121.卒業シーズン、北海道の春の思い出

 本土とは違うところが多いです。

 3月の終わりのシーズン。
 卒業する先輩に桜の木の下で告白。遠くに行ってしまうけど一年だったら待っててくれる。かわす約束。あからめる頬。舞い散る桜の花びらの中で繰り広げられる青春ラブストーリー。

 ここまでが本土の春のイメージ。
 北海道にはこんなものありません。

 3月終わりのシーズン。
 暖かくなってきて落ちてくる雪。危ない軒下。同じ学校なのに素で遠い距離。かわすカチカチの雪玉(気温が上がってベタ雪のため)寒さであからめる頬。舞い散る雪、べちゃって悪い足元で繰り広げられる帰宅行軍。
 卒業生の答辞に使われる文句は「ふきのとうも芽ふえ始め」です。雪解けの水だの、春の息吹が感じられる頃だの、全然冬です。

 小さいころは、映像コンテンツで卒業時期に桜が出てくるシーンがあるとハテナをよく浮かべていました。

 それゆえ、東京で実際に桜を見たときは感動したのを覚えています。早咲きのカワズサクラをみた代々木公園。桜の花びらの色に染まる目黒川。仕事の帰りにふと顔を見上げたら咲いていた道すがら。

 日常の感動はそこにあります。かわったのはいつだって自分。
 かえる事ができるのも自分だけなのです。

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