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【悲報】複数人でパワポを編集する方法、未だに「原始的なファイル共有」が最善手

みなさんこんにちは。
資料デザインのリサーチや分析に取り組むパワーポイントのスペシャリスト、パワポ研です。

ビジネスシーンにおかれましては、色々な業務を分担することがあると思います。企業全体で言えば、戦略を立てる人がいて、商品を開発する人がいて、営業する人がいて、そしてそれを裏から支える人がいます。

このようにほぼ担当が決まっている業務を分担する場合には、業務の分担方法が問題になることはほぼないでしょう。上記の例で言えば、開発の人と営業の人の業務が重複することは(ごく例外を除いて)ありません。

しかし、こと資料作成という業務では誰が何をやるかの担当はほぼ決まっていません。なぜなら、誰しもが色々な資料を自然発生的に作る場合があるからです。そのため、上司と部下で担当するスライドを分けたり、あるいは同じ席次の部下同士で業務を分け合ったりする例はしばしば見られます。

実はこの資料作成業務の分担ですが、思いの他難しく、

・同じスライドを編集するなど、業務が重複してしまう
(=ダブルワーク
・気づいたら先祖返りしている
(=先祖返り
・フォーマットが各スライドがバラバラになる
(=フォーマット崩壊

おおよそ、この3つの弊害が発生すること請け合いです。

資料作成業務を分担する手法はいくつかあります……が、実質的に使える手法は一種類だけです。多くの手法は、上記の弊害を乗り越えることができません。

とにかく、いくつかの(残念なものも含む)手法を紹介していきます。

Google Slide

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便利ですよね、Google Slide。簡単に説明すれば、
・ブラウザ上でMicrosoft PowerPointのように資料作成ができる
・ブラウザ上で編集するものなので、URLを共有すれば他の人と共同で作業ができる
・無料で利用できる

というものです。これだけ聞くと願ったりかなったりかと存じますが、大きな欠点があります。それは、パワーポイントと比較して使い勝手が悪いということです。

そもそも(一般論として)有料サービスであるMIcrosoft PowerPointと、無料であるGoogle Slideが同じ操作性・クオリティであるわけがないんですね。細かく言えば、ショートカットが利かなかったり、フォントの選択肢が乏しかったりというところなどがありますが、いずれにせよMicrosoft PowerPointに慣れた人からするとかなり使いづらいと言えるでしょう。

また、セキュリティの観点も見逃せません。URLで共有する以上(少なくとも)ローカルでの保存よりもセキュリティリスクは発生します。また会社によっては、そもそもGoogle Driveを含めた共有サービスへのアクセスができないor許諾が必要な場合も珍しくありません。

なので、ダブルワークや先祖返りは少なくとも防げますが、そもそも作業効率が下がる/導入が困難という点では採用すべきではないかもしれません。

PowerPoint プレゼンテーションでの共同作業

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こちらは、先ほどのGoogle Slideと比較するとあまりメジャーなサービスとは言えないでしょう。簡単に言えば、

Microsoft PowerPointをWEBで連携することで共同編集できる
(Google Slideとは異なり、Microsoft謹製なので使い勝手も良好)
・自分と他の編集者の更新内容が競合しなければ、変更箇所は自動的に統合される

というものです。しかしこの手法もなかなかの欠点があります。

まず大きな欠点ですが、同じスライドを二人が編集してしまった際に、先祖返りが発生する可能性が非常に高いということです。これはつまり、Aさんが編集中のスライドにBさんが手を加えてそれぞれが更新したとすると、どちらかの更新内容は確実に失われます(片方の更新のみ反映されます)。その場合、「どこがどう変わったか」を知るのは相当難しいでしょう。

なので、「絶対に同じスライドを編集しない」や「共同作業終了後は、速やかに個々人がローカルにファイルを格納する」などのルールを設け、そして徹底すれば便利に使える機能ではあるかもしれません。

また、利用条件としてすべてのユーザーがOneDriveまたは SharePoint を利用できる必要があります。この時点で、PowerPointユーザーの8割くらいは「なんのこっちゃ」ということになるでしょう。

想像してみてください。あなたの上司に、この新しい機能を説明する自信はありますか? 1秒でもはやく仕事を終わらせたいと思っている毎日、新しいツールを習得するヒマと聞く耳を持っている人は、あなたが思っているよりも相当珍しいです。

特に、あなたがバックオフィスに所属している場合、全社的にこの「使い方」と「注意事項」を説明しなければいけません。そして、どれだけ説明しても「使い方」や「注意事項」を読まず、「なぜか共有できない」「編集したはずのスライドが消えた。どうすればよい」という間抜けな質問があなたのもとに寄せられるでしょう。

そう思うと一見便利なこの手法も、説明の負担や使い方を誤った際のリスクが大きいために棄却をせざるを得ません。大変残念です。

原始的なファイル共有(昔ながらの手法)

なので大変残念な話なのですが、やはり旧来通りのローテクな手法で管理することが、面倒ですが最善の手法になるかもしれません。

具体的には、
・ファイルに名前を付ける
・マスターを持つ人を決める
・「スライド単位」で分担・配布する

まず、ファイルに名前を付けましょう。これが一番大事です。特に、末尾の「時間」が最も重要です。(20220717_(タイトル)_14:00ver 等)
これにより、最悪の事態(いつのファイルかすらわからなくなり、戻ることもできなくなる)を回避できます。

次に、マスターをもつ人を決めましょう。マスターというのはスライドマスタなどではなく、資料全体、という意味です。要すれば、資料全体の責任をもつ人を決めましょう、ということです。なお、この役割はチームリーダーが実施することが理想ですが、資料作成に関して信頼できる人がいれば、その人をマスターの保持者にしてもよいでしょう。リーダーから指示を飛ばす場合でも、マスターを持つ人は変わりません。

最後に、ようやく分担・スライドの共有です。マスターを持つ人(あるいはリーダー)が、「このスライドはAさん、このスライドはBさん」と指示します。その後、当該スライドのみ、あるいは資料全体を各人に渡します。その際に利用する手段は、「メールによる添付」です(少し進歩的なら、Slackなどでも構いません)。

そして、スライドを各人から回収する際には、かならず「修正したスライドのみ」を回収してください。これが大事です。がさっと資料全体で送られると、一定の確率でスライドが新旧入り混じります。これはどうやっても防げないので、資料全体をもらうことは絶対に避けましょう。

この手法はローテク極まりないのですが、特段の新技術(?)も使わず、誰しもに分かりやすいという利点があります。決してスピード感に溢れる手法とは言えませんが、リスクがほぼないという点が素晴らしいですね。もっとも、スタートアップ的思想ではなくいわゆるJTC的思想であるので、若い人には納得できない結論かもしれませんが……。

まとめ

3つの手法を採用しました。個人的には、全員がルールを順守してくれ、かつ新ツールの導入に抵抗がないなら「PowerPoint プレゼンテーションでの共同作業」を採用いただきたいですが、少しでも難しいと感じたら「ローテク」を採用すべきかと思っております。無理やり導入して反発を招くよりは、よほどそちらのほうが賢い選択だからです。こんな些末な話ではなく、もっと譲れないことは他にあるはず!

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