「POWERS#15」振り返り記事

こんにちは。ポケモンカード自主大会「POWERS」運営です。

本記事では2月11日に開催された「POWERS#15」について、ベスト8以上の構築を掲載しつつ環境考察も交えた振り返りを行っていきます。


※以下、本記事では「単体カード名」を〈〉で、「構築群」を【】で括ります。

例えば〈ギラティナVSTAR〉であれば「ギラティナVSTAR単体」を示し、【ギラティナVSTAR】であれば「構築としてのギラティナVSTAR」を示します。


また、本題に入る前にまずは「POWERS」のポイント制度について更新します。


1位:ふぁるこんさん:39.6pt
1位:かわぴさん:39.6pt
3位:こめさん:39.3pt
4位:イカタコさん:33.0pt
5位:あゆむさん:26.4pt
5位:たいしょーさん:26.4pt
5位:アンさん:26.4pt
5位:せとさん:26.4pt
9位:コルクさん:26.2pt
10位:ふりーじあさん:19.8pt
10位:パレオはエメラルドさん:19.8pt
12位:レーシャンさん:19.65pt
12位:東海林さん:19.65pt
14位:とむさん:18.2pt
14位:そらさん:18.2pt
16位:かがやくタルモゴイフさん:18.1pt
17位:マリオさん:13.2pt
17位:takeoさん:13.2pt
17位:あむさん:13.2pt
20位:ひじりさわさん:13.1pt
20位:こひ♪さん:13.1pt
20位:ライトニングれいさん:13.1pt

(当日の参加人数に応じて傾斜を掛けているので、大会別で比べたときに同じ順位でも異なるポイントになる場合があります)


今回が「POWERSシーズン3」の3回目となりますが、「POWERSシーズン2」と比べて決勝トーナメント進出者が非常に群雄割拠な状態となっています。
(シーズン3の3大会にて2回以上決勝トーナメントに進出したプレイヤーは現状2名のみです)

前シーズンは特定のプレイヤーに対するポイントの集中が発生していましたが、今回は逆にポイントの分散が発生しているということでまだまだ誰でもポイントレース上位に食い込むチャンスはありそうです。

では、以下にて環境考察を記していきたいと思います。


・E落ち後初回、勝つのは誰だ

※本大会は「ワイルドフォース/サイバージャッジ」後の環境で開催されました。


今回はレギュレーションEのカードが落ちてから最初の「POWERS」であり、当然のことながら今までと比べて大きな環境の変化が予想されました。

ちなみに「ワイルドフォース/サイバージャッジ」の注目カード情報が出る直前くらいの段階で本記事の構想を大まかに練っており、そのときは


・先1サポートを使えず

・【3神ザシアン】や【レッドパーフェクション】のような環境を定義するレベルのたねex軸のデッキもなく

・どんどんよぶ、ミラージュステップといった優秀な盤面形成ワザを持つポケモンがいるわけでもなく

・そして、〈バトルVIPパス〉のような種を並べるグッズもない

・でも進化が軸となっている環境


は近年のポケカの中でもかなり特異な環境ではないでしょうか?という内容で記事を書こうと思っていたのですが、たった1枚のグッズの登場で上記のプロットが全て無に帰すこととなります。

なんならパスより強い説ある

結局〈バトルVIPパス〉の相互互換が出たことから【2進化軸】のデッキが(というよりもほぼ【リザードンex】が)依然として戦えることが確約され、かつ【リザードンex】が苦手だった〈頂への雪道〉が環境から消えたことで当該デッキの天下となることは想像に難くなかったでしょう。

冷静になって今考えても高耐久、終盤の高火力はそのままに、苦手だった〈頂への雪道〉とアルカナシャインの〈サーナイト〉のレギュレーション落ち、かつ〈バトルVIPパス〉のレギュレーション落ちによる【ギラティナVSTAR】の減少と、本当に【リザードンex】視点で良いことしか起こっていません。

逆に【たねex軸】のデッキは〈なかよしポフィン〉が発表されるまでは「並びにくい盤面に対して速度で蹂躙する」というアプローチも考えられましたが、【リザードンex】側の盤面の組み立てが安定してしまった以上はどうしても終盤の「〈ナンジャモ〉+HP330の押し付け」が厳しくなることは容易に想定されるため、〈タケルライコex〉や〈ウガツホムラex〉など優秀な軸となるアタッカーはいれど競技シーンで勝ちにいくためには火力面や手札干渉耐性と色々乗り越えなければならない壁が高かったように思えます。

さて、そんな事前予想の中で発売された「ワイルドフォース/サイバージャッジ」ですが、やはりシティリーグ等の結果を見ても【リザードンex】が環境トップであることは全プレイヤーの想定内です。

「デッキパワーの高さ」と「環境でのシェア率」というのは正の相関性はあれど完全に一致するものではありませんが、それはさておき「〈リザードンex〉というカードの簡単さおよび取っ付きやすさ」と「レギュレーション落ち後の立ち位置の良さそう具合」のような要素も相俟って、ほぼ一強と呼んでも差し支えないほどの人気を誇っていたように思います。

なお、【リザードンex】における相方候補として〈ピジョットex〉と〈ビーダル〉が挙げられますが、最初期は〈頂への雪道〉が無いことから〈ピジョットex〉が優勢でした。

勿論これは今でも強いことに変わりはないのですが、こと【リザードンex】のミラーを考えた場合に「終盤容易に取られてしまうサイド2のポケモン」の存在が重く、CL福岡前くらいの段階から次第に〈ビーダル〉型が主流になっていきます。
(同時期に有名プレイヤーが〈ビーダル〉型の【リザードンex】でシティリーグを優勝したのも流行の後押しとなっていたように思います)

そして【リザードンex】に次いで流行ったデッキとしては【パオジアンex】と、〈なかよしポフィン〉を強く使える2デッキが上位を占める形となりました。

やはり先攻2ターン目でも〈ペパー〉や〈カイ〉から繋がる展開札というのは〈バトルVIPパス〉と比べて明確な差別化点であり(先攻1ターン目にピンポイントで引いている必要性がない)、ゲームに介在する運要素のブレを適切な方向性で整えてくれたように思います。

また、【パオジアンex】は〈プライムキャッチャー〉の登場による追い風も非常に大きいものがありました。

最初からこんなん出てきていいんですか?

元々〈カイ〉などで〈スーパーエネルギー回収〉を探しにいく関係上〈ボスの指令〉を撃ちにくい部分があったことからグッズでの裏呼び手段は非常に嬉しく、そしてグッズであることからそれこそ〈カイ〉や〈ポケストップ〉でヒット可能ということでデッキ自体が持つ最大値を飛躍的に上げてくれました。

〈ボスの指令〉+〈キャンセルコロン〉で〈マナフィ〉を貫通しながらのげっこうしゅりけんも、〈ボスの指令〉だと相当要求値が高く見えますが〈プライムキャッチャー〉であれば〈ポケストップ〉+〈カイ〉でパーツを探しにいけると考えると案外撃てそうな気がしてくるものです。

その他のデッキとしては〈トドロクツキ〉や〈コライドン〉を軸とした【古代バレット】が非ルール枠としての立ち位置を獲得しました。

盤面の準備がそこまで必要なタイプの非ルールではないため後1から積極的に攻撃をすることができ、終盤の打点も高く、そして何よりも「全体的なHPラインが高い」という点が非常に大きなプラスポイントとなっています。

やはり非ルールだと〈かがやくゲッコウガ〉のげっこうしゅりけんで盤面が枯れたり〈テツノカイナex〉のごっつあんプリファイでサイドプランが瓦解したりと不安要素を抱える面が大きいですが、この【古代バレット】というデッキはHPラインの高さによりこの問題を最初からある程度解決できているため他の非ルール軸のデッキと比べて明確な差別化点があるのが強みです。

加えて〈ブーストエナジー古代〉のHP+60も非常に強く、〈コライドン〉や〈トドロクツキ〉が実質HP200となるため〈リザードンex〉のバーニングダークを耐えて反撃できる可能性すらあります。

シティリーグ以外に自主大会でも結果を残しているデッキであり、今後も見る機会が多くなるであろうデッキだと言えるでしょう。

なお、CL後環境としては【アルセウスVSTAR】や【ギラティナVSTAR】、【ロスト軸】が数を増やすこととなりますが、時系列的にまだ「POWERS#15」の2月11日時点ではそこまでの流行りは見せていませんでした。



・当日の環境について

さて、「POWERS#15」当日の環境は以下のようになりました。


【デッキ分布】:合計数63

【リザードンex】:19
【パオジアンex】:11
【古代バレット】:9
【ロストバレット】:4
【ギラティナVSTAR】:3
【未来バレット】:3
【サーナイトex】:3
【タケルライコex】:2
【アルセウスVSTAR+ロコンVSTAR】:2
【ミライドンex】:1
【トドロクツキex】:1
【カビゴンLO】:1
【アルセウスVSTAR+グレンアルマex】:1
【アルセウスVSTAR+ギラティナVSTAR】:1
【カメックスex】:1
【メタングバレット】:1


上位3デッキで全体の2/3近くを占める結果となりました。

【リザードンex】と【パオジアンex】が強いのは大体のプレイヤーが理解しており、しかしそれ以外のデッキとなると〈リザードンex〉の高耐久押し付けや〈テツノカイナex〉のごっつあんプリファイなど「何かに怯えなければならない」ため、であればミラー上等で上位デッキを握った方が良いという結論でしょうか。

そう考えると前環境の【サーナイトex】【ギラティナVSTAR】環境に似ていると言えなくもないかもしれません。

とはいえ前環境との違いは上位デッキがそこまで他のデッキを否定していない、つまりどのデッキも勝つ可能性が残っているという点です。

その中でも「如何に想定外の一撃を通すか」は上位デッキとの差を埋める近道であり、そういう意味では【未来バレット】などはその典型でしょう。

〈リブートポッド〉から早期に〈テツノカイナex〉の起動まで繋げ、〈ヘビーバトン〉でそのエネルギーを盤面に残しながら戦っていく姿は〈ねがいのバトン〉を付けた〈レックウザGX〉を彷彿とさせます。
(例えが古すぎる?)

そんな中で上位入賞したデッキが以下の8デッキとなります。


・上位構築雑感

【リザードンex】:3

暗号マニアの2枚目を採用しており丸く動けます


ウガツホムラ入り。対アローラロコンなどに強く出られます


ピジョ型も根強い人気。ピジョだとベルトが多い印象です


【古代バレット】:2

デヴォやチヲハウハネなど局所的なメタ意識が見えますね


こちらはネジキとツツジで自分の動きに幅を持たせています



【サーナイトex】:1

クエスパトラがリザや非ルールに非常に刺さっていました


【アルセウスVSTAR+アローラロコンVSTAR】:1

パトロールキャップが良い味を出してます


【カメックスex】:1

ベルト込み330の高打点が耐久も合わさり非常に強力でした


【リザードンex】の3人抜け、【古代バレット】の2人抜けは概ね納得のいく人数ではありましたが、【パオジアンex】が0人だったのは少し意外でした。

確かに「2進化のシステム+1進化のシステムを置いた上で更にアタッカーの準備も必要」と言われると些か要求値が高いように見えます。

特に後攻番にノーサポートの手札だと後が繋がらないことが多く(仮に技を撃てても盤面の〈セグレイブ〉や〈ビーダル〉が1体のみ=そこを取られて終了となりやすい)、その割にはサポートの総枚数が少ない構築が多いので、その辺りでマイナス面が目立ってしまった結果なのかもしれません。



・終わりに

レギュレーションが変わった直後というのは(勿論事前にある程度の環境考察は進めていますが)色々とわからない部分、見落としている部分も多く、「なるほどそういうアプローチもあるのか」と感心させられるという意味も含めて見る側としても楽しい回でした。

今回はCL福岡前の開催だったため、この記事が投稿される時点とは少し環境が違うかもしれません。

次回の記事ではその辺りも含めた環境の変化に軸に追っていきたいと思います。

それでは次回、「POWERS#16」の振り返り記事にてまたお会いしましょう。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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