祝辞
散文の季節がやってきて血みたいな色の雪が降りました さっきまでひとつだった人たちを死にたそうな目に変えるには一酸化炭素が最適で ストーブはずっと燃えています 今も ひとつも卵が入っていない冷蔵庫から蜂が飛び出してきてあなたを刺したとき あなたは泣かなかった のりたまみたいな色の蜂を見てさんざん笑いました ネットミームと何も変わらない笑顔でした 死んでしまったwifiはかみさまからの伝言みたいに瞬いて夜空に取ってかわろうとしていました 過去形 プラネタリウムみたいな空や電子辞書に載っていない言葉があるなんて知らなかったので ペットボトルに光を閉じ込めた 気でいたのに森に生えている本物の木はわたしを責めているようでした フリック入力されていく叙事詩になんの価値があるのでしょう 言葉にしたらいけないこととしなきゃいけないことがあって脳がしゅるしゅる泣いたのです 愛は食卓にあるはずでぼくは冷蔵庫を開けました 連続するデジャヴ 正しい言葉がわからなくてもみんな生活しているのはどう考えても夜が嫌われ者だから なのです 共通の敵をもったみなさんはやけにいきいきしていて 黄金もどきのえせポエムに騙されないとだめだった ぼくは夜とその他の違いがわからず 現実の夢しか見ない お守り 宗教 意味のない夢しか見なかった 狂ったふりをして開いたドアの先に銃が置いてありました ぼくは銃に詳しくないから わたしは 弾丸はなぜかこれだとわかって ささくれだった薬指の第一関節までがあなたの全て 電気が人間の発明じゃないような気がした次の朝にテレビで銃の撃ち方を学んだのです 穴の空いた靴下なんてものはひとつも持っていない 左目が乾いてわざと泣きました 涙の幽霊が見える だれの何かも知らない楽器の音が耳の中の動物 たぶん最近すみはじめた動物に似ているのは わたしの来世占いにも明確に書いてあったので 受け入れて 砂浜には何を埋めてもいいといいます 人工衛星が浮かんでいない空を見たくなったらこの番号に掛けてください 4の羅列に浅ましく不安になってしまいました 数字になって死んでいくのはぼくたちの特権ですね 影がない人になりたくて 水が蒸発していくプロセスをじっと眺めていたのはいつの夏休みなのか覚えていませんでした 夏休みが終わらない想像に 絶滅危惧種みたいな笑顔で応じてください 死にたくない 虫が視界の隅にいるのはいいとして 明後日からの流星群と似ていたらどうすることができるのでしょうか 地球規模の開花宣言によって統治されてしまった クリアファイルに透かした太陽がわたしを睨みつけていました 理科の先生はしぬまで腰を痛めたふりをしている気がしました 千年間が睨みつけていました 褒め言葉の海の水温を確かめていた日に流れ星が降りました 全て海に落ちる設計で素晴らしかった 直角に わたしと同じ夢を見るのは簡単なことです レベル上げをするみたいに人助けをしましょう 路地裏 瞼が 二回目の許されざる の時にあなたが言った言葉 アニメの距離感できみのことを愛していました 伝統が襲いかかってきて殺伐とした夜に閃光が走ります 新聞に載ったと気付くのはきまって死んでからで覚めない夢の証明をするのです あなたがきみになったりぼくがわたしになったりしても宇宙はみんなのものでした 下手くそな昔話が月を破壊してくれてよかった 眼鏡のフレームとマグカップ 許されざる恋が街を覆いました きみかと聞かれたきり帰ってこなかった エアコンの風はからだに良くない風なのでたくさん浴びようと思います すれすれの光 おしまい
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