【日曜興奮更新】ずっと先まで歩こう
「ねぇ、聞こえる?」
壁に耳をつけ、寝ている彼に確認する。大きな、低い寝息が隣の部屋から聞こえてくる。
「獣みたいだね、鼓動まで聞こえてきそうで」
私たちは最近、壁の薄い部屋で同棲を始めたのだ。
学生ってなんていいんだろう。時間がある。未来を見据えて行動が出来る。困っても誰かが助けてくれるでしょう。助けてくれないと言っているうちは、学生になりきれていない。
地元の役場で働いてコピーを千部取っている間、ずっと学生に戻りたいと思っていた。上京して、それが叶い、いま好きな