旅立ちに向けて

先日、大学時代の友人から電話があった。ある決意を固めたと、心に灯った想いを打ち明けてくれた。

思いがけない内容だったけれど、一方でとても彼女らしく、その裡に生じた炎が強く輝き、心も体も動かす原動力になっていると感じだ。

この数年、私も彼女も暗い沼のなかで足をとられながらもがいていたような日々だった。それが一変したかのような希望に満ちた声や言葉に、ただただ嬉しさを感じた。

40を前に、やっぱり今は世の中だけでなく個人としても分岐点なのだ。彼女の挑戦は、現状としては超逆風。そしてその条件の厳しさは、30代後半の常識から言えば決して安易に選べるものではない。それでも行きたい気持ち以外何もないし、なんとでもなる自信があると彼女は言い切った。こんな人は絶対に何があってもなんとかする。彼女は大丈夫だ。

お互い悔いのないように過ごそう。過去の失敗や苦しみを栄養にして、逞しく、苦しくても自身が楽しいと思える道を行こうと話して電話を切った。

彼女の旅立ちに、どんな餞を用意しよう。
できることは多分ある。そしてその餞の一端には、私自身の進化な旅立ちの報告も添えたい。ぐずぐずしてはいられない、やらなければ。

友人の旅立ちに向けて、その道行の豊かであることをただ祈る。

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