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【パワポ研の決算資料探訪13】クラウドワークス社の決算説明資料は再現性が高く真似しやすい良い資料

企業の決算説明会資料について解説するこのシリーズ。前回大変好評をいただけましたので、おかげざまでこの度シリーズ13回目を迎えることができました(好評だった初回Goodpatch様の記事は以下)。

今回も見どころある企業の決算説明資料について紹介させていただきます。
対象とするのは、「株式会社クラウドワークス」。いわゆる業務の発注者と受注者をマッチングさせる「クラウドソーシングサイト」を運営している企業です。

2021年9月期 通期決算説明会資料

資料全般として見どころが多いわけではありませんが、それゆえに「分かりやすい」かつ「マネしやすい」資料になっており、それは華美な装飾をほどこした資料よりもよほど素晴らしいものだと言えるでしょう。

それでは早速見ていきましょう。

表紙

クラウドワークス21年9月_ページ_01

特筆すべきことはありません。白地に必要な情報(企業名、決算期、資料名)が記載されているだけです(+ロゴ)。その気になれば30秒で作れるところが潔いです。

業績ハイライト

クラウドワークス21年9月_ページ_03

いろいろな企業の業績ハイライトを見てきましたが、最も見易い部類の一つです。色は極力シンプル(青系統+黒系統)に、必要な数字を正しく抜粋。この二つを守れば見やすい表を作れるはずですが、大抵の企業は「派手にしすぎ」と「情報盛り込みすぎ」ということで、あまり見やすい業績ハイライトになっていません。

あくまで「ハイライト」ですので、当然情報を盛り込みすぎるべきではありませんし、また情報を絞り込んだものはことさら「派手」にして目立たせるべきものもないはずです(情報が散乱している場合はある種の「強調」が必要ですが、そもそも掲載している情報が少ないので強調する必要がないため)。

また、スライド上部に日本語で「サマリ」が書いてあるのも良いですね。グラフや表だけを提示して投げっぱなしにしてある場合も多々ありますので。

ミッションの再定義

クラウドワークス21年9月_ページ_06

こういう文字が全面に出ているスライド、よく見ますね。あまり多用するとバカっぽく見えますが、この資料内ではこの一枚ですので、有効に使えていると言えるでしょう。流石に矢印は潰しすぎですので、もうちょっと縦に長くても良いかとは思いますが。

社会課題の解決と売上・利益成長の両立

クラウドワークス21年9月_ページ_08

いわゆるSDGs的なスライド。正直なところそこまで見やすいスライドではない(おそらく、上下よりも左から右のフローにした方が見易い+一行日本語で「メッセージ」を書いた方が良い)ですが、SDGs関連のトピックが最近流行しているので取り上げました。というのも、本スライド下部の「SDGs」のロゴについては、その利用は(営利企業に関しては)国連に許諾を取らなければ叶わないためです。無断で使っている企業も多いので、一応注意すべきということで本稿では言及しました(もちろん、クラウドワークス社は許諾をとっていると思います)

クラウドワーカー例

クラウドワークス21年9月_ページ_09

いわゆる「例示」のスライドです。例というのは簡単なようで難しく、色々情報を盛り込みたくなってしまい、結果的に「何が言いたいの?」というスライドが出来上がる例は多いです。

このスライドは非常に見やすい一例でしょう。写真を大きく扱うことで、自ずと情報掲載量の制限をかけています。そして、文字は必要最小限で、うまくハイライトしながら記載しています。また、(少なくとも)男性女性両方を例に出すというのも、昨今では配慮として必須になってきていますね。

つまり、シンプルなスライドにすれば、華美な装飾をせずとも情報は十分に伝わるということです。これなら真似はできそうですよね?

ノウハウの蓄積

クラウドワークス21年9月_ページ_12

要すれば、「色々やっています」というスライド。これも細かく説明せずに、ロゴでさっと流しているのが効果的ですね。スライドというものはあまり「読まれず」、むしろ「見られる(だけ)」ということを念頭において資料を作ると、このように「見て分かる」スライドになります。

ディバイダー

クラウドワークス21年9月_ページ_13

潔く、極めてシンプル。凝ったものを採用していいですが、この程度で十分という好例です。

売上

クラウドワークス21年9月_ページ_18

3つのセグメントがあり、それぞれの売上を記載しているだけです。これもシンプルでかつ、見栄えとしては特に見づらくありません。妙な工夫を弄するくらいなら、(先ほどと同じく)潔い方が分かりやすいですね。

生産性向上KPI

クラウドワークス21年9月_ページ_20

まず目を引くのが、画面右側を大きく使った数字。言いたい話はこれである、ということをこれでもかというくらい知らしめられます。普通のスライドでは、左側のグラフを大きくして、その中の数字だけハイライト、というパターンになりますが、こういった工夫もありと言えばありです。ただし、意外に真似をするのは難しく、ともすると同じ数字が何度も出てくるだけの、意図が分からないスライドになってしまいます。上級者向けですね。

新規領域の拡大

クラウドワークス21年9月_ページ_28

写真の世界では「頭上の余白は敵だ」といいますが、ことスライドについては余白を恐れないことも大切です。情報を詰め込むよりも、決算説明資料のように枚数に余裕がある場合には、このように一件スカスカに見えるスライドでも全く問題ありません。ただし、内容が無いスライドはダメです。

まとめ

見やすいかつ、真似しやすい。資料作成初学者には非常に参考になる資料でした。

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