「POWERS#12」振り返り記事

こんにちは。ポケモンカード自主大会「POWERS」運営です。

本記事では10月22日に開催された「POWERS#12」について、ベスト8以上の構築を掲載しつつ環境考察も交えた振り返りを行っていきます。


※以下、本記事では「単体カード名」を〈〉で、「構築群」を【】で括ります。

例えば〈ギラティナVSTAR〉であれば「ギラティナVSTAR」単体を示し、【ギラティナVSTAR】であれば「構築としてのギラティナVSTAR」を示します。


また、本題に入る前にまずは「POWERS」のポイント制度について更新します。


1位:ねりあめさん:95.6pt
2位:楓さん:78.6pt
3位:すもぐりさん:55.15pt
4位:野村さん:52.7pt
5位:レーシャンさん:51.1pt
6位:りんたろーさん:44.4pt
7位:いなっしーさん:39.6pt
8位:クサエネさん:39.0pt
9位:イガ汰つなさん:37.8pt
10位:せとさん:37.5pt
11位:えふさん:32.85pt
12位:ふりーじあさん:25.8pt
13位:マリオさん:25.7pt
14位:こひ♪さん:25.6pt
15位:レンさん:24.2pt
16位:なべさん:19.8pt
16位:イノさん:19.8pt
18位:かがやくタルモゴイフさん:19.65pt
19位:あやとさん:19.5pt
20位:SKさん:19.2pt
21位:マグロさん:18.75pt
22位:さやぴよさん:13.2pt
22位:ヤッフーさん:13.2pt
22位:れんパパさん:13.2pt
22位:イカタコさん:13.2pt
26位:てんさん:13.1pt
26位:にわとりさん:13.1pt
28位:はやしさん:13pt
28位:オイカワさん:13pt
30位:おきさん:12.8pt
30位:しゅんさん:12.8pt
32位:かりめろさん:12.5pt
32位:ミラクルローグさん:12.5pt

(当日の参加人数に応じて傾斜を掛けているので、大会別で比べたときに同じ順位でも異なるポイントになる場合があります)


「POWERSシーズン2」決着!

ポイントレース首位はシーズンを通して圧巻のパフォーマンスを見せつけたねりあめ選手です!おめでとうございます!

「POWERSシーズン2」の6大会中5回出場して4回入賞、予選勝率は24-4の85%と「The POWERS」の地位を不動のものにしつつあります。

さて、このランキングをベースに「Hi-POWERS#2」の招待選手を確定させていくわけですが、そちらについては運営陣よりまた詳細な告知がありますので続報をお待ちいただければと思います。

では、以下にて環境考察を記していきたいと思います。


・雪原の王

※本大会は「レイジングサーフ」後、「古代の咆哮/未来の一閃」前の環境で開催されました。

前大会からプールが変わっていないため今回もほぼ同じ環境ではありますが、それでも少しばかりの変化は訪れています。

具体的には前回から数を増やしつつあった【パオジアンex】がいよいよ環境トップとして君臨してきた点です。

元々使用者の多かった【サーナイトex】や【ギラティナVSTAR】と異なり【パオジアンex】はリストが発展途上だったイメージがありますが、(有名プレイヤーの影響か)ここにきてようやくそれが洗練されてきたことで使用者が増えてきました。

「使用者が増えることで開拓が進んでリストが強くなる」

「リストが強くなりデッキとしての評価が上がると使用者が増える」

という循環の結果のように思えますね。

また、「思ったより上振れ前提構築ではない」という評価を得つつあるのも変化点でしょうか。

特に〈ポケストップ〉絡みでのブレを嫌うプレイヤーはまだまだ多いですが、とはいえサポートを極限まで絞り構築内にグッズを増やした状態でリスクを抑えて勝負できるようにすれば(欲しいものをピンポイントで引けるかはさておき)手札の総数は増やせるイメージです。

そうして手札の総数さえ確保できれば足りないパーツは〈カイ〉で補える構築なので、意外と〈ポケストップ〉だけに全てを委ねるシーンは少なく立ち回れます。

前記事でも書いた通り、【パオジアンex】が持つ理論値の高さは凄まじいものがあるので、その上で「意外とブレも大きくないのでは?」という評価を世間的に得られたのだとしたら、それは数が増えるのもある種当然かもしれません。

また、単純な軸の増減の話とは異なりますが、〈パオジアンex〉の影に隠れて着実に数を増やしつつあるのが〈ビーダル〉です。

……影に隠れて、というよりかは増えた【パオジアンex】に〈ビーダル〉採用が一般的となっている、という話なのですが、それにしても【パオジアンex】以外でも採用している構築が増えているように思えます。

それこそ【ロスト軸】や【サーナイトex】のような「自前で既にドローソースを確保できている構築」以外の大半に採用されているのではないでしょうか。

確かに「手札干渉耐性」はいつの時代も重要なワードであり、それこそ「手札干渉に屈しない【パオジアンex】」と言われると途端に強そうに思えてきます。

(少し環境は変わりますが)先日の四天王決定戦で行われた【パオジアンex】ミラーでも劣勢から〈クロススイッチャー〉+〈ナンジャモ〉で手札干渉をしながら対面の〈ビーダル〉をきぜつさせることで逆転を狙うシーンがあり、それだけこのカードが【パオジアンex】の生命線になっているように見受けられます。

この〈ビーダル〉というカードは次の「古代の咆哮/未来の一閃」発売後の環境でも非常に多くの構築に採用されており、いよいよ「とりあえずとしての盤面ドローソース」のスタンダードになってきている節があるのでこのカードに関する理解を深めることが新環境で一歩リードするための近道かもしれません。


・当日の環境について

さて、「POWERS#12」当日の環境は以下のようになりました。

【デッキ分布】:合計数64

【パオジアンex】:11
【ギラティナVSTAR】:10
【ロストバレット】:1
【サーナイトex】:8
【ミュウVMAX】:6
【ルギアVSTAR(一撃)】:5
【ルギアVSTAR(白)】:1
【リザードンex】:5
【ミライドンex】:5
【サーフゴーex】:2
【ハッサム】:2
【リバーサルサーナイト】:2
【アルセウスVSTAR+ギラティナVSTAR】:1
【ガブリアスex】:1
【ラウドボーンex】:1
【キラフロルex】:1
【ゾロアークバレット】:1
【カビゴンLO】:1


いよいよ【パオジアンex】が【サーナイトex】や【ギラティナVSTAR】を抜いて母数トップに躍り出てきました。

しかし、こうなるとなかなか難しい話が「ミラーマッチ」です。

【サーナイトex】や【ギラティナVSTAR】をその圧倒的な速度で破壊するために【パオジアンex】を握るわけで、誰も【パオジアンex】のミラーをやりたいから【パオジアンex】を握るわけではありません。

「環境トップのミラーマッチから逃げるべきではない」というのはこの記事に限らず以前から言っていた部分ではありますが、とはいえミラーマッチの回答や立ち回りを用意しやすい構築とそうではない構築があります。

昨今の【パオジアンex】における〈マナフィ〉の採用率から見るに、【パオジアンex】はミラーマッチの後攻をある程度切っているように見受けられ、そうなると【パオジアンex】の数が増えてくることは当人達にとってはあまり望ましい展開ではないのでしょう。
(上振れたゲームは〈マナフィ〉すら貫通されるので、採用の理由付けがそもそもとして低下の傾向にある可能性は否定できませんが)

さて、そんな中で上位入賞したデッキが以下の8デッキとなります。


・上位構築雑感

【ギラティナVSTAR】:1

ミカルゲ採用型。決勝では大活躍でした


【ミュウVMAX】:1

オドリドリやロストシティ採用でサーナイトex対策が厚いです

【パオジアンex】:1

最近流行りのビーダル軸。ボール厚めで安定感に寄っています


【サーナイトex】:1

マナフィ2で環境の流れにしっかりと食らいついています


【ゾロアークバレット】:1

スコヴィランがあるので新弾後も実は頑張れるかもしれない枠


【ロストバレット】:1

種exに対しての強さを考えると良い選択肢だと言えます


【サーフゴーex】:1

最近流行りのハッサム型です。作業員4投で雪道耐性も◎


【カビゴンLO】:1

母数1でもきっちり入賞。新弾後が恐ろしい……


今回は奇跡的に決勝トーナメント進出者のデッキが被らない結果となりました。

時期的に「古代の咆哮/未来の一閃」発売直前だったこともあり、そこで使いたいリストの前身を持ち込んでいることから環境がバラけた可能性もありそうです。

特にこの中でも【カビゴンLO】は新たに〈カウンターキャッチャー〉というとんでもない強化を貰うことになるので今後は(時期的にはもう既に)無視できない存在となっていくでしょう。

【サーフゴーex】もトラッシュするエネルギーには色指定が無いため〈パルキアVSTAR〉や〈かがやくリザードン〉など様々なサブアタッカーを導入できそうです。

とにかく山札自体は引けるため、〈カイオーガ〉の250ダメージをどうにか狙いにいく構築も視野に入るかもしれませんね。


・終わりに

気付けば「POWERSシーズン2」も終わり、「POWERS」そのものが始まってから1年以上が経過しました。

ありがたいことにこの1年間で「POWERS」の存在を多くの方に知ってもらうことができ、参加者も安定して増えつつあります。

発足当初からの理念である「札幌ポケカ界における競技シーンの向上」は永遠のテーマでもあり、客観的な数値などから明確に「達成された!」と決められる類いのものではありません。

しかし、特に「POWERSシーズン2」開始以降は「大会参加者のレベルの高まり」を感じることが運営陣としても多く、この大会の存在が札幌ポケカ界における競技シーン全体の底上げとしての役割を少しでも果たした結果なのだとしたら、それは非常に嬉しいことだと思います。

次回からは「POWERSシーズン3」が始まります。

「POWERSシーズン2」と比べてよりレベルが高まった皆さんを見られることを楽しみにしております。

それでは次回、「POWERS#13」の振り返り記事にてまたお会いしましょう。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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