいいのね…。試着室どこ?」
一色「向こうですよ!」
 由比ヶ浜と一色に手をひかれて試着室に連れて行かれる。
一色「実際に着ないと合ってるかわからないですからねぇ~」
結衣「他にも候補があるから着てもらうからね!」
八幡「えぇ…」
結衣「その中から気に入った物を買うんだよ!」
八幡「はいはい」
一色「時間もないですし、さっさと着てくださいな!」
 一色がそういって試着室のカーテンを開ける。

ピンポンパンポーン
『死体が発見されました。一定の操作時間の後、学級裁判を開きまーす。
おまいら!死体発見現場であるブティックまで来てください!』

 世界が沈黙する。日常が閉鎖する。さっきまでの陽気な雰囲気はたった1つの放送で消えてなくなった。
一色「…………は?」
結衣「今のって……え………え…と……」
八幡「……死んでるのか?」
 試着室の中には、静かに倒れこむ戸部翔の姿があった。

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