【パワポ研の決算資料探訪14】スパイダープラス社の決算説明資料の配色は”警戒色”で目を引く好事例!
企業の決算説明会資料について解説するこのシリーズ。前回大変好評をいただけましたので、おかげざまでこの度シリーズ14回目を迎えることができました(好評だった初回Goodpatch様の記事は以下)。
今回も見どころある企業の決算説明資料について紹介させていただきます。
対象とするのは、「スパイダープラス株式会社」。建築図面・現場管理
SaaS 「SPIDERPLUS」が主力サービスで、建設現場にサブスクリプションでサービスを提供するビジネスモデルの新進気鋭の企業です。建設現場にサブスクリプションでサービスを提供するビジネスモデルの新進気鋭の企業です。
2021年12月期 決算説明会資料
(URL)
それでは早速見ていきましょう。
表紙
モノトーンでシックに攻めています。黒基調のモノトーンというのはともすると暗い印象になってしまいます。この表紙のままのトーンで資料全体を進めると、やはり少し「暗いな」……と思ってしまうかもしれません。
ディバイダー
黄色! かなり「強い」印象を与えるカラーリングです。スパイダープラス社のコーポレートカラーである黄色を押し出しています。
黄色と黒の組み合わせは、いわゆる警戒色・警告色と言われるものです。動物界ではハチなどが採用していますね。街中でも工事現場やポールなどに見ることができます。
会社説明
そんな警戒色を多くのページで利用することで、嫌でも目に入るような構図になっております。本ページ、もしも色と背景がシンプルだった場合を想像してみてください。おそらく、余白の寂しさに耐えられないでしょう。警戒色(+背景)を駆使することにより、極めてシンプルな一枚絵を成立させることができます。
ビジネスモデル説明
もちろん複雑なスライド、例えばこのスライドのようなビジネスモデルを解説するようなものでも上手く警戒色のカラーリングに落とし込んでいます。矢印から図形の枠線まで、黄色をふんだんに利用しています。よく見ると、図形の中(下地)も薄っすら黄味がかったものにする、枠線は気持ち太目にするなど、黄色を上手く使いこなす工夫が盛り込まれています。
ハイライト
しかし、やはり「映える」のはメッセージ性の強いスライドかもしれませんね。細かいことを説明するよりも、どーんと大きな数値や図表が掲載されている様式に向いていると言えるでしょう。
売上高・ARR
ということは、スパイダープラス社も当然理解した上で資料全体をデザインしています。売上高・ARRに関する資料は普遍的な構成(白背景に黒文字、アクセントカラー一色)で表しています。この赤色が黄色でも良いのでは……とも思いますが、おそらく黄色では若干見づらい部分があったのでしょう。白背景に黄色で文字を読むのはなかなか厳しいものがあります。茶色に近い色を使うくらいなら、淡い赤色を使う、という結論なのでしょう。
働き方改革関連法適用について
こちらのスライドでは、黄色をハイライトとして一部利用していますね。それでも「ハイライト」としての利用に限っていますので、やはり細々とした説明には不向きなのでしょう。ワードスライドが黒背景に黄色文字、というのは見づらいでしょうね。
DXの必要性
このように上手く白地と組み合わせて、かつオブジェクトをシンプルにするというのが必要要件で、それで成立するスライドにのみ有効な手法ということでしょう。このスライドはかなり黄色の使い方が上手いですね。例えば右の丸いオブジェクトが「白地に黒」ではなく「黄色地に黒」だった場合は、相当ごちゃついた画面になっていたと思います。
中期計画
単純に「黄色」と「黒」を使うだけでは上手くいかない(=スライドの構成も熟慮する必要がある)ということを、このスライドは示してくれます。こういった概念的な図は作成がなかなか難しいものです。左と右をパネルで分割して、そこに要件を書く……といった一般的な様式ならある程度誰にでも書くことはできますが、上記のような複雑なものを作成するのは一苦労です(もしかすると、センスが要求されるかもしれません)。
まとめ
黄色と黒で構成された警戒色を上手く使ったスパイダープラス社の決算説明会資料でした。単純に色を変えただけではなく、その色が映えるようにスライドの形式も工夫しているので、ちょっと真似するのは難しいかもしれませんね。それでも、ハイライトのスライドだけそういった様式にするなど、参考にしたい(できる)ポイントは多々ありました。
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