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【ダメパワポを一掃する】「正しい」パワーポイント資料を浸透させなければいけない理由とその手法

みなさんこんにちは。
資料デザインのリサーチや分析に取り組むパワーポイントのスペシャリスト、パワポ研です。

日々パワポ研のnoteをご覧になっている諸兄(あるいは、高品質なパワーポイントを作成されている方)は、会社や仲間内でのパワーポイント資料のレベルの低さに業を煮やしてはいないでしょうか? 社内会議のプレゼン資料のあまりの見づらさに愕然としたり、あるいはふと目に入った営業資料が、とうてい営業が成功するような見た目でなかったり……そういう機会は多いでしょう。世の中、バカが多くて疲れません?(桃井かおり風に)

さて、本記事ではなぜよろしくないパワーポイント(以下、ダメパワポ)が蔓延るのか、なぜそれを一掃しなければならないのか、そしてどうすれば一掃できるのかを順にお答えしていきます。

なぜダメパワポが蔓延るのか

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その昔、印字をする場合は専門のタイピストという職業の人間がそれを担っていました。誰もが印字ができるわけではなく、特定の技能を持つ人だけが実施可能な技術でした。しかし時は流れ、ワープロからPC、そしてスマホ、今後は音声認識と、どんどんその障壁は低くなってきています。それ自体は大変喜ばしいものです。

ところが、障壁が低くなることが万事において諸手を挙げて喜べることかというと、そうでもありません。Vividな例で言えば、Twitterの普及により、誰もが意見をしやすくなっている昨今の状況でしょうか。誰でも全世界に向けて文章やイラスト、写真、意見を発信できるようになりました。しかし、そこはある種無法地帯に近く、また優れたTweet(優れた、の定義はさておき)のみがタイムラインを流れているわけではありません。専門性が全くなかったとしても、なにがしかを成し遂げてしまう。そこに危なさがあります。

黎明期の自動車もおそらく同じ状況で、そしておそらく人をバンバン撥ね飛ばしていたはずです。しかし、すぐさまルール(=交通法規)ができ、そして技術習得の機会(=自動車教習所)が現れました。そうしないと、みんなが損をするからですね。現に、電動キックボードが昨今ちらほら見られますが、消費者はAmazonで安いものを買い、交通法規を学ばずに車道や歩道を我が物顔で爆走しています。なぜなら、ルールがないからです。そして、ルールがないと誰も「手軽さ」や「便利さ」だけを享受しようとして、テクニック等を学ぼうとしません

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翻ってパワーポイント。まず完全に普及しきっています(低障壁)。Microsoft Officeはもはや(ビジネスシーンの)インフラと言ってもいいでしょう。それ自体は良いです。しかし、皆さん「なんとなく」作っているだけです。会社の規模の大小を問わず、大したルールは制定されていません(あったとしても、スライドマスタ程度。しかも使いこなせてない)。そして、誰もが「なんとなく」作れているので、(パワポ研のnoteを見ている人を除き)技術を磨こうとしません。これではダメパワポが蔓延るのも無理はないでしょう。

つまり、以下の三つが主な理由です。

・誰でも作れてしまう(=低障壁)
・良いものを作るのには技術やルールが必要(=専門性)
・技術を学ぼうとしない人が大半(=旧態依然)

なぜダメパワポを一掃しなければならないのか

さて、ダメパワポが蔓延する理由は明らかになりました。でも、「そのままでいいんじゃない?」と思う人もいるかもしれません。

極論を言えば、別に「そのままでもいい」です。直近、不幸になる人はいないでしょう。ただし、良いパワポを利用した場合に得られる恩恵が受けられず、中長期的に見れば大きな損失になることは間違いありません。

もっとも大きく、かつほぼ唯一の理由はコミュニケーション効率が悪いことです。これは社内・社外(あるいは学内・学外)問いません。

社内のケースで考えましょう。例えば、役員会議があったとします。会議の事前に議題に沿ったパワーポイントが配布されています。しかし、あなたはそれを読み解けない。そして実際に役員会議でそのパワーポイントを利用して議論がなされる。なるほど、大体わかった。しかしまだ意味がわからないところがある。あなたは手を挙げて質問する。ようやく意味が分かった。さて、では議論すべきポイントは……。

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という、上記のスピード感が「あってはならない」ことはご理解いただけるでしょう。会議は「議論する場」であるので、事前に議論すべき内容を理解しておくのは大前提です。それなのに、その内容を理解するのに時間をかけてしまっています。効率が悪い会議の典型例ですね。こうなるくらいなら、ダラダラとワードで書いて共有してしまった方がマシです。パワポはメッセージを分かりやすくするために存在するツールですので、これでは本末転倒。

また、社外の例で考えましょう。あなたは営業をしている。顧客候補(リード)から、御社の商品紹介資料が欲しいと言われた。以前上長が作ったダメパワポを送付する。さて、顧客の反応は……?

これは分かりやすいですね。絶対に読み易いかつ理解し易いパワポの方が、商談成功率は上がります。世の中の人は読みにくいものを読み続けるほどヒマではありません。パッと読みやすいものしか読まないです。あなたの扱う商材は唯一無二のものではなく、代替可能なものです。そんな状況下で勝負しなければならないのに、分かりにくい資料を送っている場合ではありません。

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つまり、社内外いずれも「伝わりにくい」というのが大問題なのです。もちろん、副次的に「フォーマットが定まっていないと作成に時間がかかる」などが挙がりますが、いずれにせよ効率が悪い(コミュニケーションにしても、作製時間にしても)というところで課題は一致しています。

(閑話休題)良いパワポの定義は何か

実は……ないです。強いて言えば、「分かりやすい」「伝わりやすい」ということくらいでしょう。それが達成できれいればどんなフォーマットでも構いません。

逆に言うと、「ワンスライドワンメッセージではない」「画面に色が散らかっている」「(昨今見ないですが)アニメーションがうるさい」「16:9になっていない(旧態依然の4:3になっている)」などなど、そういった見づらい要因が取り除かれていればなんでもOKです。手前味噌ですが、困ったらパワポ研のフォーマットをご利用いただければ全く問題ないかと。

どうすればダメパワポを一掃できるか

上記の定義に鑑みれば、「分かりやすいフォーマット」があれば実現できそうですね……というのは、極めて安直。実情を分かっていないです。

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以下が一掃に必要な5つのフローになります。

・妥協する
・汎用的なパワーポイントを作成して展開する
・ダメパワポがいかによろしくないか説得する
・社内のパワーポイント監視/修正する
・時間をかけて現物と意識、技術を浸透させる

1. 妥協する

まず、妥協しましょう。あなた一人で完璧なパワポを社内に常に浸透させ続けるのは不可能です。みんながみんな真剣に取り組んでくれることはまずありません。また、技術の習得や意識の浸透には時間がかかります。なので、「クオリティ」と「変革への時間」は妥協しましょう。間違っても一か月で改善するなんて思わないように。

2. 汎用的なパワーポイントを作成して展開する

社内では「なんでそんなことをするの」と反対意見ばかりでしょう。「今までの方が楽でいいじゃん or 伝わるからいいじゃん」という意見が大半を占めています。その状況でいくら「いや、ダメパワポがあってはならないんですよ。理由は……」と滔々と説いても暖簾に腕押し。ここはぐっとこらえて、まずは良いパワポの実用性の高さを見せつけましょう

具体的には、会社(あるいは商品)紹介資料がよいでしょうか。社外広報にも、営業にも、新規人材採用にも使えます。しっかりと良いものを作って、社内外に展開すれば「おお、確かにこれは分かりやすい」という反応を得られます。また、社外向けに一度そういった資料を展開してしまうと、クオリティを落とせないと思うのが人の常。なんとかそのクオリティに到達しなければ、と思う人がちらほら出始めます。

3. ダメパワポがいかによろしくないか説得する

ここは上述したので、割愛します。「効率が悪いですよ」ということをお伝えいただければ、それで十分です。

4. 社内のパワーポイント監視/修正する

ここが難しい。いかにあなたが素晴らしい資料を展開されていても、日々ダメパワポは量産されていきます。それを監視、そして余力があれば修正しましょう。他の方も、好き好んでダメパワポを作っているわけではありませんので、歓迎してくれるでしょう。

具体的には、例えば営業資料で「古いもの」を使っていたとします。そうした場合は、なぜその資料を使っているのか理由を聞き、そして大抵は「面倒だから」とか「あなたのパワポを営業資料のフォーマットに落とすのがダルいから」とか、愚にもつかない理由です。その場合は、ちょっと修正してあげるとか、あるいは「こうやれば作れる」とか説明してあげることが大事です。

難しいのは、あなたのリソースが有限というところでしょうね。可能であれば、上長に掛け合って「パワポ浸透」を業務の一つに組み込めるとよいですね。

5. 時間をかけて現物と意識、技術を浸透させる

さて、あなたは社内に徐々に良いパワポが浸透していくのを実感しています。その総仕上げとして、上述のようにあなた自身が「良いパワポ」を他部門や同僚に提供したり、あるいは新入社員に「良いパワポは効率が良い」などと社内セミナーを実施したり、はたまた「パワポこう作るべし」という授業を展開してもよいでしょう。しかし、いずれも一朝一夕には達成できません。腰を据えたプロジェクトになることを覚悟してください

まとめ

言うは易し、行うは難しの好例がダメパワポの一掃です。この記事を参考に、あなたの会社(あるいはチーム)のパワポが良いものになることを願っています。この記事と、現在販売中の「パワポ研テンプレフォーマット」がその一助になれば幸いです。

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