「POWERS#5」振り返り記事

こんにちは。ポケモンカード自主大会「POWERS」運営です。

本記事では1月28日に開催された「POWERS#5」について、ベスト8以上の構築を掲載しつつ環境考察も交えた振り返りを行っていきます。

また、本題に入る前にまずは「POWERS」のポイント制度について更新します。

1位:楓さん:58.3pt

2位:りんたろーさん:44.5pt

3位:ねりあめさん:35pt

4位:なべさん:33.9pt

5位:アンさん:32.7pt

6位:ともぽんさん:32.4pt

7位タイ:SKさん:30pt

7位タイ:ふりーじあさん:30pt

7位タイ:graffさん:30pt

7位タイ:イノショ。さん:30pt

7位タイ:ごぼさん:30pt

12位:マリオさん:26.5pt

13位:おーごさん:20.9pt

14位タイ:ツラさん:17.25pt

14位タイ:しまもんろーる(31♂)さん:17.25pt

16位タイ:かわぴさん:16.35pt

16位タイ:あいろにさん:16.35pt

18位タイ:しんさん:15pt

18位タイ:イヤッフーさん:15pt

18位タイ:しーさぎさん:15pt

21位:ハセガワさん:11.5pt

22位:せとさん:10.9pt

23位タイ:ハチさん:10pt

23位タイ:てんさん:10pt

23位タイ:たぴおかさん:10pt

23位タイ:ひじりさわさん:10pt

23位タイ:なつみさん:10pt

(当日の参加人数に応じて傾斜を掛けているので、大会別で比べたときに同じ順位でも異なるポイントになる場合があります)


30pt以上を持つ選手が10名を超えてきました。
(優勝1回/ベスト4を2回/準優勝+ベスト8などが30pt相当です)

実力あるプレイヤーがしっかりとした安定感を示しており素晴らしいですね。

次回、POWERS#6にてポイントレースは一旦区切られる形となります。

誰がトップとなるのか、そして、その後に開かれる大会について、続報をお待ちいただければと思います。

では、以下にて環境考察を記していきたいと思います。


・Gレギュレーションの“王”は誰か

さて、今回のPOWERS#5はレギュレーション変更後の大会となります。

スカーレット・バイオレットの発売に加えレギュレーション変更も行われたことで環境は当然ながら激変の一途を辿るわけですが、果たしてどのようなデッキが事前に高評価を受け、実際にどのようなデッキが高いシェアを占めていたのでしょうか。

まずは事前評価について、レギュレーション変更前まで環境入りしていた構築から考えていくと、前環境の王である【ルギアVSTAR】は評価をかなり下げた形となります。

〈アメイジング枠〉の全てと〈特殊エネルギー〉の大半を失ったことは勿論、〈しんかのおこう〉を失ったことが相当痛く、試合の流れで〈博士の研究〉を使用しつつ〈アーケオス〉をトラッシュに送りにくくなったことで、実質的には〈バーネット博士〉からの起動を強要されるようになってしまいました。
(キャプチャーアロマこそ残っていますが流石に安定感に欠けると言わざるを得ません)

残った特殊エネルギーとして〈いちげきエネルギー〉と〈フュージョンエネルギー〉があり、それらを活用した【ルギアVSTAR+ゲンガーVMAX】や【ルギアVSTAR+デオキシス】のタイプは想定されますが、それでも初動のことを考えると安定感に欠ける点は変わらないといった印象でしょうか。

逆にレギュレーション変更前にて環境にいたデッキからほぼそのまま戦えるデッキとしては【ミュウVMAX】と【ロスト軸】が挙げられます。

【ミュウVMAX】は〈クイックボール〉こそ失いましたが〈ネストボール〉を手に入れ、たねポケモンにアクセスできるカードの総数としては変わりません。

勿論〈クイックボール〉の役目は「たねポケモンを持ってくること」以外に「手札の詰まったカードをトラッシュに送ること」もあり、そこについては〈ネストボール〉は寧ろ手札に詰まってしまう側のカードではあるので評価が難しいところではありますが、〈ウッウロボ〉の増量などにてある程度は対応可能なのかなと思います。

なにより「1進化exのHPラインが250前後」、「2進化exでようやくHP310前後」であることを考えると「1進化exは〈パワータブレット〉込みのテクノバスターで早期のきぜつを狙え、2進化exはそもそもゲームスピードで勝負する」という戦い方ができるので新環境でもオールマイティーに戦えるデッキと言えます。

唯一の欠点が後述する【ロスト軸】、特に【ロストバレット】相手に非常に苦戦を強いられるという点で、環境にどれだけ【ロスト軸】が流行っているかで勝ちやすさが変わってくるデッキとも言えます。

ということで【ロスト軸】についてですが、こちらは〈回収ネット〉と〈ガラルジグザグマ〉の喪失が痛手でしょうか。

しかし、〈回収ネット〉については実質〈ポケモンいれかえ〉としてのみ使う場面も多かったことから痛手とはいえそこまで致命的ではなく、〈ガラルジグザグマ〉についても〈ルチャブル〉の登場で互換カードを手に入れたので【ミュウVMAX】同様レギュレーション落ちによる被害は少ないと言えるでしょう。

また、「exの進化前が非ルールである」ことから後攻1ターン目の〈ウッウ〉により積極的にサイドを取りやすくなった点も評価ポイントです。

構築の軸としては〈ミラージュゲート〉の有無で大きく変わってきますが【ミュウVMAX】相手に190以上のダメージを効率的に出したい(サイコジャンプをされた返しにポケモンVを取りたい)と考えると〈ミラージュゲート〉については採用した構築の方が対応しやすいでしょう。
(全体的に〈ザマゼンタ〉を採用した構築が多かったように思います)

総じて環境としても立ち位置が良く、exポケモンに対してルールの追い風も吹いている、今最も注目されているデッキと言っても過言ではありません。

さて、ここまでが「レギュレーション変更前から活躍していたデッキ」であり、これからが「新レギュレーションで登場したデッキ」となります。

カードリストを見て強そうに思えるデッキが2つ、【サーナイトex】と【ミライドンex】です。

【サーナイトex】についてはリファインおよびミラージュステップの〈キルリア〉、アルカナシャインの〈サーナイト〉、バディキャッチの〈エルレイド〉など関連する進化ラインが非常に優秀なものばかりで、加えてアタッカー陣も〈ザシアンV〉、〈ガラルフリーザー〉など周りを固めるのに十分なパワーがあります。

特に〈ザシアンV〉の火力は圧巻で、ゲーム中盤以降は基本的に打点で倒せない相手が存在しないのでVSTARおよびVMAX相手では〈空の封印石〉を絡めることで優位にゲームを進められます。

ただし、逆に【ロスト軸】相手は〈ラルトス〉がすぐにきぜつしてしまうことから少々厳しく、〈モミ〉や〈ジャッジマン〉のようなカードは少なからず必要になってくるでしょう。

最後に【ミライドンex】ですが、圧倒的な展開力から不動の王者になるかと思いきや意外に中堅上位クラスに落ち着いた印象で、理由としては「そもそもタンデムユニットで出すポケモンにあまりバリエーションがない」ということが挙げられます。

大体は〈レジエレキV〉か〈メリープ〉、たまに〈ライコウV〉、〈レントラーV〉程度で、弱くはないのですがゲームを組み立てていけるほどの相方はまだいません。

加えてこれらのカードが〈ライコウV〉を除いて全てドローに繋がらないことから「序盤に展開こそできたものの中盤以降のサポートに繋がらない」という事態に陥りがちで、意外に回している道中1~2ターン止まってしまうケースは多々あります。

しかし、それでも〈ミライドンex〉の展開力が圧倒的であることには変わらないのでカードプールが広がるにつれてどこかで化ける可能性を大いに秘めているカードとも言えます。


・事前評価まとめ

【ルギアVSTAR】:B-
安定感は失ったものの、まだまだ煮詰める価値は十分。

【ミュウVMAX】:A+
ロストさえいなければ……!

【ロスト軸】:S
現状は最適解。構築はカツカツなので「ミラーでの捲り手段」と「序盤の安定性」とのバランスが重要。

【サーナイトex】:A
盤面が揃ってからのパワーこそ高いものの、2進化故に速度に難あり。

【ミライドンex】:B
誰と組み合わせるかの正解を模索中。


・当日の環境について

さて、「POWERS#5」当日の環境は以下のようになりました。

【デッキ分布】:合計数32

ロストバレット:7

ギラティナVSTAR:5

ミライドンex:5

アルセウスVSTAR:4

サーナイトex:3

ミュウVMAX:2

ルギアVSTAR:2

パフュートンex:2

ボチ:1

ダークライVSTAR:1


やはり事前評価通り、圧倒的な【ロスト軸】の多さです。

〈ギラティナVSTAR〉については〈クレッフィ〉への対策だと思われ、先攻2ターン目から高い打点を出せる構築が減ったことも含めてアビスシークの価値が相対的に上がった点が採用を後押ししたのでしょう。

この「先攻2ターン目から高い打点を出せる構築が減ったこと」に着目したテーマがもうひとつ、【アルセウスVSTAR】です。

【ルギアVSTAR】全盛期では後攻になった時点で場の〈アルセウスV〉を先攻2ターン目のストームダイブで取られてしまう確率が高く全体的に安定しない印象が強かったのですが、今の環境であれば後攻でも場の〈アルセウスV〉が生き残り、しっかりと〈アルセウスVSTAR〉に進化できるということで相対的に安定感が向上しました。

また、〈ジャッジマン〉を積極的に採用できる数少ないデッキでもあり、流行りの【ロスト軸】に対して〈ジャッジマン〉で手札を流しつつ〈チェレンのきくばり〉などで優位に立ち回れる点も良いポイントです。

相方としては〈ギラティナVSTAR〉で火力を求めるタイプと〈キルリア〉+〈サーナイト〉+〈エルレイド〉で足周りを固める以前で言うところの【裏工作+アルセウスVSTAR】のようなタイプに二分されており、どちらも得意不得意があるので環境を見定めて適切な方を選択していきたいところです。

そんな中で上位入賞したデッキが以下の8デッキとなります。

・上位構築雑感

【アルセウスVSTAR】2

【ミライドンex】1

【ロストバレット】2

【ギラティナVSTAR】3

今回は【アルセウスVSTAR】がワンツーを決める結果となりました。

決勝戦のような〈ギラティナVSTAR〉採用型vs〈サーナイト〉採用型の構図になると、280ダメージを一方的に出せる〈ギラティナVSTAR〉側にかなり分があるように見えます。

事実として〈サーナイト〉側は成立した〈ギラティナVSTAR〉を一撃できぜつさせることができず、対処に苦しんでいました。

【アルセウスVSTAR】は元々カスタマイズ性が高いデッキなので、この結果をもとに新たな相棒候補が浮かび上がってくるかもしれませんね。


・終わりに

新レギュレーション初のPOWERS、環境的に想定内の部分、想定外だった部分、色々あったかと思います。

運営としては【ロスト軸】の流行は想定内でしたが思ったより【ミュウVMAX】が少なかったことと、【アルセウスVSTAR】の高アベレージの2点については想定外でした。

やはりプレイヤーが違えば見えているもの、もといデッキ選択も含めて色々異なるわけで、こういった様々な視点からの知見を得られるのが大会運営の醍醐味だったりします。

さて、そうこうしているうちに次回のPOWERSは今週末。

カードプールこそ同じであれ、この3週間近くでプレイヤー側の新レギュレーションに対する感覚も最初と比べてかなり変わってきたことかと思いますが次は果たしてどんなデッキが勝ち上がるのか楽しみです。

それでは次回、「POWERS#6」の振り返り記事にてまたお会いしましょう。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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