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evala「See by Your Ears」を見た 2020年1月

普段は展覧会の記録をしてるんだけど、今回のこの映画はインスタレーションに近いし、興味深かったので文章で残す。
evalaさんの“invisible cinema”、目で見えない映画って何…てなる。きっかけは美術手帖のリンクから、直感が働いて予告動画を見る。

たまたま出先でイヤホンをしてたのもあるけど、何これ?というか、めっちゃドキドキしたというか、え?え?という感じ。音自体がキレイ。雑味の少ない音。
普段、人の話を聞く、という事が仕事でもあるので、イヤホンでは爆音で聞かないようにしてるのだけど、これは音量上げてしまう。
そんな訳で気になってしまって、ちょうど1/24-26に表参道で公開されるというので、行ってきた。
なんというか、こういうところが東京のいいところだよね〜
ポプテピピック の「海行こう」「いいねー」のくだりが大好きなので、パッと思いついたら、行きたい。なので行けるし距離感もいいし、こういう公演が成り立つというのが地方とは違う。
だって、ほぼ音だけの映画て…一般常識的には何言ってるか分からない範疇だし。地方だとどれだけ集まるか、と思うけど、東京は人も多いし、関係者さんも多いんだろうね。私の入った回もほとんど席が埋まっていたので、関心が高いことが分かった。
場所は表参道のスパイラルホール。表参道自体は仕事で頻繁に通ってたけど、行くのは初めて。3階のスパイラルホールは席は100席くらいかな?スモークも焚かれてて一番後ろの席に座る。

座ってる人も、キレイなおにーさんおねーさん多目。よくよく調べたら、evalaさんがPerfumeのライブに楽曲提供してたり、ライゾマの真鍋さんつながりだったと知って驚いた。ほんと、単なる直感でいいな、と思っただけなので。
公演は70分、ほぼ真っ暗闇。自分の手をかざして確認したけど、1センチ先でも見えないくらいの暗闇。立体音響で、水音、波の音、鳥の声、人の声、息遣い様々な音が流れる。


この映画以前に、目を閉じたときの視界に興味があって、寝る前とかに見える映像を追ったりすることがあったんだけど、今回の映画はそれを目を開けてやるという…見えないはずなのに、なぜか視力もめっちゃ酷使した感があった。
というか、目を閉じてるのか開けてるのかもだんだん分からなくなってきて。そして、見えないはずなのに脳は何かを見せようとしてくるんだなということがわかった。
見えてたのは、青とか黄色とか液体のように流れるもの。音によって色が変わった。そして音に関係なく蛍光緑もみえた。多分微かな照明があったのかな、その影響だと思うけど。
スタートでフラッシュを焚いたような光もあったし、感覚器が敏感な人はしんどいんだろうな。実際、途中で係の人と出ていく人もいたし。
70分は長いといえばそうなんだけど、退屈感はほとんど感じなかった。これがすごい。途中、ややトランス状態のような感じもあったし、寝てた?と思うこともあった。なんせ、聴力、視力を目一杯使って集中してた。途中、不快と快楽の狭間くらいの音があって、これがやばい。侵入される、静的にいえば挿入される、下世話にいえば犯される的な音。個人の感想ですが。

今回の公演で気付いたけど、多分私は五感で遊ぶのが好きなんだろな。五感で知覚したものでストーリーを作ったり答え合わせをしたりしてる。展覧会とか好きな理由がなんとなくわかった。それにしてもこの映画、動画配信は趣旨に合わないんだろうけど、音源欲しい‥


そういえば、先日、映画好きの皆さんに評判の高い「パラサイト」を見た。よくできた映画だなぁというのが感想。映画は五感という感覚だけでなく、ストーリーを追い、ときには伏線が回収されたかを考えたりでなかなか忙しい。ある種五感プラス知力、というか。
なので、わたしが割と映画で画力というか、絵的にキレイかが気になる、というのも映画全体を追い切れないんだろなと思う。もう、忙しいんだもん。情報量多い。もう少し頭の回転が早かったらな、と思う…


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